笑いのカイブツのレビュー・感想・評価
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腹立だしくも切なくて愛おしい。観る側の評価を分かれる事をあえて組み込んだ事で完成する(ような)作品かと。
以前から気になっていた作品を鑑賞しました。
昨年末に鑑賞した作品のレビューがまだ書ききれてないけど、この作品のパンチが強すぎて、フライングで感想を書いてみましたw
で、感想はと言うと…面白い!
よくぞここまで振り切った!と言う感が強くて、こんな実在の人物が居るのかと言う驚きと多少の脚色があるにしてもフィクションに振り切ってないのなら尚更驚き。
好みが分かれると思うし、万人が楽しめる作品ではないけど、見応えがあり、映画好きの人にはハマるのでないかと。
社交術を身に付いてしまった大人の物差しで図る人には理解出来ない部分が多々あるけど、それを取っ払ってしまうと物凄く純粋で自身の価値観とルールで突っ走るツチヤを共感かつ羨ましく思えてしまう。
でも、汚れてしまった大人の自分にはツチヤの行動は不器用を通り越してワガママにも映るw
「有名になりたいです」と西寺の問いに答えながらもそれに納得出来ないツチヤの行動には“面白いと言うのが絶対の正義だから、それに従わない奴らがおかしい”的な部分も含んでいるようにもと思う。でも“単に有名になりたいのなら無冠の帝王の如く、アマチュアで凄い奴を目指せばいいやん。仕事として業界で有名になりたいと考えるなら周囲との連携があってこその仕事やん”と考えたりもする。
良い意味でツッコミどころの余白があり、その余白に各々の考える価値観が含まれて完成。
映画鑑賞後に観た人と“あ~だこ~だ”と喧々諤々に語れることがこの作品の意図と醍醐味でもあるんでは?と考えるとちょっと凄い作品。
また、そんなツチヤを演じる岡山天音さんがぴったり過ぎ。他にツチヤを演じられる人が見つからないくらいにハマリ役。この時点で作品の成功をハードルを1つ越えてます。
また、ピンク役の菅田将暉さんや西寺役の仲野太賀さんが良い感じなんですよね。
アウトロー的な生き方のツチヤに共感を感じつつも笑いにひたむきなツチヤに憧れを抱き、寄り添えるピンクは何処か観る側の代弁者でもあり、そんなツチヤとの奇妙な友情が良い。そんな菅田将暉さんの好演がキラリと光る。
また、ツチヤの才能を信じつつ、チャンスを与えながらも社会性の薄いツチヤを軌道修正しフォローをする西寺演じる仲野太賀さんがホント良いんですよね。不器用ながらもお笑いに愚鈍なまでのツチヤを可愛がり、そんな西寺にツチヤも心を開らこうとしていく。
こんな人に巡り合えたツチヤは幸せ者ですが、そんな西寺の恩義を感じるからこそ、それに報えないツチヤの葛藤が切ないんですよね。
居酒屋で酔っ払って思いの丈を吐いたツチヤに対して「地獄やな。その地獄で生きていけや」と言うピンクのセリフと駐車場で「お前、このままでは終わらないからな!」と叫ぶ西寺のセリフ。この2つは屈指の名シーン。
あとラストの片岡礼子さん演じるオカンの「1回、死んだんやったら無敵やん」は良いセリフ。
ラストでこの後の無敵になったツチヤに期待を寄せてしまい、そこはかとない光明を感じさせるのが良いんですよね。オカン…やるやんw
全体的にはツチヤの社交術の無さと周囲との軋轢に不一致にズシッとやり切れ無さがのし掛かるんですが結構ツッコミどころもあり、いろんなアルバイトを速攻でクビになってはいるけど、いろんなバイトの面接から採用にまでは行けているツチヤって、入り口の部分ではとりあえず社交性あるんやなとw
また、グダグダに酔っ払った際に地回りのお兄さんから「これで漫喫でも行けや」とお金を差し出されたら「…有難うございます…」と言うセリフで引き下がるのにはちょっと笑ってしまったw
あと、構成作家見習いで入った劇場での盗作疑惑や仲が良くなりかけたトカゲとのその後はフェードアウトなのはちょっと消化不良かな。
大阪に帰ったツチヤの実家に訪ねてくるトカゲのラストで締めって言うのは…ベタですよねw
深夜放送が全盛期にはハガキで投稿する事がちょっとしたブームになっていた時期がありましたが、ラジオは今や縮小傾向気味。2028年にはAM放送が終了してFM放送と統合される事を考えるとラジオ好きには切ない限り。
でも、ラジオと言うメディアは絶対無くならないと思うし、それを支えるリスナーが居るからこそ、次代の構成作家が育つとも考えます。
夢に不器用過ぎるくらい不器用で真っ直ぐで笑いの為なら周囲との摩擦も気にしないツチヤはある意味凄いけど、ここまでやるか…とも思えてしまう。
でも、そんなツチヤタカユキに腹立だしくもあり、切なく、愛おしくもあるんですよね。
「正直者が馬鹿を見る」のお笑いの正直者が馬鹿をとことん追求しまくって、馬鹿の先にあるピリオドの向こうをたどり着こうとする物語。
昨年末の「M-1グランプリ」で漫才指導をした「令和ロマン」が優勝したりしているのを考えるとなんか「持っている」感があるし、これ、2024年の日本アカデミー賞になんらかで絡むのでは?と思うし、絡んで欲しい。
そう思わせるだけのパワーがある作品です。お薦め!
