「子どもに感情移入させて冒険を経験させて啓蒙するお話」ほんとうのピノッキオ talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
子どもに感情移入させて冒険を経験させて啓蒙するお話
貧しい村、貧しい人達。その中でも一番貧しいのがジュベット。飢えない程度にみんなが助けてる。変わり者だけど排除されないで生活してる。
ディズニーのピノキオは見てない。見たとしても記憶にないので比較できないのが残念。
この映画のピノキオは、こらー!大人の言うこと聞きなさい!バーボの気持ちわかりなさーい!と叱りたくなるほどのわんぱく坊主で色んな誘惑に自分の意志で飛び込んでしまう。でもなぜか皆に好かれる子。別れるときはハグしてキスをしてみんなに愛される。生まれて初めてキスされたよーとサメのお腹の中で出会ったTonno(マグロ)のおじさんは感激して泣いちゃう。いろんな人(動物)と出会って色んな経験をしてピノキオは学んでいく。目がどんどん生き生きしてくる。
ピノキオは、晩はお家で勉強し昼間はバーボの健康を取り戻すために働いて、日本でいうところの親孝行をする。そして妖精様にも認められて人間の男の子になれました!
勝手に動く気味の悪い丸太だった、その丸太にジュベットが出会った。それがそもそもの始まり。風景が美しかった。トスカーナ?でもエンドロールでプーリアともあった。確かにプーリアか。美しい。音楽がとても良くて耳から離れない。同じフレーズが頭の中で何度も再生されている~🎶
ゆっくりカタツムリにしても、ネコ、キツネにしても、イタリア語の言い回しが動物の特徴に反映されていて、普通名詞がそのまんま動物の名前になっているので、子どもにとってすごくわかりやすい。何気なく教育しちゃうんだな、イタリア❗️
妖精が最初は子どもで成長して大人になるなんて!昔見たイタリア映画のピノキオでは妖精は初めから美しい大人だったのでそういうところも面白かった。サーカスでロバになったピノキオを見て妖精が流す涙が美しかった。
この映画で「悲しい」と思ったのは正しい貧しさに対する感情。
今の日本は貧しいのに加えて、愛し愛されるとか別れるときは心のこもった挨拶をするとか色んな人が居るのが当たり前という、生きる上で大切なことすらできていなくて荒んでいる。だから「悲しい」という感情すら湧き上がってこない。
この映画では貧困と豊さが共存していた。
『白雪姫』も『シンデレラ』も『リトル・マーメイド』も『美女と野獣』も『アラジン』も、『アナ雪』や『ピノッキオ』も今ではディズニーのオリジナルアニメと思ってる人が多いようですね。
ディズニー・アニメの影響力の凄さは感じますが、実は原作(しかもどれもダークな話)がある事を知って欲しいですね。
それにしてもびっくりです。去年から今年にかけて、ピノッキオ映画が3本も! 本当にブームなんでしょうか…?
ディズニー実写も見たいですが、やはりデル・トロ版が気になります。
私もピノッキオが見る見るうちにロバになっていく姿は驚きました。ロバの目から涙が流れた時は悲しい涙が印象的でした。私もあまり詳しく知らないのですが。
海に落とされた後ピノッキオに戻れたのは何故でしょう。
別作品に頂いたコメの件ですが…勝手なイメージですが、talismanさんはファンタジー系も好きそうですし、エターナルズがイケるならありかと思います。
なるほど‼️
なんだか原作に興味が湧いてきました。
確かに親からすれば、こどもに道徳を説くよりも、ビビらせたほうが楽だし、手っ取り早い😁
これも一種の経験的な知恵ですね。
ありがとうございます。
昔は、寅さんの世界みたいに、ご近所の◯◯さんが、誰それの働き口を世話してくれた、なんて形の〝共助〟が社会に存在してました。そういう支えの後の自立が自助だと思います。今はこの共助に当たる部分の制度的なものや、その気持ちを遠慮なく発揮できる人間を育てる教育などが政治に求められているのに、効率化の名の下に真っ先に削られていくのが、この部分のような気がします。
『護られなかった者たちへ』の視点も同じようなことだと思いました。