ちょっと思い出しただけのレビュー・感想・評価
全333件中、161~180件目を表示
想像以上
岡山では土日だっていうのに朝イチの一本のみの上映。観に来ている人は5人。
「休日は早起きをしない」がモットーの私だけれどどうしても映画館で観たくてアラームをかけました。
感想としては、想像以上に良かった。
てるおの誕生日を軸に物語が描かれていくがその作り方がなんとも上手い、、
「別の道を歩んでいる今」から出会った頃に遡る形でふたりを見ていくけれど、ふっと声を出して笑ってしまう場面も涙が溢れ出てしまう場面もあって、もうこのまま今のふたりには戻らないで、、、と祈ってしまうような終盤でした
個人的には妻を待ち続ける人が言っていた「待っていても来ないならたまにはこちらから迎えに行ってもいいかもしれないです」というような言葉にグッときました。
あと、足を怪我しているてるおをタクシーからおろして走り去る葉ちゃんがミラーを見ながら「追いかけてこないのかよ・・」って言っていてリアルな女の子だなあと思いました笑
そしてやっぱり一貫して池松壮亮さんが最高に良かったです、あの方の言葉では言い表せない魅力って何なんでしょうか、、、
早起きして映画館で観て良かったと思える作品でした
めっちゃ良かっためっちゃ良かっためっちゃ良かった!
タバコ演出。
微笑ましくて
東京テアトル発、今年の『花束みたいな恋をした』なるか?"男ってバカ(だけどいいよ)ね" 松居大悟監督が盟友・池松壮亮 × 尾崎世界観と、遂に男女双方から描く恋愛映画は、自分が作ったみたいな映画だった
日常を積み重ねる中での時に思想哲学みたいな会話劇や周辺キャラクターの(伏線回収とまでは言わないまでも気の利かせようとした?)再登場のさせ方・差異を伴う反復なんかが、語弊を恐れずに言ってしまえば自分が書くような、あるいは構想するような脚本みたいで、ちょっと悔しくなった…。あと、時間遡っていく方式で(本作は厳密には違うけど)出会いのシーンで終わるのが好きというのもある。いつもこの監督の出オチみたいなアイデアや構成力には目を引くものがあるけど、本作におけるそれは丸被り。終わり方ラストカットもずるいくらい良かったな〜したいことされて嫉妬したよ。ちょっと思い出しただけというよりがっつり浸ってた。
劇中で出典・引用されるジム・ジャームッシュ監督『ナイト・オン・ザ・プラネット』のように世の中には色んな人がいて、その数だけ生活があるのだと夜空を見て思う。けど、それらを可能にしているのは紛れもなく主演二人の力と化学反応に依るところが大きいと思う自然体な空気感。前作『くれなずめ』主演で松居組に加わった成田凌や、(『ナイト・オン・ザ・プラネット』には出演していないけれどジム・ジャームッシュ盟友)永瀬正敏などと好きな顔が揃っているのも個人的には嬉しいポイントだった。池松壮亮含めこの3人揃っているのは完璧に俺得ってやつ。國村隼がやっているバーなんてあったら絶対通っちゃう、人生相談したい。当たり前だけど演者って大切だ。
せっかくなのでショートケーキ買って帰りました(普段はチーズケーキやモンブラン派でたべないのに)
勝手に関連作『ナイト・オン・ザ・プラネット Night on Earth』『エターナル・サンシャイン』『メメント』『テネット』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
コロナ禍の現在、マスクをつけることが当たり前になり、映画の中でもマ...
ほんとに ちょっと思い出しただけ でした(笑) 脇役が豪華で驚いた...
伊藤沙莉がタクシードライバーってだけで見ずにはおれないナイトオンザプラネットの世界
--
タクシーでウィノナライダーごっこしてるしジャームッシュ組の永瀬正敏もそれらしい役で出てくるし…楽しい!
記憶は現在から過去に遡っていく
映画的な編集で…なんでもない夜がひとり一人の宝石となって輝いています
もちろんクリープハイプの主題歌あっての世界観で…それも含めて余韻の残る映画です
個人的に一番好きなシーンは二人が別れた日に突然たまたまそこにいるいろんな人たちの声が聞こえてくるシーン
ずっと二人を撮りながらも、そんな物語はそこで映し出される人たちにも(そしてそれを見ている私たちそれぞれにも)きっとあるという…
ジャームッシュ的な監督のまなざしが一番よく出ている場面だと思いました
あ、あともうひとつ!
