「見る人を選ぶ作品。」ロスト・ドーター Y.タッカーさんの映画レビュー(感想・評価)
見る人を選ぶ作品。
子供を持つことで発生する「母」という女性にとって束縛的な面を、一度娘を捨てた母親の追想で描き出す作品。ギリシャで1人休暇している現在パートと、子育てに自分の諸々を抑圧されている若き頃と、渾然とした構成で進んでいく。特に現在パートでは敢えて観る者にこの母親に移入させない作りで、不条理劇のような緊張感を狙っている様だが、スローなテンポでただただ焦れったい。何かのメタファーになってるんだろうアイテムも幾つか出てくるが、その意図も良く解らんままだし、トラウマを克服したきっかけも明確になっていないから後味も非常に悪い。かなり見る人を選ぶ間口の狭い映画で、正直男というのが多分に在るのだろうが、何を云わんとしてるのかまるで良く解らん映画だった。
コメントする