笑いのカイブツのレビュー・感想・評価
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人間関係不得意
伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキ氏の私小説が原作の、笑いに取り憑かれた一人の男の数年間を描き出した物語。
最初から最後まで、とにかく不器用なツチヤの姿は見ていてなかなかキツいものがありました。普通のことが出来ず、とにかく頑固で自分の考えを曲げない。一つのことに固執し、がむしゃらにのめり込めるのは才能だと思いますが、それだけで上手くいくほど、世の中は単純じゃない。
壁にぶつかりながら、ツチヤなりに変わろうと踠く姿は応援したくなりましたが、ツチヤのような人が職場にいたらやり難いよなぁ…というのが正直なところ。
癖が強すぎるツチヤですが、西寺をはじめ、ピンク・ミカコと周りに恵まれているのはフィクションなのでしょうか?おかんも問題はあれど、理解ある家族に見えましたし。
終始同じようなテンポと鬱々とした展開が続き、個人的にイマイチ乗り切れなかった本作の中で、ピンクがツチヤへ居酒屋で語りかける羨ましいという言葉が印象的であり共感もあったことと、ベーコンズの劇中での漫才が面白かったのが良かったところでした。
(令和ロマンがお笑い指導ということで納得!)
地獄で生きろ
今年の初映画はコレ!
天音ちゃん主演「笑いのカイブツ」
そして、ツチヤタカユキね(爆)
若様好きなので、勿論その名前は知っているのだけれど。。
もうこの人はさぁ。。
天才なのか?変人なのか?
紙一重過ぎて、凡人の私からしたら理解不能なお方なのですよ('◉⌓◉’)
それでもまぁ、彼の生み出す多くの言葉たちには何度も何度も笑わせてもらったのだけれど。
それがあれ程の狂気で「笑い」と向かい合い、追求していた姿を見せられ、正直ドン引きでした。
(いや、これは褒め言葉ですよ)
この作品は、
ツチヤ氏の精神的な弱さや
「人間関係不得意」な所を指摘し、否定しても、何の意味もないのだ!!
滝本監督の
「破壊なくして創造なし」ってコメントが心に響いたな。
ツチヤ氏の生き方はストイック
(って言葉も違う気もするのだが。。)過ぎて生き辛そうとは思う。
だけど、カイブツのまま、笑いと共に、地獄で生きるしか、生きる術が無いようにも思えるし、彼もそれを変えるつもりもないだろうし、変えられないだろう。
これからもカイブツの生み出す笑いを届けてほしい!
出来ればあの人と!(泣)
そして、、
天音ちゃんが素晴らし過ぎて震えた!!
作品のテイストはかなり違うが、パーフェクトデイズの役所さんを超える演技は当分観られないだろうと思っていたのに、まさか、こんなにすぐ更新されてしまうとは!!(当社比)
ん!待てよ!でも、役所さんも素晴らしかったしなぁ〜!!悩むわぁ〜!!って
悩む必要1ミリもないのに悩むわぁ。
いや〜腰抜けましたね!
天音ちゃん素晴らしま〜〜!!
万人受けはしないと思いますが、ワタクシ的には大満足な作品でした。
菅田君のピンクと、太賀君の西寺。
その演技力は安定感ありありで、
文句の付け所がないのですが、、
主演の天音ちゃんよりもメジャーな為、
やや、、やや、、違和感がありました。
いや、天音ちゃんはもうダントツで素晴らしかったし、しっかり主役でツチヤそのものだったのですが。。
お二人のお顔がメジャー過ぎて、
やや、、やや、、
Ya-Ya-yah٩( ᐛ )و
でもどっちもいい奴で
嬉しかったです(雑かっ!Σ('◉⌓◉’)
お母さん役の片岡礼子さんも良きでした。
そして、あまりフォーカスされていませんでしたが、水木(板橋君)の仕上がりもお見事でした♪
そうだ!入場特典で天音ちゃんのメッセージ付きポストカード貰えたよ。
「この度は笑いのカイブツを観に来てくださりありがとうございます。
どこにも反響しない声をあげていた日々が報われます。
滝本監督の巻き起こした渦を、どうか思うがままに堪能していただきたいです。」
天音ちゃん!とっても良かったよ!