ほんの少し出てくる伊藤沙莉の関西弁がいい(寝ても覚めてもの春代以来?)
そう言えば葉みたいな女子は大阪には結構いてる気がするなーと笑
あ、あと池松君の声、伊藤沙莉の声に負けず劣らず心地よかったです
國村さんの声とともに映画館で聞く価値ありやと思います
惜しいところがあるけど、いいところもたくさんある。
彼の誕生日を今からどんどん遡っていく物語。
クスッと笑うところもあるし、小さな規模感の中で日々が繰り返していくのは、のんびり観るのにちょうど良かった。
自分も30前半で結婚してるけど、20代前半はほんと大恋愛もしたな。でも今も悪くないけど。
でもなぁ、みたいな気持ちが表現されていて、苦くてエモい気持ちを表現している部分では、なかなか見ない映画だったと思います。
このレビューの下に印象を出すところがあるのですが、どれにも当てはまらない感じが出てるのが評価できます。
思うところは、多分、同じ日を1年遡ると曜日が前に戻る、ということで遡ってるのを見せているのだけど、
(2022/2/24は木曜日→2021/2/24は水曜日といった具合)
正直それを知っている人って少ないと思うし、もう少し西暦を見せるとかニュースやラジオで年がわかるように見せていかないと、いつ変わったのか分かりづらくて、そういう意味で優しくないなと思いました。
そういうお客さんの手間を減らすことで、よりのめり込める隙間になると思うので、そこは無駄な時間でした(もちろんマスクが無くなったとか怪我してるとかで何とかわかるけど)
あと、主題歌などはとってもいいけど、役として尾崎世界観が出てくるのは微妙。
でしゃばっている。まぁ・・・仕方ないか。っていう感じで映画好きは見るかも。
映画観た後に聴く主題歌は素敵でした。歌詞を見てぜひ。
芸人ニューヨークの人の立ち位置も面白かった。
またAmazonとかでやってたら観たい。それくらい、ちょっと思い出したときに観たい映画でした。
タイトル通り
日常の一部を切りとったような自然さ
派手な演出やジェットコースター的な面白さはないが、とても魅力的な作品。まず、主役二人の雰囲気がいい。思わず二人の幸せな未来を応援したくなる。ストーリーの構成も、丁寧に考えて作られたんだろうなぁと想像できる。
きっと誰もが、心の中でずっと大事にしたい出会いや経験を持ってるはず。たとえそれが他人から見れば平凡で、どんなにささいなことでも、はるか昔の思い出に変わってしまったとしても。そんな人生の一部分を巧みに描き出している。
互いに生きる道は違ってしまった。今の暮らしには満足してる。でもある時ふと夕日を見て思い出す。あぁ昔あんなこともあったなぁ~(過去形) 同じ夕日を見て別の誰かが別の場所で同じことをぼんやり思い出してる。
劇場で誰にも邪魔されずにぼーっと見るのに適した映画だと思う。生活音があると、リアルな生活に溶け込みすぎて映画の印象が薄まってしまうかも? それくらい自然。いい意味で。
思わず引き込まれる見事な一本
タイトルなし(ネタバレ)
2021年7月26日。
タクシードライバーの野原葉(伊藤沙莉)は、お客を一人乗せて、夜の街を走っていた。
客が「トイレに行きたい」というので、公共ホールの前で停めて、客が用を足す間、ホールの中へ入っていった。
誰もいないと思っていたステージの上では、男性(池松壮亮)がひとり踊っていた。
男の名は佐伯照生。
脚を痛めてダンサーを諦め、いまはステージの照明スタッフをしている。
照生と葉は、以前、付き合っていた。
そのことを思い出す・・・
というところからはじまる物語で、7月26日という特別な一日(照生の誕生日)を、過去へと遡って、5年だか6年だかを描いていきます。
東京テアトルの製作・配給で、昨年ヒットした『花束みたいな恋をした』の二匹目を狙った企画だという感じだが、作品から受ける印象は、かなり異なります。
『花束』の方が一般的な観客(テアトル系に足を運ばなそうな観客)に向けたものだとしたら、本作は、かつての「渋谷系」観客向けといったところ(なにせ、ベースにジム・ジャームッシュ監督作『ナイト・オン・ザ・プラネット』があるからね)。
どちらがいい・悪いということはないのだけど、本作の方が、よりリアルな感じがする。
けれど、ちょっと映画としては、首をひねるようなところが無きにしも非ずで、『ちょっと思い出しただけ』というタイトルが示す、思い出している「現在」が幸せなのかどうなのか。
