パワー・オブ・ザ・ドッグのレビュー・感想・評価
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素晴らしいミステリ
物語がどう動いて行くのか中盤まで分からなかったけど、
最後の最後で、こんなミステリが待っていたか!と
興奮しました。
カンバーバッチが珍しく男臭い役をやっているかと思ったら
やはりただ無骨で偉そうな牧場主ではなく、
人知れず1人抱えてた過去があって、
そこからのピーターとの関係性がとても良かった。
男性至上主義、男はこうあるべき。
みたいな世界観って
男の結びつきや強い男に対しての憧れがあるから、
とても納得が行く結末でした。
昔の自分をピーターに重ね、自分をブロンコに重ねたのかな
とも思いました。
キャラ配置も良くて、ピーターがネックなのは分かって
いたけど、あそこまでやってくれるとは考えてなかった。
結末を観て、ピーターが一番大切にしてる人を分かった上で
もう一度見直したいと思います。
どこから、それは始まっていたのか。
そして、実はフィルも分かった上で縄を結ったのかも
と思いました。
観た人と色々考察して話し合いたい映画でした。
マッチョ主義がはびこる中での本当の強さとは?
Deliver my soul from the sword; my darling from the power of the dog.
映画のタイトルは、聖書の「詩篇」第22章20節の「わが魂を剣から救いたまえ、わが愛しい人を犬の力から救いたまえ」から取られている。(原語のヘブライ語では、「my darling」は「my only」を意味し、孤独で大切な存在という意味で、「dog」は十字架にかけられたイエスを苦しめる者たちのことである) そのため、この映画のタイトルは、微妙なネタバレとなっている。 ~IMDbより抜粋~
さて、本作は愛の渇望と嫉妬、秘密の共有を描いており、ある意味復讐劇と言ってもよいだろう。カンピオン監督のねじ曲がった愛憎表現が光っている。
亡き父が言ったという「障害物を取り除けば強くなる」という教えに従って、母親を守るという固い意志に導かれた行動をとるピーター。繊細で女性的にも見えるピーターだが、劇中一番強いのはピーターであり、コディ・スミット=マクフィーは強烈なインパクトを与える目の動きと視線でその内面の優しさと強い意思を上手く演じていた。
また、登場はしないものの大きな存在であるBH(ブロンコ・ヘンリー)とフィルの語られていない物語にも想像力を掻き立てられる。崇拝すらしているBHが見たもの(崇高で繊細な人にしか見えないもの)をピーターにも容易に見えるというフィルの動揺とBHとのすり代わり(憧れ)。
フィルが牛を素手で去勢する行動は、自身への嫌悪感の表れでもあるのだろう。
リーダーとして君臨しているようだが実は弟を頼りにし、愛を求めてさまよう兄フィル(カンバーバッチ)、はいくつかのシーンで強さの表現は素晴らしかったが、秘密を隠しながら強くあろうとする淫靡でねじ曲がった心理描写は弱い。しかしBHの形見であろう布で体を包むシーンはもの悲しく孤独感があふれていた。
風呂に入りパジャマでベッドに入る弟ジョージは、上質なスーツに身を包み礼節をわきまえる。教育はありそうだが風呂どころか、着替えすらしない兄フィルとの対比も面白く、結婚したことでやっかいな兄から解放され一人ではなくなる幸福感と、寡黙だがまっすぐで不器用な男をジェシー・プレモンスはよく演じた。
キルステン・ダンストは、夫亡き後、息子を危険から遠ざけたいという母親ローズの心理描写や、安心と安定を手にはしたがそれを奪われるのではないかという恐怖心もよく演じていた。墓石に刻まれた「Dr. John Gordon」という文字から、ピーターの父親も医師であったと想像するが、医学を学ぶピーターの行動に、ローズは助けられるのだった。
第Ⅴ章は見せ場であり、エロティシズムにも溢れている。
・BHの鞍にまたがるということ
・ピートが吸ったタバコをフィルに吸わせるという(みせかけの)愛の交感
・馬の見通すような瞳と滑らかな体躯
これらはフィルの欲情とピーターに対する心の解放であり、一種の依存である。この一瞬の隙にピーターは入り込み意思を遂げるのだ。
「一人じゃないっていいな」。登場人物はみなそう思いたいのだ。ありのままの自分を安全な環境に置いておきたい。ただ、疎外感、孤立感、承認欲求、社会的立場に操られて行動してしまう。「障害物を取り除けば強くなる」、しかし、本当の強さとは何なのだろう。
カメラワークは、ニュージーランドでのロケとのことだが、広大なモンタナの荒野と山並み、牛たち、納屋の窓から見える広いけれども封鎖的抑圧的な風景、室内の暗めのライティングなど、素晴らしい雰囲気を醸し出している。
音楽も、ピーターのシーンでは繊細なピアノや、フィルの口笛やバンジョーなど印象的に使われている。
ところで、第Ⅳ章でフィルが棚にしまったものは何だったのか?よく分からなかった。
匂いが感じられる一本。
こちらまで土臭さや血生臭さが漂ってくる。
不穏な空気なのになぜか嫌な気はしない。
余韻がすごい。
観終わってすぐ、もう一度眼差しや仕草を
確認したい衝動に駆られる。
カンバーバッチのカリスマ性に乾杯。
良く分からなかった!!