なんか泣ける〜( ; ; )
今年の映画生活も楽しみです。
みなさん今年も宜しくお願いします♪
極端な社会性の欠如で非常に共感しにくい主人公
この小説はツチヤタカユキ氏の私小説であるが、多少の脚色はあるとは思うが目立って美化している部分がないところが良い。
価値観が「己れが面白いと思う事」のみで、それ以外のことへの興味がなく、他人を認める事や折り合いをつけるという事が一切できないもはや障害者レベルの主人公。
それでも奇跡的に救いの手を差し出す人が何人かおり、それによりどのように変わっていくのかを期待してみたが、結局生まれついての性分だからか同じことの繰り返しで何も変わらず。
自分としては彼を認めず排除しようとする側の人間の方に終始共感し続けながら観ていたが、同じ見方をした人の方が多かったのではなかろうか。
主演の岡山天音はもともと表情が乏しく(本人には大変失礼だがw)不気味な雰囲気の役者だが、本作でも大きく表情を変えることなく熱演。
脇に菅田将暉、仲野太賀、松本穂香などの主役級が全力でサポート。
ストーリーや演出はそこそこだが、役者の熱い演技は大変見応えがあった。
若手実力俳優3人が素晴らしい
お笑いに取り憑かれた男の話。
不器用で人間関係不得意な男を岡山天音さんが好演している。
報われない日々が辛すぎて、見ているこっちも暗い気持ちになった。
私は菅田将暉の役がツボ。さすが菅田将暉だわ。
仲野太賀もいい。『ゆとりですがなにか』の山岸みたいな役もうまいし、今回みたいな好青年もすごく良い。
主人公の心の叫びにはウルっと来てしまった。
狂気と怪演 笑いの無いお笑いの世界の映画
生きづらすぎて、おそらく向いてない
岡山天音というカイブツ
カイブツの熱量にやられる。
最速上映で観てきた。
最速上映で見るって生まれて初めて。誰よりも早く新作を見るってなんか特別感あって嬉しい。
終始圧倒されてた。
原作読んでなかったし、ツチヤさんのことも知らないで行ったから、どこまでがフィクションかとかわからないけど、リアルなのに熱量がすごかった。
映画の前の挨拶にツチヤさんご本人登場されてたから、ご本人が丸くなって見えたくらい。そのくらい映画の中のツチヤさんはぶっ飛んでたし、死ぬほどもがいてた。
岡山さんが凄すぎたな。かなり魂削って演じてる感じが画面からひしひしと伝わってきて。
ちょっとご飯屋さんのシーンとか見ててこちらまで苦しくなるくらいだった。
周りも納得すぎるキャスティングだった。
改めてだけど菅田さんは上手すぎた。久々に助演で出てる姿見れて新鮮だったけど菅田さんが役のヤンチャなにいちゃんそのものすぎて。
上映後監督にサインいただいた。嬉しかった。
感想をすぐに言語化できないコミュ障にも優しく気さくに話してくださる監督だった。
息苦しい
カタルシスないが名演
岡山天音、菅田将暉、片岡礼子、皆さん好演。カタルシスはないが天才も大変だと思いながら鑑賞した。業界のことも垣間見えて興味深かった。
-_-b 笑いの学問化問題
こんな世界があるんですね。笑いに全てを捧げる世界。笑いのために人間関係を壊して人生を狂わす。笑いのために笑えないことをする世界。
最近 m1グランプリなので笑いが職人芸みたいになってしまって何か構えて見るようになってしまったような気がします。人がどんなところで笑うのかをまるで学問のように分析し研究して、主人公のような怪物たちがそれを競い合い世に発表していく。
昔からこの世界が続いていて、我々がこの舞台裏を知らなかっただけなのでしょうかね?
