ちょっと思い出しただけのレビュー・感想・評価
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思わず引き込まれる見事な一本
良かった、本当に観て良かった。久しぶりに身動きが取れないくらい見入ってしまいました。
私は邦画の方が好きなんですが、その理由としてこういう繊細で情緒的な、行間を読ませるような演出が大好きなんですよね。
ストーリーとしてはそんな派手なものじゃないですが、全編アドリブなんじゃないかと思わせるようなナチュラルな台詞と演技がとても良かったです。
個人的には今年の邦画の中でベスト級の傑作でした。
かわいい。。
伊藤沙莉が好きだから見に行ったが、魅力爆発でしたなー自然体な笑顔が素敵すぎたー彼女だったらこんな感じなのかな?とか勝手に妄想する。キュートすぎる。ラブラブな時期も喧嘩してる時も本当に素敵でしたー。伊藤沙莉のタクシーに乗りたい。
誰にもある人生な大事な恋愛をちょっと思い出した。そんな感じです。今がどうとか後悔とかじゃなく、ちょっと思い出すんですね、うん。
そして俺の誕生日7/26。というところにも縁を感じてしまったー
脇を固める成田凌、國村さん、永瀬さんetc豪華ですねー安心感抜群。ニューヨーク屋敷も頑張ってたねーこんな風にナンパしてんのかなと想像しちゃったけど、笑。
期待ハズレ
時間遡りが功を奏しているかといえば微妙…
何故そうなってるかといえば、結局、時系列通りに見せてしまうとイマイチ面白くないからじゃないかな!?
永瀬正敏とか完全にジム・ジャームッシュリスペクトなだけで呼んでるんだろうけど、あのギャグなのかマジなのか中途半端なシーン要るか!?
監督は去年の「くれなずめ」が凄い好きだったから期待したけど…
巻き戻す
ちょっと思い出すのは別れた時より出会った時の方がいい。巻き戻すから気持ちの温度が少しづつ上がる感じが良かった。クリープハイプ の曲がとても合っていて、しばらくライブ行けてないから大きな画面で歌うの観れてちょっと泣いた。
ぎこちない、テンポもどうかな。
伊藤沙莉が出ていたので、そして高評価だったので観に行きました。
たわいもない毎日を描く、こういう映画は好きです。
でも、なにかぎこちなかった気がしました。
あのセリフと流れは10代後半か20代前半の若者でしょう。セリフが軽すぎる。
あの二人には合わなかった気がします。
テンポも。長いなあと思う場面が2・3ありました。
同じような場面が繰り返し出てきたような気もしました。
ちょっとなんて、もんじゃないよ。。
いやあ。。
もう、共感しかない。。
誰もがある恋の始まり、そして。。
まさかの、ウィノナ💖
さて、未来の私たちは、マスクに隠れず、きちんと人を愛せてるだろうか。。
そして、明日のケーキを食べられるだろうか。。
結論から言えば「結構好き」です。
松居監督作品、いろいろ評判を聞く中で過去数作品観てきましたが、正直いずれもワタシ的にはハマらず、前作『くれなずめ(21)』で初めて「いいじゃないか」と思えました。そして今作品、前評判の良さも聞いており、それなりに期待して鑑賞してきましたが、結論から言えば「結構好き」です。
私は鑑賞前、予告も宣伝も公式サイトも一切見ていなかったので「構成」を把握するまで少々戸惑いましたが、まぁ、この構成くらいは事前に知っていても十分楽しめると思います。
作品の良さは何と言っても主演の二人。二人の絡みだけでなく、それぞれの日常どこを引き合いに出してもキャラクターが立っていて、どんどん二人が好きになってしまいます。
また、背景もよく描かれており、生活という繰り返す日常にある風景や部屋の様子、二人自身や周囲の言動などから、その時の二人の心情が垣間見えてきます。
