ファイター、北からの挑戦者のレビュー・感想・評価
全33件中、21~33件目を表示
心情を汲むような映画
主人公の女性は20代後半の設定かな。思春期のような反発心と大人としての耐える振る舞い。派手さもなく、表情も終始固く厳しいが、汲み取れる心情に心掴まれる。
北の人は皆特殊部隊のセリフがウケた。
あと、遊園地のシーンの仄かに溢れる年頃の女性らしい表情も良かった。
ラストもジーンと心温まる。
やはり、韓国映画は良い
ストーリーも良いが、何より、余計な状況説明抜きに、顔をアップし続けるカメラが良い。
言い換えると、顔の表情で演技する韓国の俳優の力量が、素晴らしい。
特に、主演のイム・ソンミ。館長のオ・グァンロクもしぶい。
脱北者の幸せへのストーリー
苦手なドキュメンタリー風ではあったが、凄く物語が好みだった。人が幸せに、勝ち上がっていく姿は良いものだ。
どん底の北朝鮮から、脱北者と呼ばれる韓国生活の中、奇跡は起きる。
お母さんへの恨みと、甘えたい気持ちの交差が何とも切なく伝わった。
お母さんのスマナイと言う気持ちも切なく。
テスはイケメンでいい人。彼に出会えたのも良かった。
ラストは最高にハッピーな気分になれたが、
デビュー戦勝利、母さんと皆と喜び合ってエンディングが良かったなーって。願望。
期待通りの良い映画でした。
満足!!
少しわかりにくい点もあるが、今週は意外にもこの作品は超お勧め。
今年175本目(合計239本目)。
------
(※)映画の趣旨通り、「韓国」「北朝鮮」という表記をしますが、それについて差別意識はない点は断っておきます。
------
大阪市では韓国映画といえば、シネマート心斎橋さんなのですが、テアトル梅田さんでした。テアトル梅田さんはどちらかというとフランス映画のほか、学術系映画や「考えさせる映画」を放映するところがあり(逆にシネマート心斎橋さんは、笑って楽しんでなんぼ、という映画が多い)、「あれ?シネマート心斎橋さんじゃないの?」と思って、まぁテアトル梅田さんに行ったのですが、なるほどね…と思いました。
そうですね…。「単純に」割って話をするなら、2021年の「野球少女」(韓国映画/女性がスポーツに挑む映画)と、2021年(?)の「BLUE」(日本映画だっけ?/ボクシングをテーマにする映画)を足して2で割ったような映画ということになろうかと思いますが、そこで、タイトルにもある通り、「脱北者」という側面が入ってきます。なので、「単純で2で割った映画」というわけでもなく、ボクシングの描写も薄目で、どちらかというと上記に書いているように、韓国国内における脱北者の人権やあり方を描写する映画のように思えます。
日本でも時々、特にこの時期(11月~2月、要は、冬)には、北朝鮮籍の漁船が日本海まで漂流して脱北者の方が乗っていることがニュースで取り上げられることがあります。日本は北朝鮮を国として承認していないという事情、さらに、「北朝鮮からの脱北行為にあたるとしても、北朝鮮に送り返すのは人道的にまずい」(最悪、諸外国からパッシングを受ける)という事情から、中国を通して韓国に送り返しているのが実情です。日本はそうですが、北朝鮮→韓国の場合、主に中国を経由して脱北する類型が多いようです。
意外だなと思ったのは、韓国では北朝鮮を余り敵対視することなく「未来は一つの国になれたら良いですね」という形で、あまり刺激しない形で教育されていると思ったところがあったのですが、韓国国内でも脱北者に対するイメージは良くないのか、中にはかなり差別的な思想の持主の方もいるようです(ただ、それは日本の「思想良心の自由」と同じで、一定程度は仕方がないし、思想を国が強制することは、民主主義である韓国においても、当然できない)。
本映画が日本で公開されたのは、韓国における脱北者の人権の在り方などを伝えるという趣旨もあると思うのですが(もっとも、それは韓国では常識扱い?)、より広く、「脱北してきた方の韓国での扱いを広く知って欲しい」という趣旨にも思えます。それは直接的には私たち日本人がかかわることではないですが、行政書士の方や合格者の方には、外国人問題にアンテナを張っている方も多く(私は後者の類型)、このような映画が公開され見ることができたこと、それ自体が良いことなのだろうと思います。
