劇場公開日 2021年12月10日

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「何のために生まれて、何をして生きるのか(←観終わった後に頭の中で流れた)」GUNDA グンダ SSYMさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0何のために生まれて、何をして生きるのか(←観終わった後に頭の中で流れた)

2021年12月22日
PCから投稿

正直に言うと、途中で何度か寝落ちしかけた。でも素晴らしい映画だと思う。

ナレーション、BGM、説明一切なし。延々と動物を映すだけ。

ハエがめちゃくちゃ多い。小さくて映像ではあまり見えないけど、ブンブン飛び回ってる音が終始聴こえる。自然には虫がたくさんいるよなあ、と当たり前のことを思った。でも都会に住んでいるとそんなことは忘れてしまう。
そんな小さな発見が随所にある映画。2回3回と観ても、観る度に発見があるだろう。

一応、ストーリーらしきものは追えるようになっている。生まれたばかりの子豚の成長と母豚。
この子豚たちがとにかくかわいい。プギープギーと鳴き、我先にと母豚のお乳を求める。
母豚のお乳に子豚が群がる光景は、まるで母豚が食われているように見えた。
とにかく豚たちは牧場の地面の匂いを嗅ぎまわっている。母豚は餌を探しているのかもしれないが、お乳しか飲めない子豚たちは何をしているんだろう、と思う。
というか動物の行動は謎だ。
豚たち以外にも牛や鶏も出てくるが「こいつら何してんだろう」とずっと考えていた。
書いていて思ったが、人間も何をしてるんだろう。謎だ。
考えれば考えるほど、深みにはまるような映画だった。

ラスト、子豚たちは出荷される。牧場を嗅ぎ回る母豚は、子豚たちを探しているようだった。
パンパンに膨れたお乳を吸う子豚はもういない。カメラがやたら母豚のお乳を中心に撮っていた意図がそこでわかる。

帰りに韓国料理屋で茹で豚を食べた。なにかすごいことが起きているような気がした。

SSYM