2回挫折して、良く寝てから3回目のチャレンジをしましたが、え、終わり!?という感じで良く分からなかったです。台詞で全部説明してしまう映画の対極にあるとぽ思いますが、好みではありませんでした。
池袋で評判?
腐女子よろこぶ系な話かよ。とはいえ、カンピオンの作る画は、このうえなく詩情溢れて美しい。窓を額縁のようにして風景を見せるのは、源光庵や圓光寺にインスパイアされているのかな。ともあれ、カンバーバッチは男優賞を獲りまくりの予感。
去勢
ガニ股気味にゆったりと歩く様が決まっているベネディクト。彼の存在感が画面を支配している。男々しさを背負わされ、秩序を保守せんとする者の悲哀に満ち満ちている。テーブルの前で造花が一目で入り、バンジョーを愛する繊細な男。理解されたくも周りからは理解されず、その期待を弟には躱されて、不安な表情を浮かべる。ロープに想いを託し、虚ろにふらつく。
女はアル中と思いを寄せる余地もなく、むしろ男の言い分の方が道に行っているようにも思われる。しかし、それでも抜き取られる。ピーターの動機が語られぬところではあるが、幾つかの解釈の幅を持たせている。
フライドチキンを作るのに鳥をつぶす。牛の皮を剥ぎ乾かす。山肌、馬肌、人肌と生々しさと血生臭さが共存する世界にあって、このドラマの生命感も際立つ。
急な変化球
カンバーバッチ演じる頑固一徹の牧場経営者のフィルが、弟の結婚を訝しみ、弟の婚約者とその息子に執拗な嫌がらせをする。
なんでそんなに意地悪なんだいと思ってしまうほど、フィルは最悪で観ていて嫌になった。きっと変わるチャンスがあるんだよなと思い観ていたら、ちょっと心情変化が急に感じて?が湧いてしまった。
だんだん良くなっているように見えたらまさかの事態に…あまりの変化球に気持ちがついていけなかった。
さびしがりや
(批評家がまったく解っていないので概説しておきます。因みにわたしはじぶんだけが解っていると思っている勘違い男です。)
荒々しさを信条にしてる人っていませんか。
(たとえば)職場の厳しさを教えたい上司や先輩。仕事が厳しいのは正論だし、それを垂範するのは先達の役目だけれど、なんか妙に尊大・誇張になっちゃう人。
あるいはヤフコメによく湧く、昔語りや苦労話で盛っちゃう人。
虐待の報道に「おれなんかまいにちブン殴られてたもんだぜ」とか。
いじめの報道に「おれなんかまいにちブン殴られてたもんだぜ」とか。
その他の報道でも「おれなんかまいにちブン殴られてたもんだぜ」とか。
──言ってしまう人。なんとなく、わかりますよね。荒々しい時代・環境をサバイブして、今の厳しいおれがいる──と言いたいタイプの人。
フィル(ベネディクトカンバーバッチ)はそんなタイプ。今は亡きブロンコヘンリーを師・友人と仰ぎ、神格化し、その教えを実践しているのですが、その頑なな態度によって弟、弟嫁とのあいだに軋轢が生じます。
フィルは牛飼いの生活を荒々しいノマディズムでとらえています。
何日も牛を追い、野じゅくし、宿場では娼婦を抱き、配下を手なずけ訓練し、着のみ着のまま風呂にも入らず、それがおれたちの仕事・生き方なんだぜ、──と弟ジョージ(ジェシープレモンス)に垂範しますが、ジョージはまったくそのようには考えておらず、宿場の未亡人ローズ(キルスティンダンスト)と結婚してしまいます。
(最近知ったのですがプレモンスとダンストは現実でも夫婦です。)
ブロンコヘンリーの教えを伝える相手だったジョージが所帯持ちとなったので、いわば孤立したフィルは、ますます依怙地になり弟嫁のローズに八つ当たりするようになります。
その当て付けがましさ。カンピオン監督がうますぎて、見ていられないほど嫌らしい関係が展開します。
──だいたい、わたしほとんど弾けないって言ったよね。なんで知事に嫁はピアノ弾けるなんて言っちまうのよ。(byローズ)──という感じで、ジョージもたいがいに察しの悪い愚直すぎる男で、兄に当てられ、弟に巻かれ、ローズは酒浸りになってしまいます。
