ほんとうのピノッキオのレビュー・感想・評価
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本家のピノキオ
私にとってのピノキオはディズニーのアニメ(1940)が原点、元はてっきり童話と思っていましたが原作はイタリアのカルロ・コッローディによる児童文学だったのですね、邦題に”ほんとう”とついていますがピノキオが生まれた国イタリアの映画だからと言うことでしょう。
ファンタジーさが損なわれてしまいがちなのになぜわざわざ実写版を撮ったのか不思議に思っていたらディズニーもトムハンクスさんでリメイク(2022)しているし、タイトルにピノキオのつく映画は10本近くつくられていたのを知ってその人気の普遍さにあらためて驚きました。
ストーリーはまあまあ、てっきり悪役と思い込んでいた人形劇団のボスが自己犠牲を唱えるピノキオに感激して金貨を渡して家に帰してくれてのには驚きでした、また、飲み込まれたのはクジラと思っていたら原作はサメだったのですね、よく助かったものです。
ピノキオといえばディズニーアニメの「星に願いを」の名曲が輝いていましたから、ファンタジーさやドリーミーさでは劣る気がしました、特に貧乏が辛いという生活感が強かったですね、甘い話には裏があるとか、嘘をつくとお鼻が伸びるわよといった子供への戒めはしっかり伝わるでしょうから家族で観るにはお勧めかもしれません。
映像美に魅了されっぱなし
記憶にあるピノッキオの話とはまた異なり…
ジェペット爺さんはコツコツとはたらく素朴でまじめな職人のイメージであたまの中で何十年もすごしてきた。
しかし本作ではなんとなくだらしなく、無頓着な面がありどちらかといえばちょっと面倒くさがりで善人すぎない印象。
ピノッキオにちょっかいを出すネコたちは原作より、さらに怖くてずる賢くコミカルでふしぎな不気味さ。
でもたまに見る人間味がでているようなかんじ。
そういったキャラクターの設定が童話より現実味を醸し出すからなのか、なんだか。。。
隙間からのぞいて見てしまったようなリアル感だった。
ストーリーは好みがありそうで
これに塗り替えたくない人もいるだろう。
でも、映像は衣装も景色も建物も
すべての色あいが細かく計算されているような
すばらしい美しさで見応えすばらしい。
小道具のひとつひとつまでスキなく選ばれて
淀みなくみせつけてくる。
予算に限度なし?
美術班のスタッフさん、至高の楽しさだっただろうな。
おとぎ話ながら地球のどこかに、ここ、実在するんじゃない??
って感じにわくわく止まらず
多分目が倍くらいに見開いてしまってたかも。。。
洋画に魅力を感じる理由のひとつに
このあたりが関係する。
潔い徹底感というのか
鑑賞者をはまらせる技の
あの手この手が本当にかっこいい。
同じ人間に
こんなにもセンスと技術をもった方々がいるのかと
つくづく自分のなにもできなさ加減を思うに至る。
至るけれど…
まだまだこの年季入りの大事なアンテナが
onなことを密かに嬉しく誇りたくなるのだ。
今、ここにいるだけでは
みられない世界をそこにみせてくれる映画。
飛行機にのってもいけない場所までも
連れていってくれて
こころからありがとうと
鑑賞料金喜んで払う大人です。
良い映画
この監督の『五日物語 3つの王国と3人の女』が好きで、この作品タイトルにある"ほんとうの"という言葉が気になり、観てきました…。
上映時間も21時過ぎだし、大人向けなストーリーなんだろうと…ちょっとグロいものを期待して…笑
まず、自分の子どもの頃の記憶にある『ピノキオ』はディズニー版の物語である。確か、家にも絵本があった。印象に残っている場面は、ラストのクジラに飲み込まれてしまうところだ。そこで、ゼペット爺さんと再会して、ピノキオは人間になる…正直、細かいストーリーは忘れた(笑)…けれど、今回この作品を観て、「あぁ、そうだった」と色々と思い出した…そして、有り難くないことに、トラウマ級に怖いなと思っていた場面まで思い出してしまった(笑)
それは…
ピノキオがロバにされてしまう場面。
子ども心に、とても恐ろしく感じたのを覚えている。当時はよく分からずに、悪い事をすると取り返しのつかない事態(魔法をかけられる等)が我が身にも降りかかるのかも知れないと、本気で不安になったのだと思う。
そして、今回も見て思ったけども、その変態シーンはやはりグロい(笑)
と、そんな場面が印象に残った作品でした(笑)
映画タイトル(邦題)にある『ほんとうの…』の部分だけれども、自分の記憶と大して違いがないストーリーだったと思う…。そういう意味では、何かプラスαなものを期待してたけど、そこはちょっと期待外れだったかな(笑)
*ジェペット爺さん役のロベルト・ベニーニは、相変わらずおもろいでんなぁ…笑
監督は『五日物語 3つの王国と3人の女』『ドッグマン』のマッテオ・...