キャスティングは5億点
ワルな菅田将暉!いいやつ代表 仲野太賀!そうそうこういうキャスティングが見たいんだよ〜〜!!!そして異才の岡山天音!!!!!
あらすじは
番組,ラジオへの投稿、構成作家…笑いに取り憑かれた男の自叙伝
とにかくキャスティングが良かった!
ワルな菅田将暉が出てきた瞬間 好きなテイストの菅田すぎて映画料金の元が取れたと思った。後半は別の職業として登場するがそれも良かった!
仲野太賀はいいヤツを演じすぎて「いいヤツ」の説得力がとてつもないが、駐車場でフェンス越しに叫びかけるシーンが好き。
元になったモデルが誰なのか知らなかったが漫才を見てオードリーだなと確信した。しかし、決して「だが、情熱はある」のように模写しているわけではなく、作中の“ベーコンズ”というコンビとして漫才を完成させていた。漫才指導が令和ロマンであるので彼らの指導によるものでもあるが、体得した太賀も素晴らしい。
岡山天音はとにかく良かった。6-7割は彼のシーンなので彼の演技を堪能したい人は是非!どの場面も演技が上手い。居酒屋のシーンは自分も泣いた。
内容として、苦しい内容だった。隣りにいてくれる人、手を差し伸べてくれる人、ツチヤ自身が小説にしているので周りの好意には気づいている。それでも馴染めないのは「こういう生き方」しか“できない”んだろうなと感じた。
共感はできないが、こういう人間もいるよな と認識する余裕を持てるようになる作品
原作を読んで追記しました(2024.1.11)
どこまで実話なのか、人物造形もどこまで本当に近いのか何も知らないのですが、やはりいくら才能があっても、アルコールで自壊(自戒ではなく)していくのは見苦しくて見ていられない。
〝世間〟と折り合いがつけられないことが宿命的な悲劇であるかのように、菅田将暉さんに語らせることで説得力を持たせてしまうのは、なんかずるい。
〝石の上にも三年〟だなんてことを昭和的な感覚で説くつもりは毛頭ありません。
どんな業界でも自分を認めさせていく戦略が形を成していくためには相応の時間はかかるし、業界の既存のシステム(体制)を利用するにしても、破壊するにしても根っこのところを把握するにはやはり3年程度は必要。
さりとて、↑というようなことを20歳前後の若者が理解するのは難しい。難しいけれども、君には西寺くんがいるじゃないか‼️
自分にチャンスをもたらしてくれる存在に気付けないのは、笑いの才能はあっても成功する才能はないということにならないだろうか。
才能についてのトリセツとしては、片手落ち。
(片手落ちは本来、片方への配慮が欠けているという意味で、身体的な差別用語ではないのですが、字面から誤解されることが多く、差別的な用語とされてるらしい)
こんなふうに思うのは、宇宙に行った前澤さんの映画を見た後だから?
【原作を読んでからの追記】
ツチヤは確かにお酒に弱い。弱いのに、いや弱いからこそお酒に逃げる。
でも映画で描かれているほど人には絡まない。ピンクとの会話もシラフではなくとも泥酔はしていない。
これは極めて個人的な感覚だが、ツチヤにとってのカイブツは『ファイト・クラブ』のエドワード・ノートンにとってのブラピのような存在なのではないか。
笑いに取り憑かれ狂ってしまったもうひとりの自分。
カイブツが笑いを生み出すための努力は凄まじい。
図書館で片っ端から本を読み、一日2000個のボケを書き記していく。
そんなカイブツが人に媚びたりおべっかを使えるはずがないのに、そのスキルがないと世間からは相手にされない。カイブツを飼い慣らせない自分が自分を追い込んでいくということか?
