リスペクトのレビュー・感想・評価
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アメイジング・グレース
歌手アレサ・フランクリンの生涯を描いた作品。年数を示しながら本編が進む。
デトロイト(1952)の、すでに歌が上手で、デトロイト最大の教会の牧師である父のパーティーや教会での讃美歌でその美声が有名だった10歳の少女時代から始まる。その後成長してデトロイト(1959)では父の聖歌隊の一員として各地をまわる姿。ニューヨーク(1960)では、友人たちが(当時黒人たちの歌を大流行させたデトロイトのレコード会社 "モータウンレコード" からデビューしていく中、父の紹介で大手レコード会社からデビューする姿。ニューヨーク(1963)で先輩歌手から 「自分にあう歌を探しな。でなきゃ成功はおぼつかないよ」 と示唆され、ニューヨーク(1966)では、アラバマ州の綿花の中のスタジオで自分を生かせるバンドとの出会い。マディソンスクエアガーデン(1968)のコンサートへ、成長が続く。そうした前半を終え、黒人差別廃絶を願う主人公と、父の古くからの友人であるキング牧師暗殺の衝撃。男たちの人件に対する無理解に対する怒り。そして酒…。さまざまなことがあって、1972に「ゴスペルなんて売れない」という会社の反対を押し切って自らの原点であるゴスペルレコードを作るところまで(ライブアルバム「チャーチコンサート」)、146分の長編は、疲れる間もなくあっという間にすぎていった。
「不当に扱われたと感じたことがある人に捧げます。心を解き放ち、自由になって」 という主人公の言葉、「アメイジング・グレース」 の歌詞が、この映画の全てなんだなあと感じた。必ずしも楽しい時間と言うわけではない内容だったが、なんかいい時間だったことは間違いない。
なんという神の恵みだろう
なんと甘美な響きだろうか
私のような見下げはてた者も救ってくださった
かって私は道を迷っていた
でも今は見つけていただいた
かって私は盲目だった
でも今は見えている
多くの危険と苦しみと誘惑を乗り越えた
嵐にもまれその末にやっとたどりついた
わかるでしょ それはあの恵みだったのだ
私を無事にみちびいてくれたのは
無事に無事にこんな遠くまで
だからそのおなじ恵みが
私をきっと故郷へとみちびいてくれるだろう
素晴らしい歌声
この映画、ジェニファー・ハドソンの圧倒的なパフォーマンスに尽きる。彼女以外できないかも?
序盤から凄かったけど、終盤のアルコール依存から立ち直る辺りからの感情こもった演技と歌声には脱帽です。
敬意
映画館で予告編を見て気になっていた映画でした。
主演のジェニファーハドソンはセックスアンドザシティのルイーズ役で知り彼女のような芯の強い女性になりたいなと憧れた女優さんだったのですが、今回の映画を見るにあたってジェニファーハドソン自身が辛い過去を背負っていることを知りそれでも努力を続ける彼女の最新作を観ることで大きく背中を押してもらうことができました。
大成功しているように見えても誰にも分かってもらえない苦悩を抱えながら生きる姿の不安定さや悲しさの表現は胸を打つものがありました。
今女性も男性も変わりなく普通に生きられていると私が実感できている事にアレサフランクリンが貢献している部分はかなり大きいと思います。彼女の恩恵を大きく受けている私が何か次の世代に伝えられるものはないかと考える機会にもなりました。
深夜帯に熱唱し苦情が入る
黒人歌姫?のドキュメンタリー風映画。
歌唱シーンが結構多め。観る価値あり。
良い点
・品のある服装
・エンディングの歌唱は圧巻。二の腕の脂肪も圧巻。
悪い点
・主人公も含め、態度が悪めの者
・子供には焦点を当てない
・白黒描写が必要か疑問
・タイトルがいまいちピンとこない
・肌の色だけでは人物の見分けがつきにくい部分もある。他所からみた日本人も然りだが。
その他点
・子供期のほうが声がしっかりしていて太い?
