ちょっと思い出しただけのレビュー・感想・評価
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切なさを忘れてニヤニヤしてしまう
予告編を観たときから期待感しかなかった本作。クリープハイプの曲を聴いて、映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」を観て臨んでしまった。
7月26日を1年ずつ過去に遡って観ていく方式。だから、あの行動やあのセリフの意味が後で判明するというやつだ。あーこれが後々あのセリフにつながるのかってわかるのは、まだつきあっている(つきあうことになる)シーンのとき。とても幸せなシーンなのに切ないったらありゃしない。別れのシーンはお互い言ってることや考えていることがわかるだけに思い出して余計に切なくなる。あー、これはズルい。
でも、過去のシーンが切ないだけではなく、楽しそうで幸せそう。別れることになるってのを忘れて、2人のセリフ一つひとつにニヤニヤしてしまう。池松壮亮と伊藤沙莉が本当につきあってるんじゃないのかって勘違いするくらいに2人が自然体でいい。こんな恋愛だからこそ、たまに思い出して切なくなっちゃうんだよな。自分の過去の恋を思い出してしまった人も多い気がする。楽しかったよな、あのとき…なんて。それを思い出すのもこの映画の特典なんじゃないかと思ってしまう。
ちなみにクリープハイプの「ナイト・オン・ザ・プラネット」という曲を事前に聴きこんでおいてよかった。むしろこの曲から映画ができたんだな。歌詞が本当に映画そのままだった。
「花束のような恋をした」「ボクたちはみんな大人になれなかった」「明け方の若者たち」といった、過去の恋愛をふり返るエモい映画が近年増えた気がする。そんな映画が大好きな人間だから、言ってしまうのかもしれないが、あえて言おう!傑作であると!(ギレン風に)
恋の切なさに加えて、人生のやるせなさも感じさせてくれる
なんとも切ない作品である。切なさという感情をそのまま物語にしたみたいで、観ていると胃のあたりがだんだん重くなってくる。泣きたいのでもなく叫びたいのでもなく、ただ悲しくて淋しくて苦しい、つまり切ないのだ。
と言う訳で、本作品の池松壮亮と伊藤沙莉の主演ふたりの芝居に心を持っていかれてしまった。芸達者同士の掛け合いは見事のひと言に尽きる。誕生日を一年ずつ遡るプロットがとてもいい。恋愛映画の新しい形かもしれない。
十代後半以上なら、どの年代にも向いている作品だと思う。恋の予感や恋のはじまりは人を幸福感に浸らせる。そして恋の思い出は常に鮮烈で、いつまでも色褪せない。思い出すたびに魂が揺すぶられる。だから本作品は、青春に限らず、朱夏でも白秋でも玄冬でも、どんな歳の人にも訴えかけるものがある。
松居大悟監督の脚本は明治の文豪の小説のようだ。難しい言葉や言い回しがひとつも出てこないのに、内容は深い。主演のふたりには逆に難しい脚本だったと思う。簡単な言葉で複雑な感情を表現しなければならない。松居監督の演出も厳しいものになった筈だ。しかし池松壮亮も伊藤沙莉も、努力の跡さえ感じさせない自然な演技で、脚本にも演出にも完璧に応えてみせた。
日常的なシーンばかりの映画だが、恋の切なさに加えて、人生のやるせなさも感じさせてくれる。素晴らしい作品である。
誰かのナイトオンザプラレットになったりするのかな
見終わったあと、なんか恥ずかしくなるような、痛くなるよな、でも昔があるから今が自分があるような昔の自分も肯定してもらっている様な素敵な映画でした。
誰にでもある話しかしれないですが、その2人にとっては特別な物だし、あのこの瞬間が一生続けばいいと言う感覚は本当にんかけがえない物であの頃の自分を見ている様でもう戻れない日常を愛おしい思ってしまいました。あの場所、あの映画、あの人の匂いなど世の中にちょっと思い出しただけが溢れているなと切なくもなり嬉しくもなりました。
コロナになって日常はガラッと変わってしまったし、あの時の日常は戻ってないですが、あの頃の自分があったからこそ今の自分があったと思える良い映画でした。
別れがあって出会いがあるのは当たり前の話しだけすが、あの時別れたからいまがあって今の幸せがあるのも今まであった人達がいてなりったってるんだなと思いあの時あった人達をまた思い出したりしています。
あの時はしんどかったど今は本当に感謝しています。生きるって色々ありますがいきってきて本当によかっただけす。過去の自分を肯定できました。
ちょっと思い出しただけで私達はできてるしそれがないと今も生きれない生き物なのかもっと思ったり。でもそこに縋りたいし戻りたい訳じゃなくて本当にちょっと思い出しただけ。
映画の中で2人が見た思いでの映画がナイトオンザプラレットで、この映画も誰かの思い出の映画になったら素敵だなと適当なこと思っていたら、帰りに、映画を見てエレベーターに乗って帰る時、カップルぽい2人が、俺たちは2人でずっと一緒にいようねって言っていたのが、真っ直ぐ過ぎて、可愛らしくてなんか泣きそうになりました。この2人にってこの映画がナイトオンザプラレットにならないでほしいなと心底思いながら、でもそうなればそれはそれで素敵だなと思いながらエレベーターをおり帰りました。
ちょっとつまらなかっただけ
タイトルは最後の最後で回収しました
身近な誰かの日常の一部
最近こういう日常そのまま描いたような、自分の需要にマッチしてくる映画が多く感じる今日この頃。
10年前の10代の頃に、そんな映画がこんなにもあったのかはわからないけれど、あの頃観ていたらどう感じるのかと毎度思う。。
映画限らず池松壮亮も伊藤沙莉もある意味主人公感が強くなくて、ほんとにそのまま日常に溶け込んでいる。
全員が身近にいる誰かのようで、兎に角愛くるしい。
どんな出来事も、どんな成功も失敗も、出会いも別れも、自分の人生を思い返すタネであり、そのタネの内容は"タイミング"で大きく変わるんだなあ。と今回も感じました。
感動という言葉は少し違う気がするけれど、
ただクスッとできるところもザワっとくるところもニヤニヤもいろんな感情をあとでゆっくり整理したくなる、そんな映画です。
こんな話の紡ぎ方があるとは
沙莉!俺の前でタバコ吸ってんじゃね〜!
