「青→赤、赤→青でみるか、それが重要?」僕が愛したすべての君へ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
青→赤、赤→青でみるか、それが重要?
今年296本目(合計571本目/今月(2022年10月度)10本目)。
※ 私は青→赤でみました。映画の趣旨的に両方にレビューを書くとネタバレ度合いが高くなってしまうので、こちらのみにします(上記、本数にはカウント済み)。
私は青→赤でみました。
このルートは「ちょっと切ない結果」なのだそうです(公式サイト参照)。
この映画、特に「赤」のほうで明示的に出ますが、「大分市」が舞台です(作者の方が大分県出身のため。どちらの映画でも「特別協力:大分市/大分市商工会議所」というのが出る)。このため、特に「赤」のほうはそれが顕著で、「そこそこ」地元枠ではないかな…という気がします(府内城、JR大分駅前(南側・北側)、アーケード街、さらにニュースの「都町で飲みすぎて…」という話など。「都町」は大分市内の繁華街)。
※ ほか、「白いソニック」「中津(行き)の電車」などからもわかります。というより「JR大分駅前に左折」など明示的に「赤のほう」では出る。
一方、原作小説(文庫版?)を見ているのが前提かなという部分も結構あります。主人公(誰を主人公にとるかは、赤・青それぞれでも難しいけど、あの男の子ととるのが妥当?)をはじめとした登場人物の自己紹介パートなどはあるし、無駄に人は多く出てこないので、登場人物が覚えにくいということはないと思います。
ところが、赤も青も、もとは原作小説の固有名詞なのですが、タイムシフトといった話がどんどん飛ぶため、原作小説を知らない場合、ベクトル空間論等の知識を援用してみる必要が生じるので結構難易度は高いです(その知識でみれば、一応つじつまはあうっぽいです)。ただ、それができるのは理学部の理系共通数学を選択した学生さんなどではないかなぁ…というところです。
あとは…。どちらの映画でも「総務省」という語を聞くとは思いませんでした…。マニアすぎる…。法人(一般社団法人など)を管轄するのは総務省ですが、その総務省です。架空のお話なので何とも言いづらいですが、タイムシフトなんていうことを管轄するのも総務相なのでしょうね…(総務省というのは、他の業務内容が明確な省(文科省など)以外の「残り物すべて」が来る傾向があるので)。
個人的には私は青→赤でみただけで、赤→青で見ることも可能だと思います。カップルなどでいく場合、一時的にはなれて、青→赤と、赤→青でわかれてみて感想を語ってみるのもよいかなぁ、とは思います。結構そういう点では(今、コロナが落ち着いている状況では)推せる映画だと思います。
採点対象としては以下が気になった点です。
---------------------------------------------------------
(減点0.3) この映画は珍しくも「総務省」という語が明示的に出るのですが、そうであるなら語の使い方はしっかりしてほしかったです。一般社団法人などの管轄が総務省であるのは間違いないですが(各種法律)、「総務法人」という語ないし概念はありません。
(減点0.1) 元の小説通りに起こしたということは理解しても、その「タイムシフト」の簡単な例も映画内で出てこないまま進むので、いわゆるタイムワープもの?という理解に落ち着いてしまいそうですが、裏では数学物理の概念が(現在、リアル日本では研究中ですが)動いていることで、このことは学部1年程度の数学の知識が必要です。
このため、知識があると「え?まさかそれ(ベクトル空間論)を超えて、距離空間、位相空間論の話でもしはじめるの??」と思われても仕方がないかなぁ…(ただ、そこまでみようとすると、それこそ数学科の学生さんや数学科卒くらいの知識がいる)という点は確かにあります(要求される知識が(架空の話とはいえ、現在リアルで研究されていることであるため)どうしても「リアルで」必要になってしまいます。
---------------------------------------------------------