「伊藤沙莉七変化」ちょっと思い出しただけ よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
伊藤沙莉七変化
ある2人の6年をある1日だけを切り取って見せていく作品。
しかもこの作品のミソはその年を徐々に遡っていって最後に現代に戻ってくるという構成。
元となった曲は知らないのだが全てを見た後に「ちょっと思い出しただけ」というタイトルを見ると「なるほど」という不思議な爽快感がある。
まず冒頭コロナ禍の描写が徹底されていていい。
全ての人がマスクをつけていてそれは主人公の2人も例外ではない。
マスクを外すにもそれなりの理由があってリアリティ溢れている。
これによって物語に一気に引き込まれる。
そして終演後の舞台でダンスを踊ってる照生を葉が目撃して次のシーンに移り変わるとここまで徹底したコロナ禍描写のもうひとつの狙いに気づく。
そう、時が遡ってる回想であることを一目でわからせるための仕掛けでもあったのだ。
ここからこういう“仕掛け”を探しながら見るととても楽しい。
もちろん普通に見ていても楽しいのだが、「ここがこうつながってるんだ」という発見をしながら見るのが宝探しのようで楽しい。
お話自体もどこにでもありふれたカップルの話なのだが不思議と見れてしまう。
特に伊藤沙莉さんがいろんな姿を見せてくれてとても楽しい。
ラブラブな時、少し冷めてる時、怒鳴った時、甘えてる時、新人の頃、ちょっとツッコム時、いろんな表情を見せてくれる。
この伊藤沙莉さんを見るだけでも1800円の価値あり。
個人的にニューヨークの屋敷さんが伊藤沙莉さん(オズワルド伊藤さんの妹)に「これ運命ですわ。一生幸せにします。」と言ってるシーンがお笑い好きとしてツボだった。
ラジオを聴いてた大関れいかさんが出てきたのも嬉しい。