「転生先がジーンズ」キラー・ジーンズ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
転生先がジーンズ
だいぶ前に人殺しジーンズの映画があると知り、とても楽しみにしていて、少し忘れた頃に日本公開が決まり舞い上がっていました。
中身は予想していた通りのパニック要素と、意外や意外、社会を皮肉る要素も詰め込まれており、思っていたものとは違う面白い作品になっていました。
まず予想していたスプラッター描写。とても良かったです。あらすじなどに書いてあった通り、チャックで指を切り落としたり、巧みな足技で首を折ったり、腰をきつく巻きそのまま失血死させたりと、ジーンズならではの特性での殺し方もあれば、血を美味しそうに吸ったり、皮膚ごと食べ尽くしたりと、お前は一体なんなんだ?というレベルの狂いっぷりです。殺人モンスターの中でもトップクラスの強さじゃないんだろうか…
次にバックボーン。フェアトレードが海外の特定の地域での生産を委託しているというのは学校の授業などで知っていたのですが、そこでの児童労働が隠蔽されており、そこで働かされていた13歳の少女が誤ってコットンをいなす機械に巻き込まれて死ぬということがあり(なぜこのコットンを普通に利用したのかがよく分かりませんが)、彼女の意思が作られたジーンズに石を宿したという一種の転生モノという風にも見えました。
13歳の少女が裁きを行うために、ジーンズを販売しているCCCの社員たちを皆殺しにしていきます。中々強引ではありますが、強引なりに納得もさせられました。
全体的にポップさは思っていたより薄かったですが、ジーンズがボリウッドに合わせて軽快に踊ったり、殺した人間の手を用いて、そこから流れる血で会話するのも斬新で面白かったです。メイキングでのジーンズをダンサーの方が動かしていたのもクスクス笑えました。
最後もジーンズ総動員で開店時刻にやってきた客を見事に皆殺しにしておしまい。というまぁよくあるバッドエンドで終わりました。
予想とは違う方向に物語の舵を切りつつも、楽しみにしていたジーンズの残虐性も楽しめたのでとても良かったです。来年はどんなモノが殺人マシーンになるのが楽しみです。
鑑賞日 11/6
鑑賞時間 21:00〜22:17
座席 B-11