「他の方のレビューも読むのは必須かも。数学的内容もあり理解難易度は高いです。」ライダーズ・オブ・ジャスティス yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
他の方のレビューも読むのは必須かも。数学的内容もあり理解難易度は高いです。
今年20本目(合計293本目/今月20本目)。
ということで、「シルクロード」から40分遅れでこちら。2本目です。
この映画は公式にも書かれていますが、北欧の国が舞台です。よって英語は大半登場せず(デンマーク語らしいです)。
ストーリー自体は、他の方も書かれているとおり「不慮の事故にあった人達とその事故を事件だと考えて解決していく人達」を描いた内容です。一方で、ある出来事が事故か故意かという点は、数学とある程度フィットします。分野的には確率統計です。そのため、この映画には数学者まで登場します(よくある「数学者」の「よくある描写」っぽく、妙に細かい計算を素早くやってくるなども、だいたいテンプレ通り)。
「ある出来事が起きたとき、その出来事の原因が何であるのか」ということを扱う分野を「事後確率論」といいます。実はこれらのことが裏で働いているのですが、表立って出てこないし、これらの計算の根拠となるような話は出てこないので(確率計算をするには、その目的となるデータを集めないと無理)、そういう「事後確率論」が背景に隠れているというのはそれだけで、表立って要求はされないものの、この「事後確率論」は、「何かが起こったときの結論はこれの確率が何%だけど、信じる?信じない?」という宗教的・哲学的な色合いがある分野で(だから、定義・定理バリバリの数学と、確率統計論の数学は、やや趣が違うところがあります)、むしろ普通に見ていると後者のほう、つまり「因果(関係)という考えをどこまで信じるか」といった哲学的な話にシフトしてしまっています。
北欧の国制作の映画だと、ほぼほぼ毎回、北欧のキリスト教の話に流れますが、本映画でもそうです。教会に行くシーンもあれば、教えを説くようなシーンもあります(ただし、本映画では出るだけで、理解できなくても理解に妨げはない)。
採点は下記のように考慮しています。
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(減点0.1)「数学者はチェスが好き」というのは誰が言い始めたのか、実際そうなのか…というのは別にして、復讐をたくらむその間にもチェスの話も出ます。最初はiPad(か何かのその程度の大きさのタブレット)でPC対戦(?)しているだけですが、お話が進むと娘さんと実際に対戦するシーンも出ます(ここで「ポーン」や「クイーン」といった語が出てくるが、チェスがわからないと詰まってしまう…)。ここはもうちょっと字幕に工夫が欲しかったところです(日本のチェス人口って統計あるんでしたっけ?)
(減点0.2) アメリカ映画でもない本映画は、いわゆる「固有名詞」が何なのか把握することが難しいです。地名か人名か、それだけでも苦労します。登場人物の娘さんの「マチルデ」が、「マチルダ」などの名称からの推測で「女性の名称」ということは推測がつきますが、「シリウス」も実は人名だったりします(役名一覧参照)。
※ デンマーク等のバルト三国は、ある程度の差はあっても文化は似ていますが、「シリウスさん」という方が実際にいるのかどうか調べてみましたが、どうにも謎でした。
さらにここに地名まで出てくるので(当然、首都なんていうものではなく、きいたこともない地名)、一体どこからどこに移動しているんだろう…というのもわかりづらく(デンマークの地理を完全に抑えているなら別)、パンフ購入必須なのかなぁ…というところです。
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