タイトルなし
お笑いがテーマなのでもうちょっと笑える内容かと思ったら、缶コーヒー買いに行く時に転んでた所しか笑えなかった。
字幕で出てくる大喜利も、漫才の内容も全然面白くなく、ただただ主人公のメンヘラな部分を2時間見せられちょっとしんどかった。
ただ、仲野太賀&菅田将暉の素晴らしい演技とキャラによってグッとくる場面もあり、それなりに仕上がってた感じ。
あ〜、もっと笑いたかった!!
彼の世界観には同意できない
自分の近い生活圏内には、ツチヤみたいな人はいない。と言うか、危なくて近寄りたくない存在。
終盤に行くほどに引いてしまった。
ツチヤよりもピンク(菅田将暉)の人生の方が気になってしまった。
正直…
正直、つまらない。
まったく理解できない感性の人物を、解説も感情の吐露もなく見続けるのはなかなか辛いが、岡山天音の演技を観る、ことだけに集中した。
普段あまり好きじゃない松本穂香も、本作はアホっぽいところに良さを感じた…
お前、ぜってぇここで終わんねぇからな!!
M-1の2018~2023年大会をイッキ見したり、公式YouTubeチャンネルに上がっている漫才を見まくったりと、お笑いに費やした今回の年末年始。ツチヤタカユキに関しては、オードリーのオールナイトニッポンで「ツチヤが大阪に帰った」と若林が話していたのを聞いたことがあるくらいで、全く知らない。なのに、予告にめちゃくちゃ惹かれて、尚且つ個人的にお笑いブームが来ていることもあって、初週にして1月公開映画の1番の目玉だと思っていました。
その期待は一切裏切られず、寧ろ期待より何倍も何十倍も素晴らしい作品でした。2024年、まだ始まったばかりなのに、こんなにもいい映画が見れるなんて。本作の主人公・ツチヤタカユキの自伝本は読んだことないけど、この映画で彼の壮絶な人生が直に伝わってきたし、恐らくものすごい完成度。監督自身も相当なお笑い野郎なんだろうなと。
それもそのはず。2023年のM-1王者に輝いた令和ロマンが漫才監修を担当。まだ優勝する前にこの映画は制作されていた訳だから、無論その段階で認められていた令和ロマンも凄いが、ちゃんとこの2人に声をかけ、しかも作品の肝となる部分を任せるなんて、それだけで制作陣がこの映画に描ける強い思いが見て取れる。THE SECONDで優勝したギャロップも演者として参加。生半可にお笑い映画作ってるんじゃねぇぞ。そう言っているような気がした。
本作で語らずには通れないのは、岡山天音の怪演。
その姿はまさに、"笑いのカイブツ"そのものであり、キャリア史上最高と評される時に使われる文言、演技を超えた役の憑依だった。魂を笑いに授けた男をこれまでかととことん熱演。ここまで来ると怖い。今1番日本映画界を牽引し、必要とされている俳優は岡山天音と言っても全く過言では無いだろう。そんな彼氏の脇を固める実力派俳優陣も見もの。菅田将暉、松本穂香の強烈なインパクトも最高だが、仲野太賀演じる西寺(元はオードリー若林)は岡山天音に負けじと凄まじい。ラストのあのセリフは思い出しただけでも鳥肌が立つ。
笑いを求め、笑いに取り憑かれた男・ツチヤタカユキ。つまらん情報番組の誘いやら、上司の顔色と金儲けだけを考えるスタッフに呑まれず、オモロいだけが正義だと信じ、生きてきた。ただ、笑わせたいだけなのに。随所に挟まれる大喜利だけで彼の才能は見えてくる。周りに合わせることは自分を殺すこと。でも、周りに合わさないと自分は殺される。生きずらい世の中で苦しみ、もがき、嗚咽し、人間関係不得意が為に壮絶な人生を送ってしまったその姿は、どうも他人事に思えず、胸がぐちゃぐちゃになった。
予告を斜め見したせいで、主人公・ツチヤタカユキを窪田正孝さんが演じ...
予告を斜め見したせいで、主人公・ツチヤタカユキを窪田正孝さんが演じているかと観に行ったら短髪姿の岡山天音さんでした。似てますよね(似てない?)