・サイド歌唱士がいつのまにか1人増えた
・映画ポスターがクリムトのよう
歌唱シーンはとてもいい
凄い歌唱力と姉妹にコーラスしてもらって曲作りの辺りは感動した。だけどこういう伝記ものって、天才的才能の主人公と周辺にいるクズと協力者、酒や薬による挫折(今回は酒)とそこからの這い上がり…この辺りはどの作品でも共通してるよね。フィクションじゃないから以外性を求めることはできないんだけど、内容は正直微妙でした。
リスペクトさせられるのは嫌だね
ソウルの女王アレサ・フランクリンの半生を演じた伝記ドラマ。
彼女以前のブルースやジャズが好きなこともあるかも知れないが、
映画の後半になるほど、我が儘で、身勝手でリスペクト出来なくなり、
最後は、本人の映像までドキュメンタリーの様に出てきて、出ない声を聞かされた時には、強要させられている感じがした。
製作者がリスペクトし過ぎるとこうなりがちなことの怖さが身に沁みた。
怖えな、ダイナ・ワシントン
コロムビアで泣かず飛ばずだったアレサが、ジェリー・ウェクスラーの勧めでマスルショールズに乗り込み、白人だらけのバンドと一緒に『アイ・ネヴァー・ラヴド・ア・マン』をブラッシュアップしていくシーンが、個人的にはこの映画の白眉だった。アレサの弾くピアノのフレーズを、スプーナー・オールダムがエレピでなぞっていくところなんて、観ててゾクゾクしたし、もっと録音秘話の場面があってもよかったかな。元夫のテッドは結果的にクソ野郎だったけど、アトランティックとわたりをつけた功績だけは評価してやるべきかもね。なぜマスルショールズ・リズムセクションになった途端に彼女の個性が一気に爆発したのか、内面的な理由とともにもう少し掘り下げてほしかった、というのが正直なところです。
ドラマが弱すぎる
2時間半、ただ、ただ、退屈な映画だった😓
ソウルの女王アレサフランクリン。彼女を演じたのは実力派シンガー、ジェニファーハドソンだというのに、この凡庸さはどうしたことか。
盛り上がりもなく、アレサの人生をなぞるだけ。
幼児期の性的虐待や母の死、家庭内暴力。
デビューしても人種差別にさらされ、多くの苦難を乗り越えて、勝ち取った人生であるはずなのに、
この映画では、ただの癇癪持ちのビッチに見える。
ドラマに説得力がないからだ。
テーマ曲である“リスペクト”すら、心に響かなかった。
良かったのは、エンディングのアレサ本人の歌だけ。
ドリームガールズと変わらず魂を込めて演じたジェニファーと、アレサの歌声に敬意を評しての評価。
黒人女性として強く生きた天才の物語
アレサ・フランクリンの曲は知ってて好きなのだが、生まれた家庭環境とか周りの人間関係とかはあまり詳しくない状態で鑑賞。少女時代のシーンで驚いたのが、エラ・フィッツジェラルドやダイナ・ワシントン、キング牧師といった人たちが登場すること。なんてすごい環境!
他にも若くして出産していたことも初めて知った。ソウル歌手がスターダムにのし上がっていくというより、公民権運動が盛んな時代の黒人女性としてどうやって生きてきたかという側面が強い物語だった。その生き様はとても感動的で素晴らしいのだが、物語としてあまり感動的には感じられなかった。
この映画の(個人的に感じた)本当の魅力は有名な代表曲が生まれるエピソードとそのレコーディングシーンだ。あの曲がこんなプロセスで作られていったのかが(フィクションだとしても)面白かった。セッションとして観ていてとても興奮した。
そして、ジェニファー・ハドソンの歌声もこの映画の魅力の1つ。どの曲もキッチリ歌いこなしていて上手いなーと思った。それだけで観る価値はある。
でも、ジェニファー・ハドソンの歌声も壮大な前フリだったのかもしれない。最後にアレサ・フランクリン本人が登場して歌うシーンがある。晩年の映像だし、さすがに歌声も衰えているだろうと思っていた。ところが軽く出すその歌声の高音や伸びがすごい。衰えているはずなのに!この歌声だけで感動してしまった。あー、やっぱりアレサは偉大なシンガーだったんだなと再確認できる映画だ。
ハドソンの歌は普通レベル
