「才能豊かなのに、分断社会を転がっていく若者の正に「メディア戦記」。」幻滅 kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
才能豊かなのに、分断社会を転がっていく若者の正に「メディア戦記」。
映像表現が豊かで感心した。個人的にはいわゆる歴史物コスチュームプレイは遠慮しがちなのだけど。一つ一つのカットが宮廷画家が描いた油絵のようだし、一人一人の俳優の表情が其々の階層を代表するように雄弁だった。(そして正直、美しい青年のお姿はやっぱり見応えあります)
しかし、一番の名優はあの「サル」かな笑。
純粋な文学界で挫折した若者が最後たどり着くのは化粧品の広告コピーって、広告制作業界の人、どんな思いでしょう。そんな時代の変化も存分に感じる一方、当局による報道規制など、現代社会に置き変えてぞっとするところも。優れた文学作品を書ける作家というのは無意識のうちに未来までお見通しなのだと思う。
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