才能ある若い芽を摘む業界的観かたをすれば昨年観た「愛にイナズマ」と重なるところもありますが、こちらはイナズマと比べれば若い芽どころか、そもそも種は良いが土に合ってなくて芽も出なかった印象。自身、人間関係不得手と示していますが、自分のネタで自分が芸人となって皆を笑わす事ができない以上、他者に世に出す部分は委ねていくしかない。チームで上手にコミュニケーションを取る必要もある。一方で自分のネタは自分を離れ、他者の物になっていく。そうした様々な葛藤に苦しんでいるのはわかりますが、口数も少なく、顔に表情も出ず(何考えているのだろう)が続きます。これは少し観ていて辛い。後半は友人に思いを吐露し、あきらめたネタ作りに再び動き出すシーンがありますが(今度こそ成功しそう)という予感を与えるには足りずで物語は終わってしまいました。
時代が2000年代後半の設定。YouTubeは既にあったので、それを見つけたところで終わったらなぁと思いました。YouTubeを上手く使えば葛藤も無く、才能も世に花開いたことでしょう。(映画のツチヤタカユキは、です。)
笑いと悪
カイブツ、彼自身とも意味取れるし、彼を魅了し地獄と見せてしまった世界そのものかも知れない。
まあ、どの世界どのジャンルにもカイブツは居るモノでして。
今作、現代のお笑い界を舞台にそこでしか生きて行けない、いやそこですら生きて行けない若者を主人公に。
あ、ちょい聞いた事有るわ、TVかラジオで若林がぶっ壊れてるけど天才な放送作家が居たって。
彼の事だったんだな。
お笑い界ってさ、昔っからだけど普通に生きて行けない者の受け皿、異端の落ちる底って言われてるけど、彼に取ってもソレだったんだろうな。
そんな中でも常識派、彼に取っての神と若林は描かれる、ファンなら知ってると思うけど若林だってそっち側だし、十分ブッ壊れてる。
恐らく若林は彼の中に自分を見たんだろうし、お笑い界芸能っても組織社会だから個を理解しない者も居て、泥水煤った人生は厳しく、周囲スタッフはあーなっちゃうんだろうな、当たり前だししゃあ無いわな。
そんな世界で成功なんか掴んだら異常になっちゃうよな。
レイプまがいに弱者から平気で性搾取したり、ピュアキャラで売りながらそこに大きく加担し保身しか考えなかったり。
やっぱ面白けりゃ許されるって幻想だし、地獄に身を置くからこそ誰かの支えが無いとダメなんだよ。
三人のカイブツが領域展開‼️❓
余談だが、岡山、菅田将暉、仲野太賀は十年来の親友らしい、本物の友情出演。
そして、三人とも、事前準備の凄さと、脚本への影響、天性のカリスマ、芸術への含蓄、に秀でている。
主人公は、いささかデフォルメされていて、こんなんで社会的成功どころか、人間社会で生きていけるんか、レベルだが、その心象風景までを表している、と解釈すれば、なるほどとも思う。
俳優としての怪物性を、一つ挙げれば、仲野太賀の漫才は、いくら令和ロマンの指導を受けているとはいえ、それを超えて来そうなほどの出来栄え、それだけでも観る価値あり。
岡山の狂気と、三人の友情、これは映画史に残るような見どころだと思う。
それぞれ、主演賞、助演賞に値すると思う。
稀代の名優たちの演技を観るために、是非。
人間関係不得意
ツチヤタカユキ、幾度か聞いた事ある名前だが
こんなにお笑い至上主義で破天荒な人物だったとは。
大喜利5年、ハガキ職人3年、構成作家1年。
5秒に1回ボケる……。笑いに取り憑かれている。
共感はしにくいが、まるで夢を追いかけるバンドマン如く。
そんな社会性皆無の彼にも人が寄ってきて手を差し伸べる。怪しいピンクやトリマーを目指す女性。東京に来てからのベーコンズや構成作家達。基本の挨拶やお礼を教える若林さんは
優しいなぁ。かつての自分を見ているようだから人間らしくさせようと寄り添ってたのかもしれない。彼に伝えた『笑いを絶対辞めるな』は才能を見抜いていた本心と、過去の自分の経験を重ねた言葉だよね。
才能があるけど認められず『誰かの作った常識に
潰されなければならないのか』の発言は印象的。
居酒屋での泣きの嗚咽シーンは凄い演技。
彼らしい生き方に此方も感情移入してしまう。
最後の初めておかんが笑ってくれたシーンは私も嬉しかった。一回死んで最強になり、バンツ一丁で復活。
そこでしか生きられない人にしか宿らない魂があった。才能とはこの事で表裏一体。
正しく役柄が憑依し怪演だった岡山天音さん。不思議な熱量を感じる映画で秀作でした。
