最強殺し屋伝説国岡 完全版のレビュー・感想・評価
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フリーの殺し屋を密着取材するモキュメンタリー形式が生む絶妙なリアリティと可笑しさ
予告編の時点で面白すぎて、これは絶対見ようと思った作品でした。日本に殺し屋ビジネスネットワークがあるという設定が、フリーの殺し屋・国岡昌幸の日常を密着取材するモキュメンタリー形式で描かれることで、絶妙なリアリティと可笑しさを生んでいます。ちょっとチープな絵面やカメラの手ぶれなども、すべてドキュメンタリー番組の撮影だからという見せ方になって、現代日本の殺し屋はこれぐらいカジュアルなのかもと思ってしまうぐらいです。面白いものを見せたい! という意欲がつまったアクション部分も見ごたえがあって、阪元裕吾監督ならではのオリジナリティが詰まっている1作です。
国岡は「伝説」となったのか?!
■ 作品情報
監督・脚本: 阪元裕吾。主要キャスト: 伊能昌幸(国岡昌幸役)
■ ストーリー
阪元監督が自身の新作映画脚本の参考とするため、フリーの殺し屋・国岡昌幸に密着取材する様子を追うフェイクドキュメンタリー。京都最強と謳われる23歳の国岡は、友人との交流や恋愛など、ごく普通の日常を送る一方で、依頼された殺しを淡々と遂行する。しかし、ある時、依頼元との連絡ミスにより、国岡は誤ってターゲットとは異なる人間を殺してしまう。この一件をきっかけに、事態は急変。激怒した依頼主から送り込まれるヒットマンたちと、殺された人物の復讐を誓う者たち、国岡は双方から命を狙われることになる。
■ 感想
馴染みの映画館で上映予定のシリーズ第3弾『フレイムユニオン』を鑑賞する前の予習として、慌てて本作を観てみました。正直なところ、おもしろいかと問われれば「それなりに」としか言えず、今となってはシリーズ第3弾の鑑賞もちょっと迷い始めています。
作品全体を通しては、殺し屋の日常を描くモキュメンタリーという構図がとても興味深かったです。特に冒頭、ドキュメンタリー風の映像で殺し屋協会や殺しの分業制、仕事の流れなどがスムーズに描かれ、作品の世界観にすんなり入り込める好印象です。
その一方で、腰の銃を隠そうとしない、すぐ近くに人がいる場所で狙撃する、依頼人とのいざこざを裁判で解決しようとする等、およそ裏稼業とは思えない国岡の態度に困惑します。しかし、きっとこの世界は、殺し屋が一般の職業として認知されている世界線で描かれているのだと解釈し、それならそれでと以降の展開に期待して鑑賞続行。
それなのに、ホワイトベアーなる殺し屋集団が登場したあたりから、物語の雲行きが怪しくなり、最終的には「ぐだぐだレベルMAX」に。まるで学生の自主制作映画を見ているかのような様相に、正直がっかりです。「最強殺し屋伝説」と銘打っているにもかかわらず、肝心の殺しがあまりに雑なのは興ざめです。
それでも、国岡の自然体な演技だけが、本作を辛うじて支えていたと言っても過言ではありません。そして、序盤でさりげなく描かれていた、電話による仕事依頼への不満、依頼人親子とのトラブル、友人の紹介でのデート、ブラック企業の社長殺しなど、全てが後半の伏線となっている脚本の構成力には驚かされます。もし『ベイビーわるきゅーれ』と同じくらいアクションに力が入っていたら、もっとすばらしい作品に化けていたであろうポテンシャルを感じるだけに、本当に惜しい作品だと感じます。
どこかシュールでクセになる殺し屋アクション
阪元監督の『ベイビーわるきゅーれ』を以前鑑賞した時に、多くの映画レビュアーさんが「こっちもおもしろい」と言っていたのが本作でした。
ざっくりと「めちゃくちゃ強い殺し屋の国岡を描いた作品」ということだけ知っている状態での鑑賞でした。
結論ですが、低予算B級映画っぽいチープな絵面が多少気になりましたが、それを含めて楽しめるアクション映画になっていました。全体的に予算があまり掛かってない安っぽい絵面なのに演者さんたちがちゃんと「動ける人たち」だったので、アクションシーンのアクロバティックさが半端ないんですよね。映像がチープだからこそ、CGや画角で誤魔化さない純粋な役者さんの身体能力によるアクションが映えていたように感じます。
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『ベイビーわるきゅーれ』の制作に取り掛かっていた映画監督の阪元は、若手実力派の殺し屋である国岡(伊能昌幸)に密着取材を行う。密着取材の中で人を殺しているとは思えないほど淡々と依頼をこなしていく国岡だったが、繁忙期に下請けの業務ミスや連絡不行き届きなどを原因に、依頼人から恨みを買うことになってしまい……。