監督は『五日物語 3つの王国と3人の女』『ドッグマン』のマッテオ・ガローネ。
イタリアの田舎町。
木工職人のジェペット爺さん(ロベルト・ベニーニ)は日々の食べ物にも困るぐらいの貧しい毎日。
食堂でいろいろな家具に難癖をつけて食事を恵んでもらうような有様。
そんなある日、町に移動人形芝居がやってきた。
どんな人形を使っているのかと覗いたところ、「儂の方が素晴らしい人形を作れる。作って世界中を旅して金を稼ごう」と。
親方のところからもらい受けた丸太から人形を彫り出すと、丸太自体に生命が宿っていたようで、人形は突然しゃべりだし、動き始めた。
ジェペットは人形をピノッキオと名付け、我が子ができたと喜ぶのだが・・・
というところからはじまる物語は、原作に忠実に映画化されています。
ただし、映画化の手法には、伝統的なイタリア喜劇コンメディア・デッラルテの手法が用いられており、その演劇的手法が好きか嫌いかで評価はわかれるでしょう。
演劇的なので、登場人物のうちピノッキオをはじめ、人間でないキャラクターも人間がメイクアップをして演じており、そこが何というか・・・大人の学芸会みたいで、ちょっと肌に合わなかったです。
猫とか狐とかはいいのですが、ピノッキオや人形芝居の人形などは、やはり動きが人間的すぎて・・・どことなく受け付けない。
人面魚マグロも、ちょっとね。
生理的に受け付けないというよりも、端(ハナ)からピノッキオが人間のように見えてしまうのは、映画としては大きな瑕瑾ではないかと思うのですが。
マーティン・ランドーがゼペット爺さんを演じた1996年製作の『ピノキオ』がいちばん違和感がないかなぁ。
ピノキオがどういったストーリーなのか今まで知らずに生きてきたので、...
ピノキオがどういったストーリーなのか今まで知らずに生きてきたので、児童向け作品という事だとしたらかなりショッキングな描写もあってなかなかどうして。
特にピノキオの首吊りシーンはかなり印象的で、後で軽く調べたら本来はあそこで物語は終了するものだったとのこと。なるほどねぇ
痛烈な風刺が印象的な裁判所のシーンはピノキオの成長として描かれていたものの、かなり唐突だった分、監督のどうしても譲れない部分なんだろうかという考えが湧いてきてしまう感じでもったいなかったかもしれない。
鑑賞中も思ってたことだけど、軽く原作を調べてやっぱり感じたことは概ね原作に忠実だけど、監督の解釈も多く入ってるんだろうなという事。
最後ピノキオは人間になったけど、自分には人間に戻してもらえたように見えた。
あと、ビジュアルが半端じゃなく良い。この映像美に対してだけでも金払う価値がある。
キモチワルイ
粗筋程度だけれど、よく知ってるお話だ。
絵本とかで、よく読んだ。
そして、絵本以外にしちゃダメだと思った。
なんだアレ?
