劇場公開日 2022年3月25日

「新境地に挑むこととファンの期待に応えることを両立させることの難しさ」ナイトメア・アリー tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0新境地に挑むこととファンの期待に応えることを両立させることの難しさ

2022年3月26日
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デル・トロという監督と題名から、もっと「悪夢」のような、「迷宮」のような映画を期待して観たが、いささか肩透かし。ホルマリン漬けの胎児や、血だらけの幽霊のシーンには「デル・トロらしさ」を感じられるものの、明らかに物足りない。
そもそも、ペテン師が破滅していくだけの話を、これだけ仰々しく、もったいを付けて描く必要はあったのか?その割りには、伏線があからさまで、早くから結末が分かってしまうのはどうしたことか?いかんせん、ミステリーやサスペンスに必須の、ストーリーとしての「驚き」が欠落してしまっているのである。
別に、ファンタジーじゃなくても、モンスターが出てこなくても構わない。新境地を開きたいという作り手の意気込みも、分からないではない。それでも、デル・トロには、「何かやってくれるはず」というファンの期待に応えて欲しかったと思うのである。

tomato