私は漫才とかコントで心から笑った事がなく、自分がおかしいのかと思ってしまう事が多々あるのですが、なんとなく理由がわかったような気がします。
正直、怪物が作り出す笑いの究極奥義っていうのは、それができる過程で何か不純物が入っているような気がして笑えないのでしょうか。
この間YouTubeだったか?みやぞんが凄くいいことを言っていました。
『苦労した努力は実らない』って。
笑いも同じことで苦しみの中でもがいて生まれた笑いはつまんないんだろうと感じます。
全体的に説明不足
本編は、主人公が既に大喜利職人として活動しているところから始まるのですが、彼の生い立ちや笑いへ異常な執着を見せる理由などの説明がなく、その辺の掘り下げがあると見やすいのではないかと感じました。
ほかの登場人物では、松本穂香演じるミカコとは主人公との発展を期待させられながら、結局何も進展がなく主人公が上京し、再会した時には彼氏ができたと言う始末で、恋愛要素が欲しいとしたらあまりにも描き方が雑に感じました。
菅田将暉演じるピンクとも、体験入店したホストクラブで先輩ホストとして出会い、なんやかんやあって彼に仕事の斡旋もしてもらうのですが、帰阪し再会した際にはなぜかホストをやめて居酒屋で働いていました。その辺りの描写ももう少し欲しかったなと感じました。
また、上京して紆余曲折あり、心身ともに打ちのめされて大阪に帰ってきた主人公が、ピンクが働いている居酒屋で、他人と自身の評価のギャップと自身が抱える苦悩や葛藤で号泣しながら吐き出すシーンが盛り上がりの頂点で、その後は尻すぼみな印象が拭えませんでした。
総評して、原作をしっかり読んだ人か業界人向けの映画なのかなと感じました。映画から見る人には圧倒的に説明不足です。
しかしながら、俳優たちの演技は素晴らしく、特に岡山天音の鬼気迫る演技は圧巻です。彼らの素晴らしい演技だけでも見る価値はあると思います。
ですが、演技抜きにしたらイマイチな映画だと感じました。
【人間関係不得意】でも笑いがあれば生きられる
岡山天音さんの演技をしっかり観たのはこの作品が初めてだと思う。すごく魂がこもっていた、というか、暴れていた。とにかく凄かった。
笑いのカイブツがレジェンドになろうとしていた頃、僕はのほほんと笑っていた。テレビを介して彼と同じ時間を共有していたんだ。渾身のアンサーに笑った事もあったのかもしれない。
「面白い」を評価するのも人。されるのも人。面白さの軸がそれぞれあるから、評価する者の軸から外れると「おかしい」とか「ふざけるな」になる。評価なんてクソ。そばにいる誰かの「面白い」が一番心強いんだ。
笑いのカイブツじゃないと出会えない縁があった。みんな彼を「俺はお前を面白いと思うよ」と言って慕っていた、一方的な感じで。でもそんな関係性に彼は救われていたのだと思う。
ピンクを演じる菅田将暉さんもよかった。居酒屋のシーン、もう一度観たい。ピンクにしか言えない言葉だったな、あれは。この時の岡山天音さんの演技が一番好きだ。泣きの演技が上手い俳優が好きだと改めて思った。
カイブツ、と自分で言うのか。
ツチヤタカユキなら言ってもいいか、と言う感想。2024年一発目に濃いのを引き当ててしまった…
世間に潰されているのに、自分を生き延びさせる唯一の方法のその世間を“笑わせる”ことと言う皮肉。こんなにも生きにくい人がいるのかと不器用な弟を見ている気持ちだった。一度死んだ、という表現も彼が不器用すぎる社会不適合者感が出ていて良かった。年末に華麗に優勝を飾った令和ロマンが漫才指導というのも憎い演出。ある意味対極にいるような、器用で面白い彼らはツチヤタカユキの生き方にどんな感想を抱くんだろう。彼らも、同じように笑いの難しさに壁に頭をぶつけるような日々があるのだろうか。ただ、人には愛される人たちだと思うのでその点が違う。ある程度、社会に受け入れられるにはツチヤタカユキのいうところの人間関係の得意さが必要だろうと私も日々思う。
それにしても若い!25.6の人間があんなにさまざまな大人たちに認められてチャンスを与えられているのに嫉妬さえ覚えた。