そこいらあたりが微妙で、過去も幸せだったが、現在も幸せだ、だから「ちょっと思い出しただけ」、という感じになっていない。
これは回想に戻る前の描写が、あまり幸せでないようにみえるからなのだろう。
また、作劇的に、7月26日の一日を切り取って、過去へ戻り・・・という作劇が必要だったのか。
出逢ったころからはじめて、現在へ、という作劇の方が、すんなりしたと思うのだが、そうすると『花束』とまるっきり同じになってしまう、と製作サイドが感じたからなのだろうか。
で、最後に決定的なのだが、「ちょっと思い出しただけ」は、誰が思い出したのか。
物語のはじめと終わりから考えれば、思い出したのは葉のはずなのに、過去のシーンは常に7月26日の照生の部屋から始まる。
そこには葉がいないことが多い。
これでは、葉が思い出しているようにみえない。
脚本として、推敲ができていないような印象を受けてしまう。
と、いみじくも葉が照生と出逢ったときに言った言葉のとおり、
「よくわからないけど、この舞台(映画)に、ダンス(前に戻るという構成・仕掛け)が必要だったのかなぁ。それにダンス(構成・仕掛け)が綺麗すぎるというか・・・」
って感じ。
誕生日という特別な一日も普通の生活が続いている・・・
狙いは良かったんですが、腑に落ちないですよ、いくつかの点でね。
観終わったあとに、もやっとしたものが残りました。
かわいい。。
期待ハズレ
巻き戻す
ぎこちない、テンポもどうかな。
伊藤沙莉が出ていたので、そして高評価だったので観に行きました。
たわいもない毎日を描く、こういう映画は好きです。
でも、なにかぎこちなかった気がしました。
あのセリフと流れは10代後半か20代前半の若者でしょう。セリフが軽すぎる。
あの二人には合わなかった気がします。
テンポも。長いなあと思う場面が2・3ありました。
同じような場面が繰り返し出てきたような気もしました。
ちょっと思いだしただけだから…
一口で言うと、「逆再生!花束みたいな恋をした」みたいなことになるんでしょうか?
長い年月のバラバラな一場面を切って張ってつなぐことで、一方向のテーマが浮かび上がってくる。兼ねてから映画で使われる物語の編集技法です。この技法で印象的だったのはダニー・ボイル版の「スティーブ・ジョブズ」。あの作品では、ジョブズが新作発表をする日だけを年代ごとに切り取り、それぞれの時期のジョブズと周囲との関わりを見せることで、ジョブズという人物を描いていました。
本作の面白い点は、誕生日という1日を切り取り、更に時系列を逆にして遡っていくというところです。
誕生日という定点を観測することで、ルーティンや環境の変化が分かりやすくなっているということに加え、時系列が逆になっているため、遡るたびに、「あー、そういうことか」と伏線回収の連続のような作りになっており、観ていて飽きません。
また、時系列が逆になっていることで、進めば進むほど二人の関係が愛おしく切ないものに感じてしまいます。これは逆再生効果が抜群に効いてますね。エターナルサンシャインを彷彿としました。
二人が出会う日は、まだ照生が住んでいないアパートの中から始まり、そのアパートの住人が公園のベンチに座る男(永瀬正敏)に挨拶をする。
この一連の流れに、この作品の秀逸さを観たように感じました。映画の主役はもちろん葉と照生ですが、二人が出会う前から世界は当たり前のように存在している。そうした世界と二人が繋がって、二人も、世界も変化していく。
僕らはみんな関係しあっているんだな、過去から現在までの全てが僕自身なんだな、、と。なんだかありがたい気持ちに包まれました。
ラスト、葉は現在の姿で照生と踊る幻想を振り切り、繰り返される7月26日を抜け出し、タクシーを走らせ、明日(家族と住む家)へと向かっていきます。
過去を振り返えって、愛しくて切なく堪らない気持ちに後ろ髪を引かれつつも、「いや、ちょっと思い出しただけだから!」と強がり半分に前を向く。こんな経験ってあるなぁ、と深い共感を呼びます。
照生に関しては、ステージでダンスを踊ってみたりと、まだ過去への未練は強いようです。長瀬さんに関しては「その日」に留まることを選んだようで、過去との向き合い方は人それぞれなんだな、、と。
鑑賞後の余韻がたまらない。素敵な映画でした。
全333件中、161~180件目を表示