「正義はない。あるのはバイオレンスのみ。」ただ悪より救いたまえ bionさんの映画レビュー(感想・評価)
正義はない。あるのはバイオレンスのみ。
これはヤバイ作品だね。インナムもレイも殺すことに対して躊躇が全くない。相手を脅して吐かせるときも、じわじわじゃなくて最短コースで決める冷徹ぶりで、身震いがする。特にレイには絶対関わりたくない。心底、そう思える暴虐的ノワール作品。
舞台が日本とタイということもあってか、殺しまくるし、撃ちまくる。タイの繁華街でのぶっ飛んだ戦闘シーンは超ど迫力。フロントガラスを拳銃で撃ち抜いた挙げ句に、そこにダイブするシーンには度肝抜かれた。どうして走って車を追いかけるんだろうと思ったら、これが待ってました。
イ・ジョンジェは、イカゲームで情けない中年男を演じていたが、今回は極悪非道のヤクザ役で、振り幅いっぱいの変身。とはいえ、ノワール作品の『新しき世界』で、ファン・ジョンミンと共演しているんだよね。『新しき世界』では、潜入捜査官としてのインテリヤクザだったから、まだ理解できる人間だったけど、今回は、完全にヤバイ人。『新しき世界』が霞んでしまうくらいの凄まじいバイオレンスだった。
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