ドリームガールズのときもそうだったけれど、ジェニファー・ハドソンの歌に圧倒されたとか、素晴らしいとかの評価をする人には絶賛する前にオリジナルを聞いてみてほしい。私はプロとしては普通だと思う。この映画でなら、最後のエンドロールでアレサ・フランクリン自身が往年と比べると衰えながらも歌うのと比べてほしい。全く上手さが違うのがわかるはず。ドリームガールズなら、ブロードウェイ舞台でエフィーを演じたジェニファーホリデイの歌と比べてほしい。YouTubeのjennifer holliday「and i am telling you(1982)」など。これは上演中のパーフォーマンスではないけど、こんなのを毎回舞台で歌っている。歌声は前撮り・口パクの映画と違って、ブロードウェイのは毎回なま歌。他に、エフィーつながりで二人のジェニファーが共演しているのもアップされているけど。また、女優が歌うレベルとしては上手いというのも違っている。元々、素人発掘タレントコンテスト出身でプロ歌手を目指しての芸能界だもの。繰り返すと、ジェニファー・ハドソンの歌はプロなら普通レベルだわ。
でも歌のみで勝負していた頃に比べると、映画やら舞台で演技経験を色々積んできたせいなのか、むしろハドソンは演技のほうが評価されても良いと思う。顔は違うが、本当にアレサ・フランクリンに見えたよ。こちらはすごいと思う。
映画自体はだいぶはしょってる。ま、2時間に詰め込まなきゃならないので仕方ないけれど。人形を抱いた幼児時代ではなく、実際には12歳の時に最初の子供を産んでいたの、あれでわかったかな。自分でその子供を全く育てていないこと、わかったかな。また、彼女を売り出した夫から物扱いされていたはずのDV表現もぬるいし。ファンとして映画を観られたのは嬉しいが、歌も内容ももうひとつだった。ただ、初期のバックコーラスを自身の姉妹がしていたというのは、この映画で初めて知った。おそらく実話なのだろう、ファンを名乗れないかも。
歌より生い立ちがメインだった。 性暴力やDVが与えるダメージと、そ...
歌より生い立ちがメインだった。
性暴力やDVが与えるダメージと、そこから奮い立ち歌へ向かって行く、予告でも印象的だったThinkを歌うシーンはグッときた。
殴られた事はないけど多少のダメージは経験あるから、男性からの圧力ってホント恐ろしいと、心底震え上がる思いでした。
本物には敵わない
前提 今年の春頃上映の『アメイジング・グレイス』に大感激。
主演のジェニファー・ハドソンは流石。歌唱シーンも含め、凄いの一言。
アレサ・フランクリンの闇の部分も丁寧に描かれ、とても楽しく鑑賞。
ただ、本作のクライマックスシーン。前述した『アメイジング・グレイス』の再現シーンを一番楽しみにしていた身としては、はっきり言って肩透かし。
『アメイジング・グレイス』で一番興奮したのは文字通り“熱”
まだ空調も完全でない、教会内のレコーディングは演者も観客も額に汗を光らせて盛り上がっていたのが最も印象的だった。
本作も歌いだしでは額に汗が滲みだし、これは来るのか?!と期待したけど、カットが替わるときれいに拭われスッキリした顔にもの凄くがっかり。
また本作で最も昂揚したシーンが、個人的にはエンドロール。
高齢だけど、遥かにエモーショナルなアレサ・フランクリンにうっとり。
『アメイジング・グレイス』未見であれば,もっとのれたかも。
やはり本人の凄さには敵わない。
歌うまい
子供のころから歌うことがすきでどうしても観たい作品でした。ストーリーはなんかごちゃごちゃでしたが、歌う、伝える、表現力とかマネじゃないオリジナル、自己表現、いろいろ見方、聴きかたがあると改めて気づいた。コロナでしばらくカラオケも行けなかったが歌いたいと思った。
アレサ・フランクリン追悼映画
名前は知っていたけどあまり馴染みがなかったアーティストの一人でした。
上映中に流れる曲は聴き慣れた曲ばかり。
あらためて、アレサ・フランクリンがソウルの女王と言われる意味がわかった。
その生涯はまさに山あり谷ありで、必ずしも栄光だけで彩られていない。
しかし、エンドロールで歌う実際の映像にはグッときました。
小さな男
アレサについては、ベスト盤と教会ライブ盤の2枚しかCDを持ってないし、個人的なヒストリーは知らなかった。初めてわかったよ、こんな経験してたなんて。体が成長しきってない子どもが出産するなんて、命に関わるでしょ! 小さいアレサ、あなたは何も悪くないんだよ。寝てる時間に起こして、大人の歌を披露させ、誰でも出入りできる状況にした親が一番悪いってば。しかも当の親に自分が原因だと自覚がなく、「虫」とか言いやがってさ。思い出しても腹が立つ。ろくな死に方しないぞ!と思ったら、本当によろしくない死に方してた。by wiki
