「テーマは若さ(バカさ)の特権?」あのこと カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
テーマは若さ(バカさ)の特権?
1960年のフランスの女子大学生が妊娠する話とのことで、渋谷のBunkamuraまで行きました。だいぶ外国人が増えてきました。スクランブル交差点の何がいいんだか?さっぱりわかりません。相手は消防士とのこと。これは八百屋お七みたいに逢いたさ余りに放火を繰り返すのか?と期待しておりました。
映画では字幕で何週間後とかご丁寧に出ますが、1960年の妊娠反応検査は今と違って簡単ではありません。妊娠かもと気がつくのも6週過ぎでしょう。医師が妊娠の徴候を疑うことができるのも8週過ぎでしょう。超音波検査なんてありません。妊娠証明書が送られてきたのは、今の日本で合法的な堕胎が認可されている12週をとうに過ぎてしまっていていたと思われます。1960年代の妊娠反応検査は今と違って、ウサギに妊婦の尿を注射して確かめるのが一般的で、ウサギが排卵したかどうか一定の時間をおいてから開腹して確かめるのです。ウサギはヒトとは違って、性交すると排卵するので、メスのウサギだけ飼って実験室で行うのです。ヒトでもウサギのように性交するとその刺激で排卵する原始的(失礼)な方も結構いますけど。
インチキ堕胎医のおばさんは最初は子宮の中にゾンデを入れるだけ。出血はしても堕ろすことは難しい。お金だけ取られた主人公が文句を言いにいくと、さらに強力な器械を入れますが、とっても危険。結局、ちゃんとした医療機関に送られて、完璧な堕胎術が施され、自然流産と診断されて、処罰の対象を逃れることができましたが、たくさんの人に迷惑をかけて、命を救ってもらえたからいいようなもの。主人公は複数の男性と付き合って、何回もしていたのに、初めてのたった一回で妊娠したと男性医師に嘘ついてましたから、なかなかしたたかで、強情な女でした。新川優愛さん似の純情派の女優さんでしたが、共感はしづらいですね。実際、寮のトイレでかなり太い臍帯がぶる下がっていて、友達にハサミで切ってと頼む場面があり、20週(5ヶ月)は軽く越えていて、非常に危険な状態でした。それでも鬼の形相で友達に指図する主人公の決意の強さは伝わりますが、地方出身の文学部のお嬢さんですから、医学部や法学部で弁護士希望とかとは違って、学業優先の目的は個人的なもので、共感はしづらく、命を粗末にしているだけと思う人も多いでしょうね。ベネチア国際映画祭での金獅子賞は強くなった女性たちと原作者がノーベル賞作家であることにかなり忖度しているような気がします。妊娠週数ばかり気になって、映画を楽しめなかったです。寮のシャワー室の女子大生達の裸体は悪くはなかったですが、時間ですよの銭湯の脱衣場シーンの方が刺激的だったような。妊娠して落ち込んでいる主人公に騎乗位でイク妙技を指南する3人娘のひとりの熱演はなかなかすごいものがありましたけど。若さの特権の映像表現という点では評価に価するってことでしょうか。自分の都合で実家に帰ってくる娘を迎える両親役の俳優さんの方が共感できてしまいました。
アマゾンやオークションなどで手頃な堕胎器具を自分で買って、やってみようなんて思って真似する人が出て来ないかすごく心配しております。
レビューの辛辣さに共感ポチです。
“ノーベル賞への忖度?”に なーるへそ。
鑑賞後いまだに続く残尿感=きりんのモヤモヤ&モヤモヤに答えてくださり感謝いたします。
アナ・ムグラリスと、少ししか映らないけれどその夫らしい後ろ姿。そして女子大生の両親の様子・・
同年代の自分としてはそっちの大人たちのほうへの共感がすごく大きかったです。
先日、我が娘の態度にカチンときて、「おめー勝手にしろ」と娘のインスタを切りましたです。
お喋り失礼しました。