「痛みと傷み」あのこと みきさんの映画レビュー(感想・評価)
痛みと傷み
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思春期の女の子が最も恐れるのが
「生理が来ない」なんじゃないかと思う(笑)
※もちろん性体験あればって事だけど。
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1960年代のフランスは中絶禁止で
発覚すれば本人はもちろん処置した者も禁固刑。
近年、アメリカで大きな話題になっていたのは
記憶に新しいところではあるけど、
如何なる事情があろうともって事なのか?
宗教の問題もあるのだろうけど、少々理解に苦しむ。
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アンヌは成績は優秀であっても
決して「優等生」という感じではないので
自業自得感はあるのだけれど、
誰にも相談できず、
刻一刻とタイムリミットが近づく恐怖感
絶望感なんて
男性には全く理解できないものだろう。
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親友に告白しようものなら、
友達の縁を切る勢いだし、
男友達に相談したら
「妊娠してるなら大丈夫じゃん」と
体を求められる始末。
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「いつか子どもは欲しいけれど今じゃない」
「人生を引き換えにしてまで」
「不公平だ」の言葉がリアルで等身大。
遠距離恋愛中の彼氏が放った
「傲慢だな」とは
一体誰に向かって言ってるんですか?と言ってやりたい。
とはいえ、
消防士とのあれはアンヌの浅はかさが鼻に付く。
反面、安堵からなのかもしれないけれど軽率です。
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カルテに書かれる言葉がアンヌの生死を
(肉体という意味ではなく)
決めることになるが、
あの場にいた医師が、唯一アンヌの状況を
理解し親身になってくれていたあの医師で
あったと思いたい。
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原作者のエルノーは現在82歳。
自身の経験をもとに女性の”性”に焦点をあてた本作は、
1964年の3か月間の間に彼女が経験した何もかもが
見事に詰め込まれている。
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