「多くの人と幸せを共有する重要なイベントを嫌味なく笑いに変えた本作は、忘れられないエンターテインメントになった」ウェディング・ハイ 山田晶子さんの映画レビュー(感想・評価)
多くの人と幸せを共有する重要なイベントを嫌味なく笑いに変えた本作は、忘れられないエンターテインメントになった
夫婦にとっては、幸せと覚悟を誓い合う結婚。地味婚にしたり、催しは抜きでお店を貸し切ってお披露目したり、報告のみだったり。今は事実婚というものもあり、パートナーの形は人それぞれ。そのような時代に王道的な結婚式を題材にしたコメディ映画が大安吉日に公開。『ウェディング・ハイ』という題名を見た時、どこまでハイなのか期待と不安が入り混じっていた。
ただ、あらゆることを笑いに変える鬼才バカリズムが脚本で、監督は、見えにくい心理状況を巧みに表現する大丸明子なので、どこまで入り組んで進むのかが楽しみで、結果的には私自身もハイな気分で鑑賞。
見終わった後は、豪華キャスト一人一人のキャラクターと作品全体の構成に驚いた。
新郎新婦の要望を叶え素敵な披露宴を行うべく、NOとは言わないウェディングプランナー(篠原涼子)。彼女の仕事魂がベースになっているだけでなく、登場人物それぞれの背景が丁寧に描かれていて、絶妙なタイミングで笑える。
どんなドタバタなのかは見てからのお楽しみということで、大枠の凄みを一つだけお伝えしたい。
時間に限りのある映画という形で、テンポよく、これだけの面白さと感動が凝縮されるのは、長いはずの話などを本人の言葉(台詞)で極力短く構成されている点。
脚本と演出と俳優陣の相乗効果で成立する見事な技であった。
コメントする