孤立したフィルが、己の求道心を満たすために目を着けたのがローズの連れ子ピーター(コディスミット=マクフィー)です。
フィルにとってピーターは性的欲求の対象でもあったはずです。
なぜなら(途中で判明するのですが)この映画の根本的な前提で、かつ秘匿された前提は、フィルがくどいほど仰ぐブロンコヘンリーが師でも友人でもなくフィルの情人(性愛関係のタチ)だったこと──だからです。
それゆえフィルがピーターに関わりはじめると、やべぇ、掘られちまうんかよ──と予感(というか悪寒)させます。
ローズはじぶんに近寄ってくることなく嫌気を発するフィルに(なんとなく)ゲイ気配を感じてとっています。それゆえフィルとピーターが癒着することにすさまじい嫌悪を感じていますが、どうにもできず酒量が増します。
しかしピーターは地雷でした。
さいしょから、もっとも脆弱なキャラクターとして描かれます。ひょろり、なよなよ、紙で花をつくり、腕タオルのウェイター姿をおちょくられ、落ち込んで独りでフラフープします。
が、一方でカンピオン監督はピーターのふてぶてしさも描きます。ふてぶてしさとは特殊な耐性と戦略性です。医学をまなんでいてウサギを捕らえて平気で開胸します。絞めるのもためらいません。一見よわよわしいのですが、かれは生類を屠ること、母親を守ること──に関してはひるまない、のです。
で、縄結いの湯桶に炭疽を仕込む──わけですが、さらに、したたかなピーターはじぶんがフィルの性的な欲望の対象になっていることを利用さえします。その描写は曖昧ですが、個人的には、そのように感じられました。
ただし。その謀殺劇に映画の焦点は(まったく)ありません。
カンピオン監督が言いたいのは孤独な男の末路です。
彼(フィル)はブロンコヘンリーの教えやカウボーイの克己主義を伝承しようとしていた、のではなく、寵愛をうけていた情人(ブロンコヘンリー)を失って寂しがっていた、だけです。
かれの荒々しさは寂しさの裏返しであり、カンピオン監督は愛と清潔感を失った時代遅れのカウボーイが身を滅ぼしていくようすを残酷に描写したのです。
フィルは髭を剃って死化粧をほどこされ生きていたときよりもずっと清潔になって棺におさまります。この映画は死んでやっときれいになった男の話です。
パワーオブザドッグが旧約聖書からの引用とか、メタファーがどれなのかとか、そういうこまっしゃくれたことを知ったからとて本作の解釈に寄与しません。映画はまったく難解はことは言っていません。
冒頭に、荒々しさを信条にしてる人っていませんか。──と言いましたが、わたしたちの身のまわりにいる、荒々しさを信条にしている人や昔語りや苦労話で盛る人ってのは、実はたんなる寂しがり屋なのかも──映画はその凡例を描いている、わけです。
(カンピオンは清潔にしていないひとも寂しがり屋だと示唆しています。)
気分が晴れる映画ではなかったけどね。
(原作は知りません。映画でカンピオン監督が言いたかった(であろう)ことをまとめました。)
救いか、犬か
オーストラリア人女性監督とイギリス人俳優主演で描く、異色の西部劇。
決闘などのアクション要素は一切ナシ。愛憎渦巻く濃密な人間模様と、その果てに…。
牧場を営むフィルとジョージのバーバンク兄弟。
開幕早々、兄弟の性格が分かる。
弟ジョージは穏やかな性格。…いや、兄に対し畏怖すら抱いている。
兄フィルは弟を“太っちょ”と呼ぶなど威圧的な性格。周囲からも恐れられているようだが、カウボーイ仲間からはカリスマ的に尊敬されている。
西部の全てを叩き込んでくれた亡き親友、ブロンコ・ヘンリーを崇拝。西部の男こそ、男。男は男であるべき。
牧場の仕事で町へ。ジョージが手配してくれた食堂で食事を取る。
未亡人とその息子が営むが、フィルは繊細な息子を散々からかう。ナヨナヨした男は男じゃねぇ!
