「正義とは…」バック・ノール ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
正義とは…
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実話を元にしたフィクションとのことだがどこまでが実話なんだろう。冒頭、収監されるところから始まるので、行く先はなぜ刑事がどのようにして転落していくのだろうと思うのだが。前半は3人の刑事とスラム団地に住む麻薬組織との戦いを描く。警察が迂闊に手出しできないという無法地帯が恐ろしい。一般住民さえも恐怖感からか組織の味方。組織の団地内でのアジトを知る条件として、情報提供者に麻薬を渡すため、出処がわからぬよう、警察が他の地区から他の組織から麻薬を奪うという方法が凄い。まさに毒をもって毒を制す。その甲斐あって、命の危険もあったが組織壊滅に繋げる。しかし、ここから事態は一変、捜査方法が違法行為と見做され、3人はそれぞれ独房に収監されてしまう。捜査を指揮していたボスからも仲間からも見放され、徐々に衰退しきっていく。刑事にとって刑務所は尚の事、地獄だろう。結局、刑事にとって絶対に他者に知らせてはならない情報提供者を吐くことで、3人は釈放され、それぞれ別の人生を歩んでいることがテロップで流れ、ストーリーは終わる。やるせない。毒をもって毒を制しなければならないほど、制しなければならない毒があるのに。3人の刑事それぞれのキャラクターが魅力的で、ストーリーも前半後半で全く異なった様相を見せるので単なる刑事物と違い見応えあった。しかし、こんなんじゃ、誰も刑事をまともにましてや命懸けでなんかやらないと思う作品だった。
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