劇場公開日 2022年6月10日

「73分間に詰め込まれた田舎の中学あるあるにハートが雑巾搾りに遭う途轍もなく美しくて愛おしい青春譚」劇場版 からかい上手の高木さん よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.073分間に詰め込まれた田舎の中学あるあるにハートが雑巾搾りに遭う途轍もなく美しくて愛おしい青春譚

2022年6月13日
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鑑賞方法:映画館

原作のクレジットに『からかい上手の高木さん』と『あしたは土曜日』の2つのタイトルが併記されているのでおかしいなと思ったのですが、高木さんが繰り出すテクニカルな匂わせスキルに惑わされていつもコテンパンにして揶揄われてしまう西片が高木さんにリベンジを目論みながらまんまと術にハマる夏休みと、ミナ、ユカリ、サナエの中3女子トリオがやりたいことを片っ端からやる夏休みを並行して描いた作品。73分という短い尺にパンパンに詰め込まれているのは田舎の中学あるある。小豆島の豊かな自然と伝統を全身で受け止めながら好き放題に遊び、ウジウジ悩み、イジらしい恋バナに身を捩る、そんなもどかしい堂々巡りがとにかく眩しくて何度も何度も涙が溢れました。そしてただでさえ微笑ましい物語をさらに芳醇にするのが迷子の子猫ハナ。そのキュートさに誰もが心を奪われます。

とにかくどこまでも美しくて愛おしい物語はエンドロールの後まで続きますので、途中退席はしないように。そういえば私にとっての高木さんである山本さんは今どこで何をしているんだろうかと遠い目になりました。

よね