未亡人も息子も気に食わないフィル。
涙する未亡人。深く傷付く息子。
慰めるジョージ。
フィルは誰かが陰に隠れてコソコソコソコソやってるのも気に食わないようだ。
最近何かと町へちょくちょく繰り出しているジョージ。
突然の告白。兄に内緒で結婚した事を。相手は、あの未亡人ローズ。
彼女を牧場暮らしに招く事になるのだが…
ローズからすれば、夫との死別後、息子と二人三脚。やっと巡り会った優しい男性。
ところがその男性の兄が…。
暴力を振るったりはしない。精神的な圧。気付くと、憎悪に等しい目で見ている。重々しい足音すら心地悪い。
極め付けは、ピアノが趣味のローズ。その音色に合わせ、フィルはギターで邪魔をする。執拗な嫌がらせ。
一応“奥様”として周囲の使用人やカウボーイに扱われているが、まだ食堂で額に汗して働いてた方が満ち足りてたかもしれない。
夏。都市部へ留学していた息子ピーターが“里帰り”。
あの一件以来の再会。ピーターはフィルに対し未だ恐怖と苦手意識、フィルはピーターに対しこちらもやはり女々しくナヨナヨした“お嬢ちゃん”。
が、後半はこの二人がドラマを大きく動かしていく…。
本作で第78回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)受賞。
ジェーン・カンピオン、『ピアノ・レッスン』以来の大傑作の評判に異論ナシ! オスカーノミネート落選はまず100%有り得ず、『ノマドランド』のクロエ・ジャオに続きアカデミー賞史上初の2年連続の女性監督賞受賞に期待が掛かる。と言うか、私なら迷わず一票入れる!
何が素晴らしいって、一見取っ付き難そうに思える西部劇というジャンルと重厚なドラマだが、見事な語り口で引き込まれる。静かな作風だが、ピンと張り詰めた緊迫感。
章分けも見易い。脚本も自身で担当。
登場人物一人一人の性格、内面、変化、それらの掘り下げも完璧。
雄大なモンタナの自然の中に。緑の大地、美しき森林、何処までも拡がる地平線と山々…。
そして、耳に残るはジョニー・グリーンウッドの不穏を煽る音楽。
監督を始めスタッフの仕事ぶりにも一切の抜かりナシ!
物語を動かす登場人物は4人といったところ。各々、キャラ描写や背景を体現。名アンサンブルを見せる。
高慢な天才役が多いベネディクト・カンバーバッチが粗野なカウボーイを力演し、圧倒的存在感! イギリス人ながら西部の男に見える。
完全に役に同化、パワハラ言動には見てるこちらも恐れおののく。少しずつ揺れ動く感情の変化はさすがの名演。
子役のイメージを完全に脱したキルステン・ダンストも本作で新境地。未亡人の苦悩、苦難を魅せてくれる。
受け身の好演を見せてくれるジェシー・プレモンス。4人の中で出番は控え目。前半はフィルやローズとの絡みがあったが後半はほとんど出番が薄くなってしまったが、それでもしっかり脇固め。
この二人、実生活でもカップルとは…。
子役として活躍し、大作や大ヒットシリーズにもチョイ役で出演していたらしいが、本作で大きく飛躍!