まだ2月なので来年の賞レースまで長いですが、特に伊藤沙莉さんは主演女優賞の候補だってあり得るんじゃないかと思える好演でした。
まぁ、最近この手の「前の恋愛振り返り系」のラブストーリーが続いて、また評価が高めなのも何となく一種の「ブーム」にも見えますが、その点で松居監督には「おさまりのいいジャンル」な気もしますし、十分に健闘しているような気がします。
ちなみに私、ジム・ジャームッシュは不勉強で『パターソン(17)』しか鑑賞できていませんが、「日常」の描き方は雰囲気出ていたように思いますし、やっぱり永瀬さんが利いていますね。
何もかも"上手だな"と思えた
2022年劇場鑑賞12本目 秀作 68点
個人的に、明け方>>>今作>ボクたち〜>>>>>>>花束
こんな感じ
言わずもがな主演二人はもちろん、脇を固める人たちみんな演技は素晴らしい。
確かに伊藤沙莉ハマり役ですが、自分はタイトル拒絶の端的に言うとモテる華のある女性に少し憧れを持っているあの役の方が好きだしジャンルは違えど彼女の代表作品は揺るがなかった。
池松壮亮もわたくしが大好きなドラマmozuを皮切りに飛躍していった(本人もそう自負している)ので大好きな役者さんで、表情の演技はもちろん賛否を生んでいる話し方や顔つきさえも、リアルを投影している様だった。
例えばもしわたくしがあの世界線のダンスのレッスンする施設にいる一人だったら少しだけ彼は鼻につくなあとも思っているかもしれない、けどより伊藤沙莉といる時の方があの話し方や顔つきが顕著に出るのでそれは劇中でもあった世界にあの二人しかいないから、あのいちゃいちゃであったりタジタジだったりしたったらずなのだと、、、まぁこんなん書かなくても観た人ならわかるよね。笑
前置き長くなりましたが、当方が一番評価したいのは脚本で、一言目にあった他3作品の中でもとりわけより現実味がある味付けにも関わらず、随所に小出しにされる設定や伏線の回収の様が、映画好きでめちゃめちゃ観まくった人が映画好きのために現代のニーズに合わせて作った感を凄く感じた。
あとは一番伊藤沙莉の役が凄く良く描かれていた。一番それを物語っているのが誕生日に花を届けに訪れたが後輩から同じくお祝いの品を受け取っている時に出会し、距離が近くなんやねんこいつみたくなってる後に、急な雨に降られながらいつもの公園ではぐれた奥さんを待っているおじさんの代わりに探しに行く。必要とされたい、いや誰かの為になりたい。いやもっというと偽善なのかもしれないし自己満なのかもしれない。
あのシーンが個人的に一番好きだし、それ以外のシーン含め凄く良く彼女の女性らしさが描かれていた。
他には設定や見どころ、伏線回収でいうと、彼の名前がてるおで照明係だったり、離婚記念の乗客が彼が住む前に住んでいた住人だったり、冒頭とラストシーンのトイレ借りに訪れた人が何度か会っていたバンドのボーカルで、その人自身の成長も少し辿れる(人気のない裏路地で路上ライブ→小さいホールを埋める程に→タクシーを乗り回すほど売れ→コロナ禍でチケットの払い戻しどうこう〜となるまで忙しくなる様)点、タクシーでの伊藤沙莉の別れ話で放った言葉、彼が降りたあと放った言葉、降りて一人座ってケーキを食べる時の斜め上からの撮り方、最後にぜんぶ持ってったニューヨークと結ばれたんかい、運命ゆうてたしなのシーンや明け方の綺麗な景色に想いを馳せてる長回しからの主題歌など、、、きっと2回観ても面白い作品だと思う。
あ、あとなんだかドライブマイカー要素もあったよね車の中でのセリフの会話劇から同じく舞台を取り扱う点など、。
良い作品ですが点数が伸び悩んだのは、きっとジャンルの問題でわたくし自身がもっと歳を重ねて振り返る恋が増えれば想いも強くなると思うし、同ジャンルの花束に比べたらよっっっぽど良かったあれは吐き気した。
是非