児童文学とかのジャンルがあるなら、代表的な作品だとは思うのだけど、外見をリアルに寄せただけで、途端に悍ましい物語になる。
いや、元々が悍ましい物語だったのだろうか?
それを誰かがデフォルメした、が正解なのかな。
とにかく、自分の子供に絵本は見せても、この作品だけは見せまいと思った。
不条理劇も甚だしいし、人間に希望も持てるような話でもない。なにせ、登場するキャラ達が軒並み気持ち悪い。それは外見だけではなく内面も、だ。
…脳内の大海原には何が蠢いていたのであろうか?
おとぎ話にリアリズムを。
元々、両極端な両者なのだから、こんな悪ふざけはこれっきりにしていただきたい。
ほぼほぼノンジャンルだよ。
元々は活字だったのだと思う。長編なのか短編なのかは知らんが、原作は「活字」の状態だ。
その活字を連ねるにあたり、作者自身が描いたイメージ。作者の脳内で展開されているであろう映画的な空想…つまりは、他を介さないダイレクトな作者の中身だ。
原作に忠実なのは元より、原作者に忠実だったような作品に思う。
これでいいの?
社会人になった今この話を観ると、子どもに働かせる無職の親って残念だなと右斜め上の感想を抱いてしまった
おとぎ話らしいビジュアルは綺麗、特にピノキオが人間になる場面は絵画的で感動する
だが、それ以上に何か得られたかと言えば…微妙
子どもであれば多分素直にストーリーに入っていけると思う
私は大人なので考え過ぎてしまいまして…果たして人間になってしまって、この先良い人生が歩めるんだろうか
貧しく平凡な人生のルートにこの子も乗っかっていくのかなと思うと、正直このオチで良かったのかなと思ってしまいます
圧巻でした
公開前からずっと気になってた本作品を先日観てきました。予告から漂うダークファンタジー感に気圧されつつ、きたいしつつ。
総合的な感想は『何も包み隠さず語ったピノキオ』ていう感じでした。まさにほんとうのピノッキオ。
ディズニーのピノキオは見たことありますが、嘘つくと鼻が伸びるとか鯨に飲み込まれるとかそういう要点を覚えてただけでほぼ忘れてるので初見状態。
初っ端からジェペットの元を離れていくピノッキオ。『人に従いたくない』という彼に一体何があったのかはわかりませんが、生まれて間も無くなかなかのヤンチャボーイだなと思いました。
その後、ジェペットが嘘をついてまでして手に入れた教科書を、人形劇を見るために同じ店に教科書を売るピノッキオにはぞわっとさせられましたね。それと同時に今後の成長への期待も膨らみました。
作中で一番衝撃的だったのはやはり子供達がロバに変わっていくシーン。"おもちゃの国"で思いっきり自由に遊んで楽しむ子供達、しかし翌日にはそこが"ロバの市場"になるなんて。思わず息を呑んで口を手で覆ってしまいました。
そしてサーカス団に引き取られたピノッキオは火の輪を潜るショーをさせられて足を負傷したせいで海に沈められる。予告でも見た水中に沈むロバの周りを漂う魚の群れのシーンは美しくも残虐でまさにダークファンタジーの権化のようなシーンでした。
そして色々あってクジラに飲み込まれるピノッキオ。と、思いきや飲み込んだのはサメ。ここも子供向けとして作られたクジラのストーリーではなく、サメを出してきたのは"ほんとうの"ストーリーだったからなのかなと考えました。
漸くジェペットと会えたピノッキオ。その見た目では計り得ないほど奇想天外な冒険をし、経験をし、成長してきた。
人に嘘をつき、信じてくれた人を裏切り、信じた人に裏切られ。一概には言えませんが人間の子供も同様にこういった経験をしていると思います。だからこそただピノッキオが優しい性格になる物語ではなく、人の汚い部分を知り得た上で成長したからこそ"人間"になれて、ジェペットへの本当の"優しさ"を得られたのではないかと解釈をします。
