劇場公開日 2021年12月3日

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「まさに、まんまと」パーフェクト・ケア tkryさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5まさに、まんまと

2021年12月5日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

ロザムンドパイクの掌の上で転がされましたね。
肩入れ不能なほど憎たらしい主人公を堂々と演じきっておりました。
それにしても、悪人が「なんでこんな目に…(涙)」みたいに嘆くシーンって、どうしてこんなにも腹立たしいんでしょうか。

主要登場人物全員が最低というのは斬新です。
主人公にも、そう至った事情の断片のようなものは一言二言さらっとセリフで語られますが同情の余地を感じさせるようなものではありません。
というわけで、観客の乗り物たる主人公の乗り心地は最悪です。
それはそれでも良いのですが、人物たちに感情移入できる描写を排したことで、観客の多くは「置いてけぼり感」を抱くのではないでしょうか。
それが続けば、嫌な人物達の「どうでもいい話」となってしまうのかな、と。

ストーリーも若干、ご都合主義感が強いですかね。
米国の後見人制度の実情は存じ上げませんが、これで分かった気になっても良いものなのか…。
あと定番ではありますが「悪人の詰めが甘い」問題。しっかりトドメを刺そうよ。
彼女達がどうしてこうも人を出し抜けるのかのワンロジックも無いので、爽快感も減じてしまっていると思います。

というわけで、個人的にはお話回りに関しては後半にいくにつれて緊張感が薄れ、「どうでもよさ」が前に出てくるように感じられました。

自分の外の世界にいる、非人間的な人物達が繰り広げる、どうでもいい話に終始してしまったと思いました。
ちょいと惜しい作品です。

tkry
マサヒロさんのコメント
2021年12月5日

このクソ女を誰か早く殺してくれと思って見てたらご都合主義で助かってしまったのですが、定番の「悪人の詰めが甘い」問題なんてのがあったのですね。悪人がトドメを刺さないのはホントに問題ですよ。『キャッシュトラック』のレビューで「主人公にとって致命的な弾道は存在しない」という大原則を読みました。この原則によればこのクソ女はまだ生きてるのかと思うとすごく悔しいです。トドメ刺してませんよね。

マサヒロ