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本作はドキュメンタリー風の映画である「フェイクドキュメンタリー」とか「モキュメンタリー」と言われるタイプの作品です。『パラノーマルアクティビティ』とかが有名ですが、低予算映画でよく用いられる手法ですが、これが結構有効に働いていたように感じます。絵面が多少チープでも、「ドキュメンタリーだから」と違和感なく見ることができるからですね。
阪元監督の『ベイビーわるきゅーれ』が凄く面白かったので、監督の別の作品が見てみたいと思い、本作を鑑賞しました。ベイビーわるきゅーれも脱力殺し屋アクション映画でしたが、本作の脱力感はベイビーわるきゅーれ以上でした。国岡という青年が良い意味でも悪い意味でもその辺にいそうな若者で、仕事も軽口言いながら淡々とこなすので人を殺しているということを忘れてしまいそうなほどです。殺しをした現場も、周りから子供の声が聞こえるような公園だったり普通に住宅街の道路のど真ん中だったり、日常に見かけるような場所でしれっと殺人が行われているという、日常の中に実はある非日常というアンマッチ感がたまらなく面白いです。
批判的なレビューをしている人たちは口をそろえて「アクションシーンが安っぽい」と言っています。私もそれには同意します。特に銃撃戦は合成なのが見え見えなマズルフラッシュと後付けなのが見え見えの銃声が実に安っぽくて半分ギャグシーンです。でも、本作の魅力はそんな安っぽい映像の中でも際立ってカッコいい肉体的なアクションです。阪元監督のベイビーわるきゅーれでもそうでしたが、しっかりアクション演技が出来る俳優さんをキャスティングしているので、さっきのイマイチな銃撃戦が嘘のようにカッコいいバトルアクションが見られるんですよね。国岡役の伊能さんもそうですし、敵役の俳優さん達もめちゃくちゃ動ける俳優さんで、迫力があってかっこよかったです。
ただ、ラストの格闘シーンは小学生の喧嘩みたいな連続パンチがギャグっぽくてカッコ悪くて、ちょっと残念でした。あれってプロレスで言うところのチョップの応酬を表現したかったのかもしれませんが、さっきまでバク宙みたいなアクロバティックなアクションをしていた人たちが小学生みたいなアクションをし始めるのは違和感がありましたね。
アクションシーンについて批判的な意見があるのは理解できます。ただ私は、この作品が批判されていたら擁護したくなるくらいにはこの作品が気に入りました。個人的にはお気に入りの作品になりました。面白かったです。おススメです!!
チープすぎて(笑)
ベビワルとはまた違った魅力溢れる怪作。
殺し屋ドキュメンタリーというコンセプトがまず良くできてる。
日常描写のリアリティが高く作り物感がないので、そこに当たり前にある殺し屋稼業のリアリティが半端ない。
故に、「こういう世界なんだ」という納得度が高く、作品を見る上でのノイズになっていないのが上手い。
ダウナーな日常描写と泥臭くもキレッキレのアクション。
あくまで仕事人としてクールに振る舞う国岡さん。
そこに飛び込む唐突なギャグ。
インディーズならではのとんがった作風はこの時点で健在。これを煮詰めて更にエンタメ性を入れたのがベビワルという事になるのだろう。
個人的には国岡さん自身の殺し屋稼業に臨むスタイルそのものが非常に魅力的に感じた。
特に仕事を終えてからさらりと「帰りましょう」と言い放つまでのくだり、ここが独特でありプロフェッショナル感が高く良かった。
ベビワルの原点でありながら、それでいて本作独自の魅力もきっちり担保された作品。
更にブラッシュアップされたクオリティで、ぜひとも国岡シリーズの最新作が見てみたいものだ。
かなり最高
キャラクター性がかなり最高だった。
同監督作品の「ベイビーわるきゅーれ」と似た世界観で、だけどベビわるよりかは少し孤独で切ない感じがあり、それもまた最高
設定に関しては、痒いところに手が届くみたいな感じで、「これを探してたんだよな」となる。
終始密着取材のような形で進んでいくのだが、字幕のフォントのチープさもリアリティがあって楽しめた。
それと、個人的には最後に勝訴の紙を持って裁判所から出てくる所が良かった。
序盤は国岡が冷静な人物だと思わせるが、終盤になるにつれ好きな女の子が結婚しててヤケになったり酒を飲んで弱音を吐いたりと人間味を見せてくれる所も愛着が湧いてとてもよかった。
国岡役の人の演技がものすごすぎて鳥肌が立った。
悪い所をあげると、終盤のバトルシーンが少しだけ長く感じたのと、殴ったり蹴ったりする時の効果音が少しチープだったのがちょっと気になった。
ベイビーわるきゅーれの原点
❇️観たくなる要素は沢山ありました!あと少し物たんない!
