「どの選択肢をとって生きるか」ロスト・ドーター kikiさんの映画レビュー(感想・評価)
どの選択肢をとって生きるか
母性とはなにか。そもそも存在するのか。
自分の人生を謳歌する前に誰かの人生の責任を負う立場になったら。
子どもに何度も呼ばれたり、傷にキスしてと泣いてせがまれたり、くだらないケンカの仲裁、ものを大事にしない、何度も叩いてくる。
観るものが自分が経験したことばかりで、母親である彼女の反応も同じようで、胸がギュッとなった。
私も自分の幼少期に大切にしていた絵本を子どもに渡したら破かれて発狂したことを思い出した。。小さい子に渡した自分が悪かった。
小さいうちだから仕方ない、そのうち収まると言われたらそうなんだろうけど、いま対面してる当事者は関係ない。
今がつらいんだよな。
終始不穏で、不良たちや他人の目線がきつくて、誰かが彼女に接近する度、冒頭のシーンを繋ぎ合わせては不安でドキドキした。
ラストで彼女の過去のトラウマが少しでも成仏できていたらいい。
本気で「死ぬかも」と思った経験があれば、吹っ切れるのかな。
彼女は素直で大胆だから、離れる行動ができたけど、大多数はそんなこと考えても実行できない。
どっちの道を選んでも苦しいとは、詰むなあ。
特に印象的なシーンは夫が泣きついてきたところだった。
苦しいときに苦しさをわかりあって、楽しさを共有して、助け合える身近な存在を大切にしたい。
辛いときこそ癒しあって支え合いたい。
若い母親、自分の欲求を忘れてあんなに怒れるなら子供を愛せてる。大丈夫だよニーナ。
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