「二人の関係は完璧で文句のつけようがない」劇場版 からかい上手の高木さん eigazukiさんの映画レビュー(感想・評価)
二人の関係は完璧で文句のつけようがない
島に住む学生たちの夏を描いた学園生活アニメ。漁港、学校、夏祭りなどの日本の夏の風景が美しい。高木さんと西片くんは同じ中学校のクラスメイトである。彼らは恋人のように二人きりになりしょっちゅう一緒に遊びに行ったりしている早熟な中学生である。学校でも夏休みに入ってもそして物語の最後までイチャイチャして終わる。
点数5.0。お勧めします。鉄の赤いワイヤーで結ばれているが如くの完璧な高木さんと西片くんの二人の恋愛関係には文句のつけようがない。人の恋路に文句をつけるというのは野暮なことである。
この作品の良い点は学生たちの生活が平和でほのぼのとしていること。この作品はひたすら心がほのぼのとする学園アニメ映画である。受験戦争や貧富の格差に悩んだり素行の悪いいじめっ子や毒親がいたりストーカー化することもなく酒やタバコやギャンブルや性犯罪やドラッグや暴力や悪いSNSに染まらず悪いテレビなどの番組やその他学生にとっての悪要素はまったくないしでてこない。自分の中学生時代の夏休みを思い出してしまうのもこの作品の良い点であろう。私が中学生の夏休みには家で三国志、徳川家康、竜馬がゆくなどの歴史小説を読みふけっていて貂蝉さんやおりょうさんの姿などを妄想していた記憶がある。この作品での悪いと思う点は(原作漫画はまだ読んでいないのでわからないが)高木さん自身はどこか幻想的で妄想上の少女のようでリアルな年齢相応の女子学生の感じがしないところ。からかい上手の女性ということは社交的な性格なはずで八方美人で他の男子にもかなり交流があるはず。まだ幼い年齢の高木さんにあのような落ち着きや男子によってからかいを上手に使い分ける狡猾さがあるとは思えない。あのように主人公の西片くんにだけ都合のよい感じにはならないはずと思うので高木さんにはリアルな年齢相応の女子学生の感じがしない。じっさいの女子学生は彼氏の前ではいい顔しか見せないとは思いますが彼氏の西片くん以外に見せるリアルな一面を視聴者に見せたほうがより高木さんのキャラクターが生き生きしてくると思った。「阿波連さんははかれない」の阿波連さん、「上野さんは不器用」の上野さん、「久保さんは僕を許さない」の久保さん、「履いてください、鷹峰さん」の鷹峰さん、「イジらないで、長瀞さん」の長瀞さん、「古見さんは、コミュ症です。」の古見さん、など無数にある類似の作品のヒロインの性格と本作品の高木さんの性格を比較するのも面白いであろう。
視聴:液晶テレビ(有料配信Amazon Prime Video) 初視聴日:2025年6月27日 視聴回数:1(早送りあり) 視聴人数:1(ひとりで見た)