「全体的に説明不足」笑いのカイブツ vlomさんの映画レビュー(感想・評価)
全体的に説明不足
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本編は、主人公が既に大喜利職人として活動しているところから始まるのですが、彼の生い立ちや笑いへ異常な執着を見せる理由などの説明がなく、その辺の掘り下げがあると見やすいのではないかと感じました。
ほかの登場人物では、松本穂香演じるミカコとは主人公との発展を期待させられながら、結局何も進展がなく主人公が上京し、再会した時には彼氏ができたと言う始末で、恋愛要素が欲しいとしたらあまりにも描き方が雑に感じました。
菅田将暉演じるピンクとも、体験入店したホストクラブで先輩ホストとして出会い、なんやかんやあって彼に仕事の斡旋もしてもらうのですが、帰阪し再会した際にはなぜかホストをやめて居酒屋で働いていました。その辺りの描写ももう少し欲しかったなと感じました。
また、上京して紆余曲折あり、心身ともに打ちのめされて大阪に帰ってきた主人公が、ピンクが働いている居酒屋で、他人と自身の評価のギャップと自身が抱える苦悩や葛藤で号泣しながら吐き出すシーンが盛り上がりの頂点で、その後は尻すぼみな印象が拭えませんでした。
総評して、原作をしっかり読んだ人か業界人向けの映画なのかなと感じました。映画から見る人には圧倒的に説明不足です。
しかしながら、俳優たちの演技は素晴らしく、特に岡山天音の鬼気迫る演技は圧巻です。彼らの素晴らしい演技だけでも見る価値はあると思います。
ですが、演技抜きにしたらイマイチな映画だと感じました。
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