あまりこういった感想は書き慣れないので読みにくい部分はあったかとは思いますが、とても素晴らしい作品でした。
ただ一つ最後に言うのなら、イタリア語の巻舌すごい。
大人になりきれていないあなたへ
ピノッキオはもともと木の精の子どもなんですかね。それが材木として切り出されて人間界へ行ったので、妖精やカタツムリの精が助けてくれたり応援してくれたりするのかな、と思いました(原作を読めばわかりますね)。
それにしても私もピノッキオみたいな子どもでしたから、身につまされます。ロバになると知っていても、おもちゃの国は楽しそう!に見えました。なぜか男の子ばかりで女の子がいなかったけど。
ロバになっても、やり直せるところがいいですね。
最後にキツネとネコがまた出てくるんだけど、容赦なくて、教訓的な話ですけど、この映画には魅了されました。
ただし小さい子どもにはこの映像は怖いでしょう。
映像美が素晴らしい
かなり原作に忠実に作っていると思った。
邦題の「ほんとうの」はいらないのでは。ピノッキオのストーリーそのものでべつにひねりはない。まあ、ディズニー版の改変したものではなく、「正統派の」といいたいのかな。
あおりの「ダークファンタジー」にも違和感。どのへんがダークなのだろう? 強いて言えば、人外のキャラの造形がグロテスクなのと、ピノッキオの時代の暗くて極貧の庶民の生活が描かれているところだろうか。
とにかく映像がすばらしい。こだわりにこだわっているように思う。キャラがグロいと言ったが、好みのグロさ。
もともと子供向けに書かれた童話だと思うが、この映画が子供に受けるかは疑問。ストーリー展開がたんたんとしすぎているし、キャラがグロくて受け付けないだろう。
でも内容は子供に見せたい内容だったりするので、対象年齢がややはっきりしない。大人が子供に、いい映画だから見なさい、といって見させる感じかな。
善い行いをすれば報われ、悪い行いをすれば罰を受ける、というシンプルだけど力強いストーリー。子供は耳タコで言われている道徳かもしれないが、あらためてこういうふうに分かりやすい教訓話として言われると、胸に響くものがある。
もちろんそれだけではなくて、子供の人身売買を思わせるところや、体罰を与える教師、貧しい家庭が教育を受けられない環境にあることなど、子供をとりまく社会問題を提起している側面もある。
脚本は序盤はすごく丁寧に作っているように思ったが、後半になるにつれて荒さがあるように思った。
ジェペットをとりまく人間関係のディティールの描き方がとても丁寧。人付き合いが苦手でプライドが高くて空気が読めない困りもののじいさんをみんなが困りながらも温かく助けている感じがとても良かった。
この映画の一つの特徴として、人物たちを多面的に描いているところだと思う。
ジェペットは単なる気の優しいおじいさんというわけではなく、おろかで困ったところもある。質屋、人形劇の団長、教師といった人物たちも、良い面と悪い面がある。
そしてこれらの多面性の軸となっているのは、お金と生活についての非情なまでのシビアさである。誰もが生活のためにお金を得ることについてはリアリストであり、そのためであれば厳しい顔をする。
ピノッキオは、単に道徳的な意味で成長していくのではない。実はこの映画においてはピノッキオははじめから善良なのであるが、お金や生活(社会)に対して無知であるために、容易にだまされてしまったり、勉強の価値がわからなかったり、お金のために人が悪人になることを理解できなかったりする。
そして、「お金の大切さ」「お金をかせぐためには地道に真面目にがんばる他はない」ということを経験を通して理解する。
悪役の代表として登場するきつねとねこはこの映画における最重要キャラだと思う。日本では彼らが視覚障害者と身体障害者であることが差別を助長するのではないかということで問題になったことがある。
