「まあまあの映画」余命10年 stoneageさんの映画レビュー(感想・評価)
まあまあの映画
藤井道人監督の作品は過去に『デイアンドナイト』『新聞記者』の2本を観たんですが、どうも相性が悪いというか、正直あんまり面白くなかった(笑)
なので、この作品も公開から日にちは経ちましたが、ずっとスルーして来ました。評判が良いようだなぐらいには思ってはいましたが、別に見逃したからといって、最近はあんまりそういうのも気にならなくなって来ました。『新聞記者』は映画賞をいくつか獲っていたようですが、「だからどうした?」です(笑)
この作品も、ゴールデンウィーク休日前で、仕事帰りにたまたま時間が合ったので、観てみた…という感じです…小松菜奈が主演というのも、ちょっと観てみようかなという動機です。正直、クレヨンしんちゃんとこの作品、どちらを観ようかなと迷ったぐらいです(笑)
で…
ん…よくある"余命もの"かなと。
それなりにウルっと来る場面もあって、まぁ、こんなものかなといった感想の作品でした。
まあ、それでも、小松菜奈は相変わらず良かったですね。この人が出てるからという理由だけで、作品が観たくなるし、気にはなります…笑
*小松菜奈演じる茉莉が、鏡越しに自分の胸の傷と向かい合う場面があります。色んな感情がリアルに浮かび上がって、痛々しいというよりも、虚しさと悲しみが感じられた、なかなか秀逸な場面でした。あと、茉莉が母親に抱きついて涙を流して本音を語る部分は、素直に泣かされました。
*この作品の良いところは、茉莉を最後に殺さなかったところだと思いました。
ただ、観客にはもうダメだダメだと思わせるような、なかなか思わせぶりな演出がされていましたが、正直、この監督には"愛"が無いなと思いました…。
*今、日本中で色んな疾患や病気と現在進行形で戦っている人たちが沢山いると思います。余命何年とか何ヶ月とか宣告されている方もいますが、疾患の特質上そういうのが予見出来ない疾患を患っている場合もあると思います(生命リスクの高い疾患は色々あります)…。
この作品を単なる素敵な恋愛話だけとせず、もし身近にそういう人がいるならば、私たちも彼ら彼女らに心を少しでも寄り添えることが出来れば…と思いました(生意気なこと言うようですが…)。
だから、悲しいだけの作品にはしないでほしいと思いました(ラスト、病室のベッドに一人横たわる茉莉の姿は、なんかあまりに悲しすぎました)。