映画そのものは完全に架空のお話ですが、脱北してこられた方が韓国国内でバイトだの何だのやっても経済的に詰まってしまうことは明らかで、あのように「ビッグマネーを夢見て挑戦してみる」というのは十分ありうる話であり、また、韓国国内における脱北された方の描写についても概ね妥当な描写がされているとは思う点で「史実ものではないが、それに準じるか、ないし、広く、脱北(きわめて広く言えば、難民問題)された方のことについて隣国(=日本)でも考えて欲しい」という点は理解でき、その点は十分理解できました。
※ 北朝鮮からみて、隣国は、ほか中国とロシア(海を考慮すれば、日本も該当する)がありますが、中国やロシアで公開して「人権意識を…」と言っても難しい点があるのもまた事実で(人権に対する考え方がまるで異なるため)、そこは「日本で公開された点」に意義があろうかと思います。
評価は満点にしようかと思ったのですが、下記のみ気になりました。ただ、大きな傷ではないので、七捨八入で満点にしています。
----------------------------------
(減点0.1) 序盤に「支援センター」という表現が出ますが、そこで何をやっているのか…という描写が薄いです。韓国には「北朝鮮離脱住民の保護および定着支援に関する法律」があり(日本語表記は、大阪市立図書館の調査結果に合わせています)、それに準じて、韓国で暮らすことを前提として、およそ2~3か月、「韓国の国語」「韓国における生活のルール」などを教育した上で、アパートと500万ウォン程度(日本円で50万円相当)が支給され、3~5年でさらに分割支給されるそうです。
※ もちろん、明らかに犯罪組織の脱北に対しては適用されず強制送還されるようですが、法の趣旨からして「多少の犯罪行為」は甘く審査されているようです。
序盤に「ここが住むことになったアパート」といった点や「まだ韓国語に慣れていないの?」というセリフはこれを反映したもので(2~3か月で、韓国語を完全にマスターするのは難しい)、この点はやや説明不足かな…と思えました。
(減点0.1) ストーリーとしてボクシングの要素は少なめですが、出ることは出ます。ただ、ボクシングジムなども含めて看板の大半に翻訳がありません。大会なども含めてです。もちろんボクシングがテーマなので、韓国語で何が出ようが「勝負」とか「反則」とか「ジム」とか「大会」とか、そういう表現である点は容易に推測できますが(そして、それが何であろうと、あまりストーリーには関係しない)、翻訳がある場所もあり、バラバラかな…という点は思えました(ただ、理解できないわけではないし、理解するもしないも、それが何であろうと関係はないし、推知できる範囲なので、「翻訳不足」という減点もこの程度)。
----------------------------------
本映画を通じて、北朝鮮のような「人権概念」が支離滅裂な国からの脱北者(というよりは、広くいえば、国外を逃亡した人)に対する理解が日本でも深まれば…というのが、将来、外国人業務を扱いたいなと思う行政書士試験合格者のひとりからの感想です(もちろん、日本国内でも支離滅裂な犯罪行為をする人は、国内でも厳しく罰さなければならないのであり、その点は別途考えるべきこと)。
ボクシングと人生は、似ている。
脱北者のボクシングのサクセスストーリではない。
それを望むなら観ないほうがいいかも。
北から来たジナは、食べるために、仕事が必要だ。
夜の仕事はしたくない。ボクシングジムの掃除の仕事で
その才能を見出される。目的は、やはりお金だ。
その事情は、話が進むにつれてわかる。最初はなかなかわかりにくい。やはり、女性を食い物にしたい不動産屋もいたりしたり、韓国女性の横柄な態度にも辟易する。
人生とボクシングには、共通点は多いと僕は思う。
リングに上がれば、頼りになるのは、自分だけだ。
世の中もみな透明のパンチを繰り出してくる。
だから、彼女の闘いは続く。ラストは、海岸のシーンに光を感じたのは、甘い?
遅れてきた中2病
脱北者支援センターを出て一人暮らしを始めた女性が、ポクシングに興味を持つようになる話…?
支援センターで紹介された食堂で働きつつ、脱北して中国にいる父親を呼ぶ資金を稼ぐ為、ボクシングジムの片付け仕事を掛け持ちするようになり巻き起こっていくストーリー。
ポクシングがうんたらかんたらとなって行ったけど、ボクシングの描写がヤケに荒いし…ポクシングには階級ってあるんですけどね…って、あれ?
母親との確執の話でボクサーである意味が余りなく、戦う人っていうのと掛けたかっただけか?
