「あまりドキドキしなかった」僕が愛したすべての君へ eigazukiさんの映画レビュー(感想・評価)
あまりドキドキしなかった
パラレルワールドに移動できる装置に翻弄される主人公の人生と女性との出会いを描いたSF感動系ラブストーリー。物語は老年期の主人公コヨミ(暦)の回想から始まる。暦の回想で小学校、高校、就職、定年後などでの主にヒロインのカズネ(和音)との人生が描かれる。落ち着きのある語り口の主人公の視点で物語は語られるので落ち付いた大人のラブストーリーという印象。
点数2.5。ドキドキできるシーンが少ないのでお勧めしません。高校時代の行動的なヒロインとの出会いでのドキドキがピーク。その後のヒロインとの同僚時代や結婚や子供ができたり定年後などはドキドキしない。色気の要素は皆無。
この映画で私の好きなシーンは高校時代のヒロインが学校の廊下で主人公の手を引っ張って二人きりになろうとする瞬間である。初対面時のヒロインのいきなりの積極的な行動にとまどう主人公。この時に私はドキドキした。ヒロインは気が強そうな眼鏡の女子高生であるがさも当然といったふうに無遠慮に主人公の手を引っ張るさまは驚きと期待が一気に押し寄せる効果を生んでいる。この映画の良くないところは私がドキドキするシーンが少ないことである。シリアスな場面がとても多い。シリアスな場面はハラハラするのでドキドキしない。たとえば物語終盤のクライマックス。走行中の車のなかで主人公とヒロインが長々と小難しい話をしたあとでキスをするのだが私は小難しい話にハラハラしその後いきなりキスを見せられてもあまりドキドキしなかった。すでに夫婦関係にある主人公とヒロインの二人きりのシーンでドキドキさせるためには何かしら心の準備が必要でこのシーンでは主人公やヒロイン視線のカットを入れたりして視聴者の心の準備を整えるべきだったと思う。しかもいきなり主人公がヒロインにたいし強引にキスを迫っている感じがするのでヒロインの性的興奮を呼び覚ますようなきっかけの描写もほしかった。例えば「愛しているよ」と主人公が言った瞬間にヒロインが頬を赤らめるカットをいれるなどである。この映画は私がドキドキする回数が少なかった。
視聴:液晶テレビ(有料配信Amazon Prime Video) 初視聴日:2025年6月29日 視聴回数:1(早送りあり) 視聴人員:1(一人で視聴)