「怖い」ある男 赤福餅さんの映画レビュー(感想・評価)
怖い
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ストーリーの骨子は哲学的なもので、人は「遺伝的に自己を形成するのか」もしくは「環境の中で自己を形成するのか」を比べ合うようなものでした。結局の所「どちらかを分ける事なんて出来やしない」と答えが出ているのにそれを下敷きにダラダラとしていました。ブレードランナーやフランケンシュタイン、攻殻機動隊の焼き直しにもなっていませんでした。
戸籍の改ざんについて、少年以外には誰も迷惑していないし(名字を変えるのが面倒)皆それ相応に現状に満足してうけいれていました。
そもそも戸籍の改ざんに問題があるとするならば、すでに国家権力動いているはずです。
まあ、それだと映画にならないのでしかたがないと思います。
映画としては、しっかりとまとまっていて、あまり退屈はしませんでした。音楽が少なかったので、役者さんの力量頼るところが多分にありました。特に主軸の3方は素晴らしかったです。ただ、脇役の方々も良い役者さんばかりなので、高い次元で演技レベルが集まりすぎていて全体が薄まっていたように感じました。
あと、妻夫木さんのシーンはオレンジ系の明るい色味で、一方の窪田さんの方は淡いブルーの色調撮られていた思えたのは気のせいでしょうか。
この映画ように簡単に戸籍を換える事ができたなら保険金殺人とか、偽装結婚等が頻発し(替え玉受験とかあるし)、社会混乱が起きると思うと怖くなりました平和な世の中でいてほしいですね。
あと泣けませんでした。
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