しかも粗暴で謝罪もお礼も言えないヤツが何と戦っているんだ?怒りの矛先間違えないでね。
自分からチョロチョロ顔だすくせに、来られたら迷惑がったり良くわからんし、助けて貰ったって聞いたのに良く顔出せたっていう妹も良くわからんし、その割にその場だけで終わりだったり、テンポも悪いしストーリーの流れも悪いし、まとまりが悪くもイマイチ沁みて来なかった。
無音が長いけど
主演を始め様々な人たちにフォーカスしたまま無音状態のシーンが繰り返される。
何が起きるのだろうか?と目を凝らすが、目立った変化はないまま時間が進む。
結局、館長とテスの優しさに救われながら少しづつ主人公の心が緩んでいくのかな、という感じです。
百円の恋とは違うテイストだったけど、これはこれでありでしたね。
脱北事情がもっと理解できていればもう少し感情移入できたのかも、でも緊張感があって悪くなかったです。
【"私の名前はリ・ジナ。韓国人達は私を脱北者と呼ぶ。私の闘いはまだ終わらない・・。"一人の女性が同民族の"異国"で、ボクシングに希望を見出して行く作品。】
- リ・ジナ(イム・ソンミ)は、冒頭一人で海を見詰めている。深い哀しみを湛えた表情で。
そして、この作品からは3万人を超えると言われる、脱北者が抱える、”絶望と希望”が仄かに見えてくる。-
◆感想
・全編、抑制したトーンで物語は描かれる。
- この風合いがリ・ジナの哀しみを表現している。-
・愚かしき、脱北支援センターの職員の行為。食堂の仕事だけでは生活が厳しく、ボクシングジムの清掃作業も始めるリ・ジナ。
- 韓国に置ける脱北者の実情が垣間見える。だが、ボクシングジムのトレーナー、テスと館長はリに、然り気無く優しい。
テスが、言っていたように、彼らもボクシングによって人生の希望を見い出したからであろう。-
・ボクシングジムに通う韓国人女性達のリ・ジナに対する馬鹿にした態度に、毅然としたセリフを吐くシーン。
- リ・ジナの激しい気性とプライドが分かる。そして、スッピンのリ・ジナに対し化粧バッチリの韓国人女性達の姿の対比。-
・幼き、リ・ジナと父を昔、北朝鮮に置いて、一人脱北した母と再会するシーン。憎しみと哀しみが入り交じったリ・ジナの表情。だが、母も同じ想いだった・・。
- 母が語った"大都会に憧れた女の子の話。-
<ラストシーン。
海辺に立つリ・ジナの傍らには、優しきテスが、寄り添っている。彼女の未来には、数々の障壁があるであろう。だが、彼女はもう、一人ではない。今作品は、派手さはないが、ボディーブローのようにジワリと沁みる作品である。>
□今作は、イム・ジナさんの脱北してからの、表情の変化が印象的な作品であったが、資料によるとイムさんは、俳優生活14年目にして、初主演。そして、今作は、釜山国際映画祭でプレミア上映され主演女優賞に輝いたそうである。
頑張る人は、いつか報われるのだなあ・・、と思った作品でもある。
女版ボクシングにかけろ!
北朝鮮から韓国へ渡ってきた若い女性の物語。バイトでボクシングジムの掃除を始めるが、ボクシング自体に興味を持ちトレーニングを積みプロを目指していく。自分を捨てて韓国に行った母親との確執や葛藤が描かれる一方、詳細は語られないので感情移入は難しいか。トレーナー役の男性俳優がいい味を出しており、遊園地のシーンではほっこりさせられた。
静かな怒りを溜め込み懸命に生きる姿
試写会で拝見。
104分とコンパクトにまとまっていて、見応えのある作品。
設定は今風な韓国映画。
「脱北者の生きづらさ」
「若者の生きる場所・生き様」
「離れ離れになった家族の再生」
などがメインテーマ。
ただし、展開はまるでスポ根アニメっぽい。
館長役のオ・グァンロクが、隙あらば酔っ払いつつ、ボクシング狂ってあたりが丹下段平っぽい。
脱北者のジナは女性版のジョーっぽい。
他の選手たちを放っておいて館長がジナに入れ込むあたりは、『エースをねらえ!』的。
ジナ役のイム・ソンミが、理不尽な出来事に出くわしたときや、試合に負けたときに怒りを内側に溜め込み、感情を抑え込むあたりの演技がすごく引き込まれます。
スポーツもののままなら勝利と栄光をつかむところで終わるはずですが、ボクシングは怒りを発散しつつ、自分が生きていくための「手段」でしかないので、それが終着点ではありませんでした。
そこがまた、上手い作品でした。
愛の不時着に出演されてたそうです
2021年10月28日
映画 #ファイター、#北からの挑戦者 (2020年)鑑賞
試写会 by #FansVoice ありがとうございました
タイトルどおりの内容で、脱北した若い女性が主人公のお話です。
#イム・ソンミ の抑えた演技がとてもよかったです。
同じ民族でも離れてるといろいろ違ってくることを実感しました
全33件中、21~33件目を表示