一部の脇役が雰囲気を壊している
本当にちょっと思い出しただけの映画でした(笑)
でも、多くの人が経験したであろう場面や言動が散りばめられていて、少し小っ恥ずかしくなってしまうような2人のイチャイチャはとても共感出来ると思う。
ある1日に焦点を当てて遡っていく見せ方も良かったし、今が何か変わるわけではないけど、少しだけ変わったような気持ちで終わる所も好きです。
やっぱり朝焼けは感傷的な気分によく合いますね。
ただ、だからこそ、脇役のキャスティングにはしっかり拘って欲しかったなぁと…
オマージュなのは分かるんだけど、髭面がとことん似合わない声の方とか。やり取りは芸人さんらしくとても面白いけど、元のキャラを知ってるから全てがギャグにしか見えない方とか。
良い雰囲気にのめり込もうとすると、そういった方々に引き戻されてしまう。
泣けそうな話なのに泣けない原因はそこにあるし、とても勿体ないと思いました。
誰にもあったかも知れない思い出
観ているうちに、ひょっとして自分は記憶を失っているけれど、この人とつきあっていたのかも知れないとさえ思えてくる、この国の今の、ありふれた人間の生のすばらしさ。映画と現実の境目が曖昧になって、感傷に捕らえられて帰って来られなくなりそうな危険な一本。
もうやめませんか
こういう毒にも薬にもならないゴミ恋愛映画もうやめませんか?ポルノ的な快楽原則やノスタルジーのみを求めた雰囲気映画ではなく、今のご時世はもっと社会にコミットした作品が必要なのでは。
クソープハイプ信者が相当数いるのも正直気持ち悪いです。
なんだかとても日本が映画的に停滞してると思う。
「その変な声も大好き」
ダンサーを諦めて照明係をやっている照生(池松壮亮)と、タクシー運転手の葉(伊藤沙莉)が、照生の誕生日の7月26日に、二人の6年間の出来事を、別れから出会いまで遡って思い出していく話。
正直に言うと、池松さんはもちろん良い俳優ですが、表情や声のトーンが昏くて好きじゃありません。でも表現力や存在感はさすがです。伊藤さんの運転手はカッコいい。
怪我した後に連絡をよこさない照生に、葉が怒りをぶつける場面は、女性はみんな共感するでしょう。水族館でのバカップルぶりや、「地獄」だという合コンに参加するとかは、私には出来ないので共感しません。が、恋愛映画を自分の体験と重ね合わせて観てしまう人にはたぶん凄く刺さるのでお勧めです。
関係性が変わっていく中で、前に進もうとする気持ち、変わらぬ想いを描いているところは良かったと思います。
人と付き合い別れたことがあるひとはそのことをちょっと思いだせるはず
出会い、付き合い、別れをしっとりと湿度たっぷりに
描いてくれる作品。
自分自身の出会い、付き合い、別れと少しなりとも重ね合わせながら吸い込まれるように鑑賞してしまった。
これは人と付き合い別れたことがある人ならば誰でも共感することができる作品だと思った。
付き合い出してからの、まるで世界には2人だけしかいないかのような感覚をまた味わいたくなるし、
無性に朝陽が登り出す時間に帰宅する不毛な飲みをしたくなった。
それくらい、この作品で起こっていることを自分に投影出来てしまう作品だった。
松居大悟監督作品のなかで一番おもしろかった
でも、この作品を観る時間で、ジム・ジャームッシュの未見作品を観たら良かったかなと思いました。
池松壮亮と伊藤沙莉が別々に出てる前半が特に面白かったかな。
それで永瀬正敏のでかたが《パターソン》っぽいなと思ったの。そういえば《パターソン》もジム・ジャームッシュだったなって。後半で池松壮亮と伊藤沙莉が二人でベッドに横たわるシーンも《パターソン》意識してそう。
池松壮亮と伊藤沙莉が二人一緒に出ると、ちょっと演技が合わない感じがしたんだよね。池松壮亮が格上に観えたの。