主演の天音さん、怪演だった。居酒屋のシーンは特に引いてしまった(賞賛の意味で)。
あとこの映画では「思いがけず菅田将暉」現象を体験。予告なしで菅田将暉を映画やドラマで見てしまう現象を呼んでいるんだけど、出演するだけで彼の名前がトップに出てきたりするものだから最近はあまり体験できない。レアな体験。ブロッケン現象のような感覚。今回は思いつきで見た映画だったから体験できた。心づもりなしで菅田将暉を浴びるとびっくりする。男前なのに演技も上手い。クズ役もぴたりとはまる。腰が細くて良かった。
ねじれ
生き苦しい。熱い。だから観る人の心が動く。
すべてのジャンルはマニアが潰す
「すべてのジャンルはマニアが潰す」これはブシロードの木谷高明会長が2012年に新日本プロレスを買収したときに言った言葉です。
私自身も年間100本以上劇場で映画を観る習慣は、(自分ではそう思っていなくても)周りからは恐らく「マニア」認定されていると思います。そして、興行成績や一部の賞レースにおいて評価される作品が自分と違ったりすると、基本的には無視の態度を取りつつも、正直にはそれらを「否定」していることを自負しています。また、不意に「今おすすめの映画ありますか?」と質問を受け、いきなり本命を答えずに当たり障りのないところから探りを入れたり、あまり相手のことを知らない場合は「行くならどの辺の映画館ですか?」と結構面倒くさい逆質問をしたり。。
時代を経るごとに、「カルチャー」はいわゆる王道から徐々に細分化が始まります。そして、プラットフォームが増えてコンテンツを選び放題、享受しやすい環境ができると気づいた時に残っているのは「マニア」の比率が高くなり、「そうでない人」には入りにくい環境になっていることがあります。「お笑い」というカルチャーにしてもそれは同様で、テレビのバラエティー番組や主に暮れに開催される賞レースは観ても、わざわざ劇場やライブに出向いたり、ましてやラジオというコンテンツまで追いかける人は案外多くないのではないでしょうか。さらには、最近のYouTubeやPodcastなどの配信コンテンツまで拡がりを見せると、もはやカルチャー同士が時間を奪い合って結局はまた蛸壺化していきます。
ちなみに、私はすっかり「お笑い」観なくなりましたね。それでも昔からラジオは好きだったので、いくつかの番組については今も聴いています。それこそ、radikoのタイムフリーは便利で助かっています。ただ、時代的にツチヤタカユキという「ハガキ職人」は存じ上げなかったのですが、そもそもこの「ハガキ職人」や「構成作家」と言われる人たちの存在を知り興味を持ったのは私にとって、とんねるずの『二酸化マンガンクラブ(文化放送)』や『オールナイトニッポン(ニッポン放送)』がきっかけです。なので、時代こそ違えどこの作品の世界観について解るような気はします。そしてツチヤタカユキという人に対しても、違和感という感じはありません。が、勿論お近づきにはなりたくありません。そして、なるほどこの感触こそ「すべてのジャンルはマニアが潰す」につながるのかもしれない、と思いながら観ていました。
ツチヤを演じる岡山天音さん、見事に「カイブツ」を演じておりこれぞ「怪演」と言えますね。一部聞こえづらいセリフもありますが、それこツチヤという人のキャラクターなのでしょう。そして滝本憲吾監督、フリーの助監督として下積み長く多くのヒット作品に関わってきた実績もありキャスティングが豪華、且つ要所要所。当然、キャストの方皆さん素晴らしい演技で応えています。中でも菅田将暉さん、そして片岡礼子さんの存在感は抜群ですね。
さて、ここまで肯定しておきながらも私の評価は「まぁまぁ」かな。ストーリーそのものは私にとってそれほど興味をひくものがなく。ただ、これを普段それほど映画を観ない方に言われると若干嫌な気持ちになるんだな。たぶんそれがお笑いファンの方からであっても、本作はあくまで映画だし。と、この辺もおそらくはマニアやファンの面倒くさいところですね。すいません。。
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