おそらくこの映画を作る上でも、彼らをどう描くかはかなり議論されたはずだ。しかし最終的に原作通りになった。それは、あえて原作どおりにすることで、貧困について考える契機にする、というねらいがあったのでは、と思う。
きつねとねこはふだんは残飯をわけてもらったり、川で魚をとったりして食いつないでいる。そして人をだますことに躊躇がない。しかしそうなる理由をよく考えれば、彼らが障害者であり、それ以外に生活する手段が無いからだ。
この映画では動物のキャラはみな特殊メイクをしているのに、例外的にきつねとねこだけはほとんど人間の姿をしている。これは、きつねとねこはファンタジーのキャラではなく、人間なのだ、というメッセージだと思う。
この映画はすごく良い映画だと思うが、人にすすめられるか、と言われれば微妙だ。映画を見慣れていない人が観れば、退屈だった、とか、意味が分からなかった、と言われてしまうだろう。
ストーリーは唐突だったり意味が分からないところが多い。ピノッキオの成長が一番重要な主題だと思うが、成長の過程が分かりにくい。ピノッキオの悪行は、忠告に腹を立てて暴力をふるう、目の前の誘惑に負けて大切な教科書を売ってしまう、楽してかせげる儲け話にだまされてしまう、保身のためにウソをつく、遊びのために勉強から逃げ出す、といったところだが、これらひとつひとつをどう克服していったのか、分かりやすくは示されていない。
コオロギに謝罪するとか(そういえば原作ではコオロギを殺してしまうのだと思ったが、なぜ変えたんだろう?)、教科書を買い直すとかいう描写をちょっと入れるだけでずいぶん印象が変わると思う。
妖精がいきなり大人になっていたり、ジェペットを探していたはずなのにのんびり学校に通いはじめたり、思いつきのように人間の子供になりたいと言い出したり、原作どおりなのかもしれないが、脚本でもっと不自然さを補完できたのではないか。
世界観についても一貫性がない。ピノッキオは人形なのに話すことが驚かれる一方、なぜかあやつり人形たちも話すことができる意思をもつ存在である。
コオロギ、カタツムリ、マグロなどは「話すことができる」獣人のような存在だが、一方、ロバ、ウマ、サメ、羊は話すことができない本物の動物である。
脚本で補完するなら、獣人たちは妖精に関わる者たちだけで、ピノッキオにしか見えない、みたいな設定にすれば、混乱がなかったかも。
素直な狂気をはらむ
ポスターが公開された当初、なんだこのピノキオは!?と驚き釘付けにされました。ピノキオの物語は子供の頃の見た記憶はあるのですが、完全にボヤーっとした記憶しかないです。嘘をついたら鼻が伸びるとかの基本設定くらいしか覚えてないです。休日は中々に混んでいたので、平日に鑑賞。
今作、とにかく造形や撮影が素晴らしいです。ピノッキオの人形ぽい特殊メイク、色彩豊かな背景、自然描写と、アカデミー賞の美術の賞にノミネートされるのも納得な一本でした。特に強烈だったのはカタツムリのデザインです。気持ち悪さもありつつ、何か包み込むような優しさ、だけどカタツムリ特有の粘膜があり、歯痒いバランスが見事だと思います。
ただ、ストーリーはやや冗長にも感じました。丁寧に描いているのは分かるのですが、どうも長く感じてしまいました。ピノッキオが色々なところへ出向いては世話になったり、見放されたりの繰り返しなので、少しもどかしくなりました。これはアニメ版では感じなかった感覚です。でも、その丁寧さが良い方向に働いているところもあり、ピノッキオの傲慢さ、子供ならではの残虐性を強調しているようにも思えました。リアルなデザインだからこそ成せる技だなと思い、関心しました。
役者陣の演技も好演で、特にキツネを演じたマッシモ・チョッケリニの目をかっ開いた圧のある演技、とても不快であり、最高な演技でした。ピノッキオの意地の悪さも最高です。
