歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡のレビュー・感想・評価
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Werner Herzog Reflects Himself Through One He Admires
Werner is now the grandfather of filmmaking. Perhaps he is the most important filmmaker alive. Nomad has Herzog utter many of the wise sayings we have heard him say in other films and interviews. An essay about Herzog himself, one he prefers to reflect through his contemporary travel journalist Bruce. We jump from the Americas to Australias as Herzog captures the meanings of truth and death.
世界は、徒歩で旅する人に、その姿を見せる。
特に期待しては無かったのだが、岩波ホールの最終日、あの空間にはどうしても最後もう一度は行かずには居られず、猛暑の中くぐり抜け、観てきた次第。思いのほか良かった。
定住に背を向けたチャトウィン。
「世界は、徒歩で旅する人に、その姿を見せる」
このヘルツォークのアフォリズムが、ご本人お気に入りだったらしい。まさに実感。
放浪の生活をやめた人類は、定住を始めるようになり、都市を作るようになり、効率化と便利さを求め、挙げ句の果て、テクノロジーに支配されるようになる。
この歪さに本能的な違和感を感じている人にとっては、お薦めの作品。
様々な風景を捉えた映像もとても美しい。
ヘルツォーク曰く「風景は決して、ただの風景ではなく、風景は人の心の状態や質を表現している」
まさに言い得て妙。
この作家のことは今まで何も知らなかったが、諸々の著作を読んでから、また観てみたい。
しかし、まさか岩波ホールが無くなる日が来るなんて全く想像していなかった。
というか、未だに信じられない。
昨年なんかも平日でも人は結構入っていたけどなあ… たまたまだったのか。
BunkamuraのLe Cinema みたいにオンラインと併用で収益プラスも可能だったと思うけど。
もうちょい足掻いて欲しかった…
これでまた神保町へ行く機会が一つ減ってしまった。
スタッフの皆々様は、本当にお疲れ様でした。
色々いい映画を観せていただき、本当にありがとうございました。
人類の進化は
弱いから移動したものが作り出した結果だと。山極総長と関善晴さんは著されている。もしその主張の通りだとするとブルースは天邪鬼だったわけだが、その弱いものが作り出した欠点を炙り出した。とも言えるのではないか?と映画を見て思った。弱いものが自らの意志思いを伝播するために生み出した技術文脈は弱きものを束ね、より弱きものへと留めてしまうのだから。つまり、我が人類の進化はいよいよ停止の段階まで来ているのかもしれない。それを打破するにはブルースが良い手本だと本作では提示してくれたのだろう。傑作だわ◎
岩波ホール最後の上映作品。
ブルース・チャトウィンの生涯を追ったドキュメンタリーというよりも、ベルナー・ヘルツォーク監督がブルース・チャトウィンの思い出を語った作品と言える。
人気もあって、魅力的な人だったのではないかと思うが、その魅力が、この映画の中に表現されているかというと、思い入れのほうが大きくなってしまっている感は否めない。
ゲイであり、HIVに感染し、生涯を終えたようだが、晩年はかなり病的な感覚が強くなっていく。
もう少し、自然の大きさや豊かさを表現できていれば、観る人の共感を得ることができたのかもしれない。
岩波ホール最後の上映作品!
見逃せない方は、お早めにご鑑賞ください!
アボリジニ
作家ブルース・チャトウィンのドキュメンタリーです。
この映画によって初めて知った作家で、作品も読んだ事ありません。
“歩いて見た世界”なので、
心が奪われるような景色ばかりが見れると思い、期待してましたが、
結構、研究家などへのインタビューのシーンが多く、
思ってたよりも景色が少なくて、少しガッカリかな…
オーストラリアの先住民アボリジニについて語ってます。
ブルース・チャトウィンに興味ない方は、少し退屈かもですね。
僕は眠くなりました(笑)
われわれも世界に歩いていこう。
54年続いた岩波ホールの最後にふさわしい映画である。チャトウィンという作家については知らなかったが、英国からパタゴニアやオーストラリアなど世界を巡りながら書いた人らしい。もともと考古学を学び、ジャーナリストでもあったらしく、その足跡をたどる映画も、どこか人類学的で環境映画のように美しい。
私たちは岩波ホールのおかげで沢山の世界の良い映画を見てきた。これからは私たち自身が世界の良い映画を求めて旅しなければいけない気がした。
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