ピーター役のコディ・スミット=マクフィーが素晴らしい。
繊細な演技。この実力派たちに囲まれて、一際印象に残る。
動のカンバーバッチに対し、静。堂々と渡り合い、全く見劣りしない。
後半は本当に二人の関係とピーターの動向から目が離せない。
登場人物皆、コンプレックスや弱さを抱えている。
ローズはフィルからの嫌がらせとジョージの両親との関係。そのストレスからアルコールに溺れてしまう…。
兄に見下されているジョージ。
そんなフィルにも誰にも絶対打ち明けない“秘密”があり…。
フィルやカウボーイに嘲笑されているピーターこそ実は芯の強さがあると感じた。
タイトルの意味は、聖書の詩篇から。
“私の魂を剣から、私の命を犬の力から救い出して下さい”
犬は“邪悪”を表すという。
聖書には疎いので、正直ピンと来ず。が、印象に残ったのが…
牧場から望める丘をよく見渡すフィル。
問う。
何に見える?
ジョージは平凡な答え。
しかしピーターは、口を開いた犬。
そう答えた人物は初めてなのだろう。
そしてフィルもそうなのだろう。
フィルがピーターに対し、心境の変化があった瞬間。
ピーターに乗馬、縄の作り方、縛り方などを厳しく叩き込むフィル。
ピーターもフィルの鬼指導に死に物狂いで食らい付く。畏怖がいつしか憧れに。
ローズはそんな息子を案じる。ますますアルコールに溺れる。
二人でブロンコ・ヘンリーが辿った道程を旅。その道中、フィルはナイーブ過ぎるピーターと弱いローズを非難。暴力的だった亡き父の話に及び、ピーターの思わぬ冷酷さを知る…。
人は一つの感情で生きられやしない。
強さと弱さ。
穏やかさと哀しさ。
優しさと冷酷さ。
良くも悪くも。
ローズがついしてしまった事がフィルの怒りを買う。これまでもうんざりだったが、いい加減大爆発!
そこを救ったのが、ピーター。思わずピーターを抱き締めるくらい。
ピーターを侮辱していたフィルが。他人に対し威圧的で恐れられていたフィルが。
そこには、“人間”としてのフィルがいた。
ここで特筆なのは、安直なお涙演出などではなく、自分の中にある人の心を求めた事。
自分もまだ人の心、愛する事が出来る…。
最後は意外な結末。二つの意味で。
フィルは亡くなってしまう。死の間際まで、自分を救ってくれたピーターを求めた。
しかし、その死の原因は…?
フィルの死後、牧場で平穏に暮らすジョージ、ローズ。
それを見つめるピーター。
そこに、OPのピーターのナレーションが重なる。
それが本当…いや、本気だとするならば。
ピーターは救いだったのか、犬だったのか。
余韻が暫く後引く。
配信だと集中出来なかった。
残念です。
カンパーチとダンストの演技は、Netflixでは
集中出来なかった。難しく難題だな。
1920年代のモンティアが舞台。カンパーチは、
大卒だけどなんか冷たい。キルティンダンストは、
やや年老いた雰囲気をだしていたね。
息子役の方も弱々しさがでてました。
やはり、劇場で観るべしだね。
えっ、これって復讐物語なの!?
冒頭のナレーションで、母親を守るのが僕の務めとナレーションが入る。財産目当てで弟の嫁となった母をなじるフィル(カンバーバッチ)は、正鵠を得ているんじゃないか思えてきた。実の父が縊死だと告白してから、母親は魔性の女で、男を駄目にする女に見えてきた。お前の障害物は母親だと喝破したフィルに復讐するなんて、母親からの自立物語なのかと思ったら、外れました。フィルの親や弟の関係が今ひとつ不明で、原作を読まないとわかりません。
Netflixだから、家でもう一度見よう!
大事な所で寝てしまった。寝たけど、退屈な映画ではなかった。多くを語るとネタバレになるので、話せないが、これが西部劇なんだよね。荒野の用心棒とは違うなって思う。どちらが良いと言うわけではないけど。
似てない
ジョージとフィルは本当の兄弟?
ローズとピーターは本当の親子?
似てないんだけど〜
ま、それはおいといて。(気になるけど)
カンバーバッチさん、シャーロックホームズのイメージが強くて、あんないや〜なやつだったんだ。(役だけど)
しかし、ジョージの鈍感さとか優柔不断さにイライラ。兄ちゃんに言われっぱなし。カリスマ性はないが、弟だから特別扱い?
