「お話の筋がバラバラでわかりにくいのは確かだけど…」パーフェクト・ケア yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
お話の筋がバラバラでわかりにくいのは確かだけど…
今年188本目(合計252本目)。
いわゆる医療ものの映画ではないので(それらはちらっとしか出ない)注意です。
最初こそ裁判所が出たり、民法がどうだの後見人が同だのと言った法律チックな話が進みますが、後半は完全にアクションものになります(裁判所なども全く出てこなくなる)。ただ、主人公が女性という都合もあるのか、ある程度武器の使用について配慮はあるようです(単なるスタンガンを使っている等)。
うーん、どうなのかな…。予告の範囲でこういう展開は普通想定しないし、1~2週間前の予告から読み取れる内容をはるかに超える展開になるので、そこをどう評価するか…というところに全部尽きてしまうと思います。
個人的にはこういう展開はありだと思ったくらいです。
なお、日本では法定後見人がつく場合でも、ここまでムチャクチャやるとすぐに解任されますし(民法)、状況によっては刑法にも問われえます(今回はもう言うまでもないので省略)。
個人的には下記が気になったところです。知識があると混乱するというタイプです。
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(減点0.3) 序盤、法廷バトルをしているところに「(判決に不満があるなら)再審請求しろ」という部分がありますが、この「再審請求」が何を意味するのかが微妙です。
お話をさらに進めると、法定後見人をつけるつけないの決定をするのは家裁なので(ここは日本も同じ)、どうも「(不服があるなら)控訴しろ」という意味で言いたいのかなとも思えますが、そうであれば「控訴」と書くのではないかと思います(日常用語の範囲ですし)。
一方で、日本の行政不服審査法には「再審査請求」という語があったり、行政も司法の役割を一切やらないわけではなく、「準司法的作用」という扱いで「裁判所もどき」の場所はあったりします。日本では「海難審判」などがあげられます。これは行政権による「裁判に準じた取り扱いをされるもの」です。
この「再審請求」が何を指すのかまるでわからず(おそらく「控訴」の意味で見たほうが妥当)、知識を持っている人はかなり混乱します。
※ いわゆる死刑確定に対して「再審の訴え」というのはありますが、家裁の決定に対して「再審の訴え」というのはないので(控訴すれば良いだけなので)。
もっとも、日本とアメリカでは法体系が違うので一概に言えませんが、何を言いたいのかもよくわからないので、「多分こうだろう」という推測しかできません(かつ、控訴したと思われる第二審の話は一切でない)。
一応にも法律を扱う話題なのですから、語の翻訳はちゃんとして欲しかったです。
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