池松壮亮は《紙の月》で宮沢りえと、《よこがお》で筒井真理子とただれた関係になってて『うらやましい』と思って観てたけど、もう共演者がそのレベルでないと駄目なのかなと思ったよ。
そして話の内容はなにもないね。タイトル通り《ちょっと思い出しただけ》。シーンがそれなりに面白いから観ていられるね。
でもそれなら、ジム・ジャームッシュ作品を観たらいいかなと思いました。
ちょい思、ちょい重、めちゃおもろ
2022年2月19日 1回目の鑑賞
2022年2月23日 舞台挨拶付きで2回目の鑑賞
主題歌はナイトオンザプラネットで尾崎世界観も出演。「憂、燦々」の池松壮亮が主演のオリジナル恋愛映画。クリープハイプ大ファンとしては期待せずにいられなかった本作。2月公開の作品の中で群を抜いて楽しみだった映画なんですけど、先週は多忙で映画館に行けず1週間遅れで鑑賞。もう期待が高まりすぎているから、すごく不安ですけど...。
ちょっと待ってください。
どうしてですか?どうしてこんなにも高い期待を遥かに上回ることができるんですか?
最高だった。文句のつけ所なし!!!!めちゃくちゃ面白い!!!!こんな映画作ってくれてありがとう!!!!
サプライズ盛りだくさんかつ、尾崎世界観も結構重要な役柄でクリープハイプ好きとしてはたまらない映画だった。マジでいい味出すな〜、尾崎さん。登場の仕方超カッコよくて鳥肌もんでしたよ。どこかであったことありましたっけ?と池松壮亮が尾崎世界観に言うシーン、「憂、燦々」の話をしてるのかと思ったけど違ったのね笑
この映画のいい所は、時間の使い方が少し特殊なところ。テルオ(池松壮亮)の誕生日である、7月26日の6年間を描いているため、ハッキリとしたことは分からない。説明不足!で済ませてしまえばそれまでなんだけど、そのたった1日という断片的なところがこの映画の深さたる所以だと思う。しかもその上、時を逆に遡っていく。観客は「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の小松菜奈状態。遡っていく過程で周りも変化していく。伏線回収とはまた違うけど、不思議に思っていた現在のシーンが過去のシーンを見て「なるほどなぁ〜」と納得がいき、じんわり心が揺さぶられる。何があったんだろうな...。
登場人物が本当にいい。
テルオとヨウ(伊藤沙莉)の絶妙なバランスと会話のテンポ感が言葉に表せないくらい好き。2人の相性良すぎやしませんか。舞台挨拶の時もそうだったけど、一種のコントを見ているかのよう。もちろん、1人の時もとても大好き。池松壮亮も素に近いんだけど、伊藤沙莉はもはや演技してない(超褒めてる)。酔っ払った乗客に一喝するシーンがめちゃくちゃ笑えたし、普段の伊藤沙莉まんまだった笑笑
永瀬正敏を初めとするサブキャラ達もちょっとどころかものすんごく愛しいのよ。大好きで仕方ない俳優・成田凌のチャラ男も、9作品連続で出演作を見ている國村隼も、久々に見た大関れいかも、独自の世界観があって映画の雰囲気にピッタリ。永瀬が言う「待つ人がいるってのは、奇跡です」という(予告にもある)セリフが松居大悟監督がこの映画を通して言いたかったことなんじゃないのかなと思ったし、染みた。結局こうやって何か待ってる
好きなシーンがあり過ぎる。
1分単位で動画に収めて繰り返し見たくなるくらい、どこを切り取っても面白い映画。細かいところまで最大限こだわっているので、2回目は新たな発見がありそう。水族館のシーンはお洒落だし、路地裏のシーンはエモいし。お腹抱えて笑うシーンも沢山。中でも一番好きなのはタクシーのピロピロシーン。ちょっとピロピロ欲しくなった。あと、ナイト・オン・ザ・プラネットコントもめちゃくちゃ笑える笑笑 うわぁ、また見たいなぁ〜。最高の場面を焼き付けたい!