終盤にまさかの巨大ザメが出てきてくれて、少ない出番で全身すら登場しませんが、サメ好きとしてはこのサメの正体が知りたいなと思ったくらい好きなデザインです。アサイラムさん…チラチラ。喋る哀れなマグロも中々に好きです。
最後は原作通り、ピノッキオが人形から人間へと変わるところで物語は終わります。バッドエンドを経てからのハッピーエンドでした。
想像を超えてくるものはありませんでしたが、圧倒的なデザイン性、役者陣の好演、背景の美しさと、優等生的映画でした。アニメ版も見返してみようかなと思いました。
鑑賞日 11/8
鑑賞時間 14:50〜17:05
座席 I-16
童話は時代を越える
童話の中のメッセージは時代を超えて我々観客の心を動かすのだなと強く思った。
劇中でも金貨を埋めてお金をいっぱいもらおうとするピノキオ(無論詐欺師に騙されてるのだが)に対しコオロギが言う
「すぐにお金を稼げるというような甘い話には耳を貸すな」
という忠告は現代の大人達にも言えるのではないだろうか。
「〇〇をするだけで収入アップ」や「貴方も明日からお金持ち」というようなキャッチコピーがつけられた自己啓発本が飛ぶように売れ、その手の詐欺が絶えない現代社会にこの童話が実写化された意味はあったと思う。
そういうところがなくても子供の良いところ、悪い所をどちらも余すところなく描いた原作の凄さには驚嘆する。
最初ピノっキオは様々な悪者に騙されたり、お父さんが買ってくれた大事な教科書を売って娯楽を求めたりするが、人形使いから解放されたのは紛れもなくピノッキオの純粋さに人形買いが心を打たれたからである。
こういうところで子供にしかないものを描いていて素晴らしいなと思った。
終盤おもちゃの国へ行く馬車にピノッキオが乗ろうとしてしまうところでは思わず首をブンブンと振りながら「行くな!ピノッキオ!!」と心の中で叫んでいた。
それくらい物語に没入させたのは作品の美術や役者の演技などの要員が大きい。
特にピノッキオの人形感を不気味になりすぎずに表現したCG?特殊メイク?には舌を巻いた。
ピノッキオを演じた役者さん自身も子供らしく伸び伸びと演じていてそれがピノッキオの未熟さ等々に自然につながっていたように思う。
またピノッキオのお父さん役の方も素晴らしかった。
お父さんの子供を思う愛が素晴らしかった。
さらに、ピノッキオが強盗(に扮した狐と猫)に追いかけられているところなんかはまるでアトラクションのよう。
また、この作品では必ず何かものをもらう時に対価を要求される。
それが金の時もあり、物の時もあり、労働の時もある。
ピノッキオが苦労せず手に入れたもの(お父さんからもらった教科書や人形買いから貰った5枚の金貨)はすぐに無に帰してしまうが、ピノッキオが最後羊農家で苦労して手に入れたものはお父さんの身体を治したり、自分たちの幸せに還元される。
自分自身が苦労して手に入れたものは自分の財産となりそれが幸せを呼び込むというメッセージが表されていてよかった。
今更そんなメッセージに感動してるのかと思うかもしれないが、実際今の時代には楽して楽して稼ごうとする人がいっぱいいることを考えるとあながち馬鹿にもできないのではないのだろうか。
ほんとうの って要るのかなぁ
現在の特殊メイク技術を駆使して、原作に忠実に作られた作品だそうです。
世代を超えて読み継がれてきた物語は、新たな解釈や小細工などしなくても、充分大人の鑑賞に耐えられる。
日本の昔話なんかも変なことしないで、この作品みたいにお金かけて真面目に作ったら、結構海外でも受け入れられる作品ができるんじゃないかな。
風景も音楽も美しい、但しストーリーに感動することはない(みんな知ってるから)。でもこういうの大好き。
ピノキオかわいい。
邦題に、ほんとうのってついてるけど、ディズニーのとそんなに違ってましたっけ?
