「介護に関わる人が善人とは限らない」パーフェクト・ケア kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
介護に関わる人が善人とは限らない
介護にしても看護にしても、それに関わる仕事についているのがいい人とは限らない。本作に登場するマーラがまさにそう。金儲けのために介護を利用するのはいいとしても違法なやり方はいただけない。
マーラのあくどいやり方と、ターゲットにされたジェニファーがそれにどう対抗していくのかという導入だったのだが、途中からそれが徐々に変化していく。気づいたらその対決にドキドキハラハラしながらどんな決着が待っていのか目が離せなくなってしまった。
正直、マーラがどんなやられ方をするのか待ち構えていたところもある。マーラという悪人がどのように懲らしめられるのかと。でもそんなに単純にはならないよな。彼女の育った背景や、物怖じしない態度の裏にある経験の数々を匂わされる中、マーラのことを憎む気持ちが薄れていくのを感じた。
だから最後の決着がスッキリするわけもなく、モヤモヤした気持ちが残った。うーむ、巧妙な脚本だ。現代社会でありそうな犯罪を描きつつ、面白いサスペンスに仕上がっていたと思う。
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