あとはもうラストシーンですよ。
ちょっと思い出しただけというタイトルがラストに来て胸に響き、ナイトオンザプラネットで思わず涙。夜にしがみついて朝で溶かして...はぁぁぁぁ、なるほどなぁぁ。。。劇場に鳴り響くナイトオンザプラネットがかっこよくてかっこよくて、なんと言葉にしたらいいのやら。何百回と聴いたこの曲もまた違ったように聴ける。もう最高すぎるよ。
1分1秒素晴らしい映画でした。
この映画、歳を取ればとるほど好きになりそう。余韻が凄くて席をしばらく立てなくなってしまった。もう二度と今日は来ない。だから一日一日、大切に生きよう。色んなことを教えてくれる映画。もう大好き。このまま時間が止まればいいのになって思う瞬間の連続!!!!
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2連続で見ちゃいました。
なんと松居大悟監督が福岡にやってくる!と聞いて慌てて予約。告知から4日後だったので、かなり席はパンパン。でも、ちゃんと真ん中取れました。
とりあえず、2回目見た感想から。
もう、泣いた。号泣した。
なんていい映画なんですか。
たまらなく愛おしい。高揚感半端ない。
色んな要素が詰め込まれてるんだな。
ナイト・オン・ザ・プラネットを見てからの2回目だったので、より一層笑えた。やっぱりナイト・オン・ザ・プラネットコントはめちゃくちゃ面白い笑笑 あの部屋の前の人は実は...とか、ジェンガの意味だとか、あー、なるほどね!と思うシーンがいくつか。色んな人の解説を聞いてから見るとまた違った見え方が。
悲しいってのももちろんあるんだけど、愛おしい時間をありがとうという感謝の気持ちでも泣ける映画。いいもの見せてもらいましたわ...と感極まる感じ。エンドロールが悲しいんです。ナイトオンザプラネットに包まれながらも、終わることに寂しさを覚えてしまう傑作なんです。これ、ヨウちゃん誕生日バージョンもやってくれないかな笑 永遠とこの2人見ておきたいんだけど。
河合優美とかニューヨーク屋敷とか渋川清彦とか篠原篤とかのチョイ役ももうめちゃくちゃ最高。みんな爪痕残すしキャラ濃ゆい。成田凌と河合優美と池松壮亮の絡み、あのシーンめちゃくちゃ好きだな〜。
人を愛するってなんていいものなんでしょうか。
普通の日常が愛せるってなんて幸せなんでしょうか。
当たり前の日々が少し色鮮やかになって、勇気がみなぎっていく希望に満ち溢れた作品。何度噛んでも味が無くならないガムみたいな映画。
松居大悟監督、めちゃくちゃいい人でした!
話面白いし、話し方上手いし、爽やかイケメンだし、ゲスさのない素直な人でファンになりました。昔は舞台挨拶があった場所でよく映画を見ていたみたいです。ちゃんと買いましたよ、Tシャツとパンフレット。ちょっとお高かったけど悔いなし!本当に貴重な時間をありがとうございました〜!!