…年始早々ほんとに。(改)
挨拶もろくにできないコミュ症じゃないと100点の笑い職人になれない世界なんだとするなら俺は60点のやつのゆるいのでいいわ。一人で自分が正義と思うことだけを主張し、知らず知らず周りの人に甘えに甘え、まあ本人はいい人に見つけられて形になったから話になってるけど。片岡礼子様には罪はないが母親が甘やかせすぎたといわれても仕方がない。
役者として岡山天音が頑張っているのはわかるけど役どころが嫌すぎて菅田将暉や仲野太賀に見せ場を与えている。
ここから追記。ネタハガキという媒体を通じていたから大喜利やベーコンズに面白さを評価してもらえたのだが、学校や会社といった対面の交流をベースとした社会では奴の面白いものを書く能力や努力を惜しまない性分を見つけて生活の不器用さを飲み込んで付き合っていくのは困難だろう。ベーコンズが奴を認めるのは分かるし、自身にないものを持つ奇人としてピンクやミカコが奴を気にするのもわからなくは無い。星一個増やしとこ。
ただジョーカーなども含めてこの種の主人公が生理的に受け付けられず後半は特にキツかった。なぜこの題材を笑いに昇華して見せてくれず愚直に描いてしまったのか。ラストの再起動、キッカケが良くわからない。
更に追記 漫才指導で令和ロマンがクレジットされてた。
負け犬界のレジェンド
勝気で負けん気強いけど結局負け犬。負け犬界のレジェンドだ。
どうしようもなくもがき倒して苦しむけれど、恵まれてんだよ。
まわりに嫌われつつも親身になってくれる人が3人も。
その3人を松本穂香、菅田将暉、仲野太賀が素晴らしい演技でなだめにかかる。
母だってなかなか受け入れてくれてるし。
才能がなくても人間関係が得意で成り上がる奴もいる。
才能が有り余っても人間関係不得意でもがく奴もいる。
人間は総合力なんだなあとしみじみ思う。
笑いに行く映画では無い。
笑いという最高峰の高みを見上げて悶え苦しむ話だ。
そのパンクな生き様と爆音に頑張ろう!と思えれば儲けものだ。
僕たちの物語でもある‥
“純”
純粋すぎて‥まっすぐ過ぎて‥社会の渦に飲み込まれそうになるから抗って。
この作品では主人公の純度が高すぎるので、そこへの反発も極端に映るかもしれないけれど、これは僕たちも日常で味わっている光景なのだと思いました。
僕たちが生きているのは、確かに“地獄”なのかもしれません。
僕たちは自分のやりたいことと社会との間で、うまくバランスを取るという課題に日夜神経と体力をすり減らしています。それ故に病むこともあります。
そこに疲れることを避けるならば、むしろ無気力の方が楽かも?‥と考えてしまいそうになります。しかし、抗ってこそ!と奮い立ってこそ生きることなのだとこの作品から教えられました。
明日からまた生きよう!
エンドレスワルツ
主演者の好演熱演含め想定内。
天才(なのね?)もせめて社交的なら良かったね、
だけ。
森田「ハル」な大喜利回答のポエムな開示はバカリ堀健秋山西田のIPPONガチバトルに劣る巧いね程度の低調。
これ致命的。
若松エンドレスワルツが既に在る世にコレを撮る意義は?
菅田は良い。
人間関係不得意
伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキ氏の私小説が原作の、笑いに取り憑かれた一人の男の数年間を描き出した物語。
最初から最後まで、とにかく不器用なツチヤの姿は見ていてなかなかキツいものがありました。普通のことが出来ず、とにかく頑固で自分の考えを曲げない。一つのことに固執し、がむしゃらにのめり込めるのは才能だと思いますが、それだけで上手くいくほど、世の中は単純じゃない。
壁にぶつかりながら、ツチヤなりに変わろうと踠く姿は応援したくなりましたが、ツチヤのような人が職場にいたらやり難いよなぁ…というのが正直なところ。
癖が強すぎるツチヤですが、西寺をはじめ、ピンク・ミカコと周りに恵まれているのはフィクションなのでしょうか?おかんも問題はあれど、理解ある家族に見えましたし。
終始同じようなテンポと鬱々とした展開が続き、個人的にイマイチ乗り切れなかった本作の中で、ピンクがツチヤへ居酒屋で語りかける羨ましいという言葉が印象的であり共感もあったことと、ベーコンズの劇中での漫才が面白かったのが良かったところでした。
(令和ロマンがお笑い指導ということで納得!)