最強殺し屋伝説国岡
🇯🇵京都府
殺し屋にアポをとり、密着して行動を共にするドキュメンタリー
国岡の殺し屋仲間など個性豊で淡々と仕事をこなす国岡のキャラから目が離せないです。
❇️観たくなる要素は沢山ありました!あと少し物たんない!
★彡ベイビーシリーズで完全補正をした感じします‼️
◉64E点。
★彡惜しい感満載。
アイデア最高でもう少しだけ、慎重派の意見を考慮したら開作になった予感しました。
きっとアラートで編成した「ベイビー悪キューレ」は最高でしたよー!
🟢感想。
1️⃣殺し屋の依頼キャンセルって☺️
★彡母親とのやりとりウケる。
2️⃣なんかオモロい。
★彡陳腐な輩や戦闘シーンはコメディーですが含めてオモロい。
3️⃣やや短調で飽きもくるかな?❌
★彡人目に触れまくり、銃をぶっ放すって、笑かす気が満載でした。
4️⃣会話が絶妙に良い。⭕️
★彡どうでも良い話や、会話での言い合いが妙にリアリティーあってツボった。
5️⃣絶妙つまらないかも。❌
★彡やややりすぎでなんでもありでどうでも良くなってくる。それでも楽しめる部分もあります。
6️⃣アクションは頑張れってる⁉️
★彡嫌いではない出し切ってます!
まるで太鼓の演武の様でした。😆
褒めてます❗️
7️⃣エンドロールでひと笑。
★彡まさかの伏線ありました。
これは当たり。面白い
なんでこんなに評価がふるわないのか分からんくらい面白かった。
主人公国岡の仕事に密着するというモキュメンタリーで、見るべきところは国岡の仕事ぶりと国岡という男そのものだ。
まず仕事について。
日常の出来事のように飄々と行われる国岡の仕事は、もはやシュールギャクの世界。メチャクチャというよりはライトすぎて笑えてくる。
そして国岡本人について。
国岡は他にやれることがなかったからと殺しの仕事を始めた23歳。これがもう普通の23歳なところが面白い。仕事の合間にデートしたり飲みにいったりする。
映画などでよくある高圧的で攻撃的な殺し屋とは全く違うのだ。つまり仕事ではアリを踏みつぶすがごとく簡単に、そして無感情に殺していくが、仕事以外の場面では気のいい兄ちゃんなのである。
このギャップが面白いし、いかにもな嘘っぽさ全開の仕事と対を成すようにリアルな23歳が存在するモキュメンタリーの持つ力が全開なのだ。
「ベイビーわるきゅーれ」の前に同監督の本作を観たのだがこれは当たり。本当に面白い。
劇場で、観客にお金を観客に出して貰って、披露する映画ではない。
なんで日本の映画はライトノベル見たいな映画しかないのだろう。
我田引水。打ち上げパーティーや飲み会を撮しただけの内容の無い映像。
経費が全て飲み食いになったエンゲル係数の高い発展途上国の映画♥
『アクションの切れ』を評価する方もいらっしゃるようだが、2.0倍速で見てもトロイ。
日本は体操だけは世界に誇れるのだろうから、バク転、ソク転を長回しで披露する位の映像を取り入れるべきだ。刀を使って殺陣を披露する映像作家はいないのだろうか。
言うまでもなく、この程度では、大学の卒業制作映画だと思う。また、
戦闘の時に使う音楽とか、うるさい電子音楽。ベートーヴェンの田園を使って見ようとか考えないのか!?