誕生日。朝焼け。だから、ちょっとだけ感傷に浸ってみたりする。
ジム・ジャームッシュのナイト・オン・ザ・プラネットに触発された物語。ウィノア・ライダーのロサンゼルス編はもとより、ヘルシンキ編(不幸のその日の客)だったり、ジャームッシュ繋がりの永瀬正敏がパターソン的にベンチに座ってたりしてまして。フフフってなるw
ゆったりとした進行で、誕生日を「年めくり」で巻き戻して行くと言う構成。115分の長さは全く感じません。
物語りの軸は恋愛。背景に世相らしい世相も思想らしい思想も無し。ジャームッシュ偏愛脚本で、サクサクと場面場面をこなして行きながら、登場する人物の人物像と関係性、その時に置かれている環境を描き出します。
コレがですね。舌足らずなんですよ、脚本としては、多分。松居大悟監督って、もっと「濃い」印象だったので意外だった。何にしても、その舌足らずに持って来て、このコンビ。伊藤沙莉と池松壮亮と言う、子役から成人した2人が演技で補完してる訳で。
「夢を追い掛ける男」と「愛と現実に折り合いを付けようとする女」。地に足が着いてる女の子役が伊藤沙莉にドンピシャなのと、優しく恋愛には受け身な男が池松壮亮にも合い過ぎ。
ここ数年の東京テアトルでは、コレが一番好きかも。
ちょっと思い出しただけの女。夢を捨てきれずに折り合いの付け方も見つからない男。ビターで塩っぱい夜明けが、コレまたナイト・オン・ザ・プラネットでニヤってなった。
良かった。かなり。
7月26日に起きた私たちの出来事
1 一組の若い男女の出合いから別れ、そしてその後の姿を技巧的な手法で描いたある恋愛の記録。
2 映画は、二人の今から始まる。女性はタクシー運転手。男は元ダンサーで舞台の照明担当。女性が乗務中、偶然に男を見かけ、かつての思い出が湧き出るように、映画は時間軸を逆に辿っていく。
回想場面では、二人の関係の移り変わりや周囲の人との出来事が点描される。
出会いのときのワクワク感や恋愛感情がマシマシになるときの幸福感がよく出ていた。夢の中で待ち合わせしようとじゃれながら眠りにつく二人。
4 転機になるのは男の怪我。踊れなくなることの絶望感と焦燥から彼女から距離を置く男。面倒を見てあげるから身を任せてという女。上手く行ってないことが、女の乗務中のイライラから解る。二人は別れ、その後別々の人生を歩んでいく。あの当時の思い出は消えることはなく、ふとした契機にちょっと思い出す。それでも過去に引きずることなく前に進んでいく。
4 松居は、 特定の日を経年的に遡りなが ら、小出しに場面を示し謎を少しずつ解いていく演出により、観客を引き込んでいった。また、幸せの象徴としてケ−キや髪留めの小道具を効果的に使い、男が行う朝のルーチンの描写の違いにより彼の身に起きた事柄を示した。タクシーから別れ際の告白シーンや高円寺の商店街での移動シ−ン、屋上での花火など夜のシ−ンに印象的な場面を創っていた。
5 池松は舞踏家の役柄になりきり、劇中の経年に応じた体造りやぶっきらぼうにも聴こえる台詞回しなど役者をしていた。伊藤は、ちんまりした制服姿と衝動的な行動が愛おしい。ストーリーとは関係はないがマスター役の國村と過去を引きずった男を体現した永瀬はご苦労であった。
誰かにとっての○月○日。
誰にだって1年の中で大切な1日がある。壁掛けのデジタル時計がまた同じ日を示している。照夫と葉が共に過ごした数年間を7月26日毎に遡ってゆくという構成。
誰もいないステージで踊り出した照明さん。それをこっそり見つめる女性タクシードライバー。ベンチで妻を待ち続ける男性。猫が見つけた誰かのバレッタ。バラバラだった物語が回想する度に繋がってゆく。時系列も工夫されてるから分かりやすい。ま、普通のラブストーリーなんですけど、結論ありきで逆走する面白さはあったし、ラストも良かった。それぞれの日常の中にある大切な1日。ぼんやり見つめる空はきっとあの時の7月26日と繋がっている。そう。全てはちょっと思い出しただけ。あ~絶妙過ぎる。
主演の2人はもちろんのこと、高岡早紀に成田凌、永瀬正敏ととにかく豪華なんですけど、今作はなんと言ってもニューヨーク屋敷が抜群にいい味出してた。
全265件中、141~160件目を表示