ムスタングのレビュー・感想・評価
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囚人カウボーイ
アメリカはネバダ州の刑務所を舞台にプログラムの一環として受刑者が野生馬を調教して競売にかける迄を服役する獰猛で寡黙に見える男を主人公として描く、何処となく『ノマドランド』でオスカーを獲ったクロエ・ジャオの『ザ・ライダー』を想起させられる。
本作の監督がフランス人の女優さんで製作国もフランスとベルギーなのが興味深くて、主人公を演じるマティアス・スーナールツは『闇を生きる男』やジャック・オーディアール監督作『君と歩く世界』で演じたような暴力の匂いがする危なっかしい雰囲気を醸し出しながら静かで優しさも感じる男をハマり役で好演。
日本では考えられない、広大なアメリカだからこそ野生馬が存在して増えている問題と、捕獲して荒馬を調教しながら競売にかける理に適った刑務所のプログラム、イーストウッドは『クライ・マッチョ』で余裕の調教をコミカルな演出で、ブルース・ダーンとロバート・レッドフォードの名があるだけで説得力が抜群!!
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良心的な佳作です。予想通り、
ロバート・レッドフォードがらみ、というか製作総指揮に関わってるようです。
妻に暴力をふるい多分植物状態にしてしまった主人公の囚人、その娘、馬の調教にあたる塀の中のメンバーたち。
そんな人間関係と、野生馬たちの調教を通じて、塀の中の日々が静かに語られる。
撮影がなかなかに秀逸で、大地と馬たちをごく自然にかつ、美しく撮っている。
かんどーする!というレベルではないが、あえて抑えたタッチで語られる展開が心地よい。
アンガーコントロールできない主人公の囚人をみると、肉食の欧米人と和食の日本人との違いを感じてしまう。
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