あとは両親との関係もいまいちわからない。(理解力がない)
ジョージがもっとビシッとすればローズも救われたはず。
気になるのは、なんといってもピーター。
あの目!視線!目線?目だけでもいろんな表情。
母を守るためにやったこと。後悔はなさそう。
一気に観終わった。見応えあった。
カンバーバッチさん、ハリソン・フォードとかイーサン・ホークに見えて仕方がなかった(笑)
犬の力が終わる時
また新しい犬の力が支配する。
人は誰しも隠し事があり、闇がある。緊張の最も高まっているときに、この犬の力を解き放つと悲劇は起きる。
物語は静かな不協和音を奏でつつ進み。不穏な空気を維持し続けるこの重々しい映画は、それらに耐えに耐えて登場人物の隠し事を見つめ、紐解いて見るしかない。
肯定も否定もない。善も悪もない。見えない呪縛がそこにはあるだけ。
ベネディクト・カンバーバッチだから観たんだけど、あまり楽しい映画ではなく、やはりアメリカのこれらの嗜好に対する考え方は難しく。これだけ苦悩する倫理観は誰のためなんだろう。
なぜこれを旧約聖書の犬の力に喩えるのかも、日本人には難しい。。これ日本で言ったら何だろう。。。
強烈な臭いを放つ心理サスペンス
《障害物》= 男を強くするのは苦悩と忍耐 ---【男"らしさ"】(社会における固定観念)に囚われてベネディクト・カンバーバッチ × ジェーン・カンピオンが凄い!
最後ゾッとした…けど何より怖かったのはまだ始まって1時間くらいしか経っていないと思っていたらもう2時間経っていたこと!正直(一見シンプルながら)難しかった!まだうまく言い表せられないけど凄かった。拒むことなど到底できない力強さで迫ってくる。
時に背筋の凍るような、ただならぬ雰囲気が作品全体を包み込む。胃のキリキリするような、けど目の離せない不穏な空気を演出する。その荘厳さに畏怖の念すら覚えてしまいそう。その中心にいるのは頭が良くて、臭くて、異様な威厳に満ちては、周囲に一目置かれ恐れられる牧場主ベネディクト・カンバーバッチ。出てくると緊張感が走り、作品全体から始終''ただ者じゃない"感えぐい(ex.『ジェシー・ジェームズの暗殺』ブラピ)。と、今回こそベネディクト・カンバーバッチがオスカーに輝く(かもしれない)!英国が誇る演技派 & 人間としても尊敬できる彼だけど、本作でも徹底した役作りをし、キャリアトップレベルの演技を見せている。例えば…
・キルスティン・ダンストとは話し合い、撮影現場で互いに話さないようにしていた。
・バンジョーの練習にも力を注ぎ、作中では(予期せぬタイミングで?)見事な演奏を披露している。
・フィルのように常に体から悪臭を放つため風呂に入らなかった。
・フィルのようにフィルター無しの手巻き煙草をとにかく吸い続け、ニコチン中毒に撮影中3回もなっていた。
「母さんは僕が守る」抑圧。そんな強烈フィルの弟とフィルの嫌がらせに遭う未亡人には、『ファーゴ』シーズン2以来の共演となるジェシー・プレモンスとキルスティン・ダンスト演技派夫婦(実生活でもパートナー)。彼女はフィルの執拗な嫌がらせによりアルコール依存症になっていき…。それを見守る少年の眼差し。タイトルが指す"犬の力"とは何なのだろうか?それは野性的な何か。フィルもローズも"こうあるべきだ"という"らしさ"に囚われている。ジェーン・カンピオン監督が得意の、きれいな風景と(弱く脆く)醜い人間の内側を克明に映し出していく。プロットあらすじなど一見説明することの多くないシンプルさの中に、章立てられた本作のように、幾重にもなり複雑に絡み合った人間模様が混在している。ジョニー・グリーンウッド(レディオヘッド)による音楽スコアは今回もまた素晴らしかった。戦慄。
P.S. ずっと楽しみにしていた本作だったけど、これは確かに映画館でも見たいと普段以上に感じた
いいことだな、ひとりじゃないって
いい旅でした
炭疽症
ロープ
吠えてる犬 You just saw that?!
皮 I needed them. They were mine!
剣と犬の力から私を解き放て
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