劇場公開日 2021年11月19日

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「何が起きてるのか…。戦争だ。」1941 モスクワ攻防戦80年目の真実 MARさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0何が起きてるのか…。戦争だ。

2021年11月28日
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泣ける

悲しい

興奮

1941年、モスクワへと進行しようとするナチスを止めるべく、兵力不足の中集められた若き士官候補生たちの闘いの物語。

今年も数多く公開されている戦争映画だが、近年では珍しく、迫力ある戦闘シーンが多く描かれつつ、ロマンスや戦場での絆、悲惨さもバランスよく描かれている作品。

序盤は、主人公ラブロフと友人のディミトリ、ヒロインのマーシャを中心に物語の基盤が作られていく。戦争さえなければ通常の青春を送っていたであろう3人の描写が、哀しくも爽やかだ。
それだけでなく、家族を残し戦場に赴く父親、息子を戦場に送り出す母親…形は様々だが、愛する者達との今生の別れとなり得るシーンはどれも身に刺さる。

中盤以降は、人間ドラマと戦闘を少しずつ交互に見せながら物語は進んで行く。
砲弾で散りゆく者、銃弾に倒れる者、近接戦で刺され撲殺される者、或いは紅蓮の炎に焼かれる者…儚く散りゆく命達よ…。。どれも悲しかった。

上官達の悩める会議も見所。圧倒的兵力を向こうに回し、若き兵を前線に送らなければいけない決断。お母さんの気持ちも痛いほどわかるし何も間違っちゃいないけど、誰が大佐を責められようか…。

前述の通り、戦闘シーンはかなりの迫力‼
敵戦車砲身と目が合う度、背筋に冷気が走る。現場では当然こんなもんじゃないんだろうな。
それでいて、命がけのパイナップルやパンチからの「野蛮だと…」はちょっと笑ってしまった。

ロマンス面もグッド。ロシアン美女の美しさは約束されたようなもんだから改めて触れませんが、3人の関係がねぇ~。マーシャと幼馴染のハグを目撃してしまった後の男同士の熱い抱擁、染みたなぁ。そして別れの時、最後の質問にマーシャ…よく答えたッ‼ここはガチでジ~ンと来ちゃいましたね。

あとは、個人的にマーシャより推しの彼女(すみません名前忘れちゃった。。)のシーン。やりきれねぇ…。兵士だけではなく、彼女達には彼女達の厳しい闘いがあったんですよね。

んで、ベストシーンはやっぱり最後の一撃。こういった兵士達の尊い犠牲のもと、モスクワは守られたんですよね。ソ連って聞くと正直良いイメージは無いけど、個人一人ひとりを見れば大切な人、国を想う気持ちは誰も一緒ですからね。

そしてちょっと驚いたのは、この時既にミサイルってものが存在していたんですね。勿論近代のような性能ではないけど、抜群の効果を挙げていて印象的だった。

強いて言えば、登場人物が多すぎてちょっと誰が誰だか見失いがちだった所や、戦闘でもうひとつココだ‼っていうシーンがあればなぁと思ったかな。

とは言え、昨今の戦争映画の中でも、哀しみや興奮等々の全ての感情を揺さぶられたし、面白さが安定しないイメージのロシア映画だが、これは本当に面白かった。

毎度同じ締めになりますが、またきな臭くなってきたここ最近、どうか同じ過ちを繰り返さぬように。

MAR
bloodtrailさんのコメント
2021年11月28日

MARさんへ
あれはロケットですね。ロケットに誘導装置が付いたらミサイルです。ドイツ軍もロケットを実戦で使ってます。ロンドンはドイツ軍のV2ロケットによる空襲に苦しめられました。

bloodtrail