地獄で生きろ
今年の初映画はコレ!
天音ちゃん主演「笑いのカイブツ」
そして、ツチヤタカユキね(爆)
若様好きなので、勿論その名前は知っているのだけれど。。
もうこの人はさぁ。。
天才なのか?変人なのか?
紙一重過ぎて、凡人の私からしたら理解不能なお方なのですよ('◉⌓◉’)
それでもまぁ、彼の生み出す多くの言葉たちには何度も何度も笑わせてもらったのだけれど。
それがあれ程の狂気で「笑い」と向かい合い、追求していた姿を見せられ、正直ドン引きでした。
(いや、これは褒め言葉ですよ)
この作品は、
ツチヤ氏の精神的な弱さや
「人間関係不得意」な所を指摘し、否定しても、何の意味もないのだ!!
滝本監督の
「破壊なくして創造なし」ってコメントが心に響いたな。
ツチヤ氏の生き方はストイック
(って言葉も違う気もするのだが。。)過ぎて生き辛そうとは思う。
だけど、カイブツのまま、笑いと共に、地獄で生きるしか、生きる術が無いようにも思えるし、彼もそれを変えるつもりもないだろうし、変えられないだろう。
これからもカイブツの生み出す笑いを届けてほしい!
出来ればあの人と!(泣)
そして、、
天音ちゃんが素晴らし過ぎて震えた!!
作品のテイストはかなり違うが、パーフェクトデイズの役所さんを超える演技は当分観られないだろうと思っていたのに、まさか、こんなにすぐ更新されてしまうとは!!(当社比)
ん!待てよ!でも、役所さんも素晴らしかったしなぁ〜!!悩むわぁ〜!!って
悩む必要1ミリもないのに悩むわぁ。
いや〜腰抜けましたね!
天音ちゃん素晴らしま〜〜!!
万人受けはしないと思いますが、ワタクシ的には大満足な作品でした。
菅田君のピンクと、太賀君の西寺。
その演技力は安定感ありありで、
文句の付け所がないのですが、、
主演の天音ちゃんよりもメジャーな為、
やや、、やや、、違和感がありました。
いや、天音ちゃんはもうダントツで素晴らしかったし、しっかり主役でツチヤそのものだったのですが。。
お二人のお顔がメジャー過ぎて、
やや、、やや、、
Ya-Ya-yah٩( ᐛ )و
でもどっちもいい奴で
嬉しかったです(雑かっ!Σ('◉⌓◉’)
お母さん役の片岡礼子さんも良きでした。
そして、あまりフォーカスされていませんでしたが、水木(板橋君)の仕上がりもお見事でした♪
そうだ!入場特典で天音ちゃんのメッセージ付きポストカード貰えたよ。
「この度は笑いのカイブツを観に来てくださりありがとうございます。
どこにも反響しない声をあげていた日々が報われます。
滝本監督の巻き起こした渦を、どうか思うがままに堪能していただきたいです。」
天音ちゃん!とっても良かったよ!
なんか泣ける〜( ; ; )
今年の映画生活も楽しみです。
みなさん今年も宜しくお願いします♪
極端な社会性の欠如で非常に共感しにくい主人公
この小説はツチヤタカユキ氏の私小説であるが、多少の脚色はあるとは思うが目立って美化している部分がないところが良い。
価値観が「己れが面白いと思う事」のみで、それ以外のことへの興味がなく、他人を認める事や折り合いをつけるという事が一切できないもはや障害者レベルの主人公。
それでも奇跡的に救いの手を差し出す人が何人かおり、それによりどのように変わっていくのかを期待してみたが、結局生まれついての性分だからか同じことの繰り返しで何も変わらず。
自分としては彼を認めず排除しようとする側の人間の方に終始共感し続けながら観ていたが、同じ見方をした人の方が多かったのではなかろうか。
主演の岡山天音はもともと表情が乏しく(本人には大変失礼だがw)不気味な雰囲気の役者だが、本作でも大きく表情を変えることなく熱演。
脇に菅田将暉、仲野太賀、松本穂香などの主役級が全力でサポート。
ストーリーや演出はそこそこだが、役者の熱い演技は大変見応えがあった。
全163件中、101~120件目を表示