伊藤沙莉演じるタクシー運転手の葉(ヨウ)が、劇場のトイレに客を連れて行った時に、偶然見かけた元彼、池松壮亮演じる輝生(テルオ)の事を思い出す話。
思い出す日は、毎年の彼の誕生日。ダンサーだった彼と出会い、付き合い始め、誕生日に起きる事件的な事を思い出す。ま、よくある男女のすれ違い。お互いの考えがよく分からないのよ。それはいいんだけど、この映画おれの苦手な時系列の分かりにくいやつ。誕生日のカレンダーが毎回出るんだけど曜日が変わってるだけで、年が分からなかったなぁ。葉の運転するタクシーで、あ、これ現在かなって思ってたら、数年前とかね。別れのシーンが無いので、やり直す話しなんじゃ無いかな、なんて期待してたのに、ラストが!
本当に思い出してただけだったのね。
主人公がタクシー運転手という事もあって、ジム・ジャームッシュのナイト・オン・ザ・プラネットをオマージュしてるのね。その流れで、ミステリー・トレインの永瀬正敏だったのかな。
眠れない深夜にオススメします。
ちょっと退屈な作品だった感じ。
伊藤沙莉さん目当てで鑑賞。
序盤から後方の座席からのイビキがうるさい(笑)
この為か、作品に集中出来なかったのが残念。
退屈だったけど伊藤沙莉さんは相変わらず素晴らしい演技。
素でやってる感じがとても良い。
チャプターごとにカレンダーが撮されるんだけど日付に違和感。
途中でその意味を把握。
そういう展開で進むと理解してから、少し面白さが出て来た感じ。
尾崎世界観さんも歌だけで無く作品にも登場したのは良かった。
「ちょっと思い出しただけ」ってタイトル。
逆にかなり思い出してる感じがしました( ´∀`)
ちょっと思い出しただけ
映画の好きな人が「こんな映画を作りたい」と思って作った作品
この映画のすべてをハグしたくなる❗️
7月26日生まれの男子の皆さん‼️
それだけでなんか無条件に感情移入できそうで羨ましい。でも、人によっては、悲しい思い出とか、寂しい感覚のほうが強くなってしまうかもしれませんね。
7月26日が金曜日なのは2019年、ラグビーW杯日本大会はこの年の9月20日に開幕を迎えました。武漢でのコロナ発症が確認されたのは報道によると同年12月8日。
ささやかだけど愛おしい個人的な思い出も、コロナ前、コロナ後で記憶されるようになりました。
あの粋な計らいをしてくれたタクシードライバーは今頃どう過ごしているんだろう。体調も生活もご家族の皆さんも無事ならいいのだけれど。
そんなふうに自分の生活圏とは直接関わりのない人たちのことにまで、なんだか思いを寄せたくなる、不思議に優しく柔らかな感情を呼び覚ましてくれる映画です。
自分でもどうして欲しいのか、どうしたら伝わるのかよく分からない感情。
一生懸命伝えたつもりなのに、むしろ逆のことを言ってしまったのではないかという不安。
そんなもどかしさや愛おしさを大事に包み込んで作った〝抱きマクラ〟があったら、とても暖かくて手放せなくなりますね。
ある人の心の琴線に触れる話
いや〜ひさしぶりにミニシアター系の映画を見た感じがしました。
ストーリーの運び方、役者さんの雰囲気、作品内に流れる「間」。
主役お二人の演技は最高でした。
(そのせいか、自分の過去と重なってしまい、かなり感情移入してしまいました。)
エンディングまでのまとめ方もすごく良かったです。
ゆったりとした流れなのに、後半にかけてストーリーは加速していき、甘くて苦いなんとも言えない二人の時間が切なくて美しくてたまりませんでした。
何の予備知識もなく見たので、エンドロールまで見て完結するんだすごいなぁ…なんて思ってたら、本当にそのように作ってたんですね(パンプレットを後で読んで納得)。
素晴らしいです。
ほんと、ひさしぶりに上映後の余韻をじっくり噛み締めたい作品に出会えました。
犯罪級のしゃがれ声
ジム・ジャームッシュの作品みたい
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