小さい頃から男性の暴力に晒されていたアレサには、男を信用してはならない、というルールがあったように思う。2番目の夫の誠実な態度も、どこか信じられない。だけど本当は、教会より彼のおかげで立ち直ったんじゃないだろうか。その辺を描写する余裕がなく、教会ライブに繋がっちゃったような気がする。
歌が上手すぎて、いい思いもすれば、悪いこともある。でも、結局それが彼女の支えなのだ。オバマ大統領就任式では、極寒の中で強い喉を見せつけた。エンディングでもその強さがよくわかる。
仕事でも夫婦でも何でも主導権で争うなって事
私が「Think」を初めて聴いたのは
昔ディズニーランドの中の
ハンバーガー屋さんでやってたショーで
デイジーが歌ってて、スゴくノリノリだしドナルドに怒ってるのが面白くて何回も観に行ってました。
で、その後「ブルース・ブラザーズ」の中で。
今回この歌はテッドとの決別の曲になってたけど
色んな意味があるんだろうな、と。
父親との確執、自分の運命(選択)への不憫さ・・・
この時のアレサの感情が
めちゃくちゃ辛くて、苦しくて
歌を聞いていたら何故か号泣してました。
父親と夫が同じ類いのひとで
愛情の裏にある束縛によって苦しめられてしまうアレサ。
母親がなんで男を敵視していたのかが分かりました。
当時は女性が断然弱者で
あんな小さい子供があんな目にあっても
声を上げられない時代。
なんて酷い世の中!!
人種云々もそうだけど、女性蔑視も駄目なんだぞ!!!
自分の事を歌ってくれてるように思います。
と言ったファンの気持ち、めちゃくちゃ分かります。
同じ経験ではなくてもいいんです。
歌い手の熱量がこちらに重なれば
あとは一つ一つの言葉が私のものになる。
歌ってスゴくないですか?
ただ歌うだけで(もちろん聞くだけでも)
自分の楽しい気持ちにも、
悲しい気持ちにも寄り添ってくれる。
それを生み出す才能があって、更に
歌唱力がある人は本当に最強だと思います。
最近観た「ダンサーインザダーク」でも、
内容はキツかったけどBjörkの歌声に号泣。
今回もアレサの気持ちに入り込んでしまって号泣。
なんか歌があると涙腺崩壊が加速する今日この頃;;;;
半分寝ながら書いているので
支離滅裂かと思いますが
この作品の中で色んな時代の
アレサ・フランクリンに会えて良かった。
ジェニファーハドソンが凄く良かった。
を書き留めたく、すみません。
最高の見どころは、様々な場面で歌うアレサ役のジェニファー・ハドソン。
「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」のライブレコーディングの映画が今年になって公開されたが、そのときアレサ・フランクリンがゴスペルを発表し、最も生涯で売れたレコードとなったとのこと。バプティスト教会での歌唱力が子どもの頃から認められ、厳しい父のもと育てられ、メジャーデビューしてからの半生を描いている。
教会、自宅でのパーティ、ライブハウス、海外ツアーライブ、レコーディングスタジオなど様々な場面で歌い、メンバー間やレコード会社でぶつかり合うシーンがあるが、臨場感ある状況を再現し、その中で歌うアレサ・フランクリン役のジェニファー・ハドソンの歌がしびれるほど素晴らしい。子役の女の子歌もとても素晴らしい。
この映画の最高の見どころは、この様々な場面で歌うシーンに尽きる。
その半生は、教会とともに歌い生き、そしてマーティン・ルーサーキングをはじめ黒人たちの公民権運動に関わり行動した深いルーツがある。母との別れ、父や恋人との葛藤、女性としてまた黒人と生きる苦悩、酒に溺れ、癇癪を起す。そういう経験を経て、「神」を信じ、人々に生きる力を与える魂を揺さぶる歌い手として第一級の名前を刻む歴史的な歌手となった。
私がよく聞いていたのはアレサが30歳頃だったと思うが、明るいダンサンブルな曲ばかり聞いていた。しかし、この映画でもっと若いころからの彼女の生きざまを改めて知り、感動した。
心の叫び、黒人たちの誇り。現在の日本の音楽業界とは社会情勢も違うが、音楽をやっている人たちには、是非見てもらいたい映画である。
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