「男らしい振る舞い」パワー・オブ・ザ・ドッグ せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
男らしい振る舞い
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弟と2人で暮らしていた牧場主フィルが、弟の結婚を快く思わず奥さんと連れ子の息子をいびる話。
カウボーイで頭も良く音楽も嗜み、語学もでき牧場で周囲をまとめる力もあるフィルは、行動がいかにも"漢(おとこ)"という感じ。弱い男を馬鹿にし、女を見下す。でもこの感じが逆に、そういう男になろうと努力してマッチョな振る舞いをしてるように見える。
でもそうやって弟を馬鹿にする言葉が全部フィル自身にも当てはまるところがちょっと可愛い(笑)「女々しいな」って言った後に弟と同じベットで横になったり、弟に「金目当てで騙されてるだけ、自分の顔をよく見ろ」という言葉も結局ね。
さらに、奥さんイジメも明らかにやってることが姑の嫁いびりだし、そのいじめ方もネチネチしてる女っぽいイジメ方。この姑息な感じがね、フィンを嫌いになりきれない所でもある。
そもそも奥さんが病んでしまったの、半分はフィンのせいで半分は弟のせいだからな。自分は良き旦那って顔して平然としてるの腹立つ〜〜まぁ次の標的は弟っぽかったからいっか(笑)
思えば最初から「お母さんは自分が守る」と言っていたので結末は至極同然だけど、こんなほっそりして弱そうな息子にも男性性は最初から健全。たぶんフィンより男らしい。君がお母さんを守らなきゃと思ったと同時にお母さんも君を守らなきゃって思ってたと思うよ。
てか周りこんな男しかいないって地獄かよ?開拓時代地獄だな??
便宜上男らしいとか女っぽいとか使ったけど、こういう言葉がこの映画に出てくる人達を生み出すんだよ(笑)
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