ダークファンタジーて銘打ってますけど、売り方間違ってませんか? 若い女性の観客が多かったですが、吹き替え版にして夏休みの親子向け作品として公開すべき作品だと思いました。(いい意味で)
鮫のお腹の中で再会するのが、ディズニー版でも思ったけど、唐突過ぎる。マグロがナスDに似てた。
子供の頃、外国のテレビ番組で、木に顔があって喋ったり、動いたり、魔女か出てきたりすのがあって(あれ何てドラマだったんだろう)すごく怖かったけど、 C Gが当たり前の中で育っている今の子供たちも、この作品に出てくるコオロギやカタツムリ、怖いだろうか。
怖いだろうな。
怖いのって見たくなるよね。
カットが変わっていきなり展開が変わること多々
なんとなく知ってるが本当のピノッキオを原作は、分かってません。ですのでどこまで原作に忠実なのか、分かりません。
その上でのレヴューです。
オープニングでピノッキオが誕生するあたりまでは、ワクワクしたのですが、それ以降は全体的になんか興醒めです。
いくらファンタジーといっても終始奇々怪界なストーリーには正直乗り切れませんでした。
ギレルモデルトロ監督の傑作「バンスラビリンス」のようなものを期待したんですけどね。
アメリカ映画とは違うせいなのか、カットが変わっていきなり展開が進んでて違和感なくそれを受けいれる状況にはオヤッと思うことしきりでした。
ただ鼻が伸びるシーン。突然ロバになる少年たち。いきなりの裁判で悪いことしたら有罪。手品でカタツムリのツノが伸び縮み。サメに呑みこまれるがそこでの父親との再会。それらはおかしいし。あと、しつこく登場するキツネとネコ、気持ち悪い先生。再会したら大人になってる妖精。どうみてもマツコデラックスにしか見えないカタツムリ。そして人面魚。
などなど印象的なキャラが登場するんですが、どーも、なんです。
唯一幼い妖精は、良かった気がしますが。
ピノッキオ自体は気持ち悪いという意見もあるようですが、私はこれは見事で良かったと思いますけどね。
思ってたよりかは…
原作のピノッキオをまんま映画にした感じでした。
あまりダーク感がなく、少し「ん?」どういうこと?なぜ急にこうなった?って思うシーンがいくつかありました。
公開されてる映画館が少ないため家から遠くの映画館に行きましたが、そこまでする価値はないかも
魚まで人が演じていてなんとも
カタツムリも人が演じているのは画像を見ていましたが、
キツネとネコは単なるそこらへんにいるお間抜け悪党おじさん達にしか見えず(汗)
コオロギは不気味過ぎて正論が正論に聞こえず、
まさかのマグロまで顔のみ人が特殊メイクしていたのにはどん引きしてしまいました。。特殊メイク担当さんごめんなさい。
妖精は羽根も見えず、ただの人間の金持ちのお嬢さんが気まぐれに迷子の男の子を助けてあげていた風にしか見えず。御者の人も特殊メイクしてたけど何の動物だったのだろうか。でも馬車の馬はそのまま馬って。。。昆虫も魚も哺乳類も人が特殊メイクするなら、妖精の馬車の馬、子ども達をさらう悪徳ロバ商人の馬車の馬とかだけそのままって逆に違和感で。あ、ヒツジかヤギ?は家畜はそのままだからいいのかな。。
本編のストーリー以前にピノキオ以外の特殊メイクキャラクター達が違和感と、気になりすぎてあんまり感情移入とか感動とかは出来なかったのが残念でした。
特殊メイクアーティストさん達の発表披露会みたいで(汗)
一応、ピノキオは当初の芝居小屋勝手に見にいったり簡単に悪徳キツネとネコに騙される少年から、
お父さんのために日雇いでもちゃんと働いてミルクとかもらって勉強もする、まともな人間の子どもになれて良かったです。
サメのお腹で長く居ても全く消化されていなかったお父さんとマグロは、まぁファンタジーだからこの違和感も目を瞑ります(笑)
ピノキオ始めとした特殊メイクを堪能するには良いかな?と思いました。
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