最後のオチも最初から分かってしまう。兎に角、短編にした方が無難。
面白いけどさすがに厳しいか
【”お仕事、お疲れ様っす!”京都に住む見た目はフツーのお兄さんでありながら、最強の殺し屋に密着したフェイク・ドキュメンタリー。この作品が面白いのは、アクションが本物だからである。】
ー この作品の主人公国岡を演じた、伊能昌幸氏を始め、アクションシーンが凄い。前半はそうでもないが、最後半の肉弾接近戦のスピードと”マジ当てしているのではないか”と思ったシーンは見応えがある。-
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・殺し屋に密着し、ドキュメンタリー映画を制作するという、設定から面白い。
・国岡は、殺し屋ではありながら、女性とデートしたり、お笑い番組を見て笑ったり、メンドクサイ”仕事”が入っても、ブツブツ文句を言いながら、キッチリと”お仕事”をこなして行く。
まるで、ブラック企業に勤めるサラリーマンのようである。
・田岡は、岐阜での殺しの依頼があれば、名古屋で一件、”仕事”して、名古屋名物の”矢場とん”(と思われる店)でトンカツを食べ、”世界の山ちゃん”(と思われる店)で手羽先を食べ、岐阜でササっと”仕事”して帰る。
ー 何だか、出張先で美味いモノを食べるサラリーマンのようである。-
・付き合っていると、勝手に思ってたマイチャンの結婚式場での、殺戮戦も何だか、可笑しい。
ー マイちゃん、酷いっす。-
・弾が切れちゃって、”弾屋さん””に居酒屋で法外な値段を吹っ掛けられたり、依頼者の超上から目線のおばちゃんの依頼した殺し相手を、おばちゃんのせいで違う教授を殺しちゃったり・・。で、後始末が大変・・。
ー あの着物着た高飛車おばちゃん、田岡ではないが、ムッチャ苛苛するなあ・・。アンタは殺されて良し!-
<今作が面白いのは、奇抜な発想の映画設定であり、殺し屋達が、何だかんだ言いながら、何となくブラック企業で働くサラリーマン、もしくはバイトのようである事や、何より田岡を演じた伊能昌幸氏を始め、出演俳優さん数名のアクションが本物だからだと思った作品である。>
京都最強の殺し屋の日常と殺しを追った笑いと殺戮のドキュメンタリー
国岡を愛でる映画。
「ベイビーわるきゅーれ」「グリーンバレッド」に繋がる阪元裕吾ユニバース第1作。Amazonレンタルで鑑賞。
「ベイビーわるきゅーれ」のシナリオ作りに悩む阪本監督が、「関西殺し屋協会」の紹介で京都最強と呼ばれるフリーの殺し屋・国岡昌幸の日常を追うフェイクドキュメンタリーで、殺し屋という職業がごく普通に日常に存在し、国岡も職業以外はごく普通の青年であることが、阪本監督のカメラを通して分かっていくし、国岡を始めとした登場キャラクターと阪本監督とのゆるいやり取りはとても楽しい。
一方で、フェイクドキュメンタリーという性質上、観客は「カメラマン」(本作では阪本監督)の視点を通して物語を観るわけだけど、ちょいちょい阪本監督以外視点が入ってきたり、「いやいや、そこのいたらダメでしょ」という無理のあるカメラ位置が気になるし、手持ち1カメでのアクション撮影ゆえか、せっかくの凄いアクションがショボく観えてしまう――というか「イップマン」オマージュっぽいアクション設計も「相手を倒す(目的を達する)為のアクション」ではなく「アクションの為のアクション」という感じがして(´ε`;)ウーン…と言う感じ。
正直その辺、阪本監督はあまり頓着がない様に見えるんだけど、もし潤沢な予算があったらアクションの見せ方は変わるのかな?
とはいえ、その辺の「ゆるさ」はそのまま国岡や他の殺し屋たち、また作品全体、もっと言えば阪本ユニバース全体のオフビートな空気感にも繋がっているように見えるので、これは「こういう世界観」として観るのが正しいのかもしれない。
殺し屋の世界を描く作品ということで「ジョン・ウィック」を連想する人も多いかもだけど、どちらかと言えばタイカ・ワイティティ「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」の雰囲気に近い。一言で言えば「国岡を愛でる映画」なんだと思う。
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