「ギャグ」キャンディマン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ギャグ
まさかの大スクリーンかつ音質の良い劇場でこの作品を観れることにまず感謝し鑑賞。評判が芳しくはありませんでしたが、自分はめちゃくちゃ楽しめました。
オリジナルのキャンディマン3部作は全く知らないのですが、その前作を気にしないでも鑑賞出来るのは美点だなと思います。
キャンディマンの挙動が中々に面白かったです。昨今のホラーは突然出てきて驚かすというのが定番になっていますが、キャンディマンは5回呼ばれたあとに殺しにくるので、鏡にニュっと映ってそこから殺しにかかってきます。とっても安心仕様でビビりな自分への救済措置でした。殺し方はかぎ爪で首やら足やらを引き裂くという感じでパターンこそは少ないですが、一撃一撃の殺傷性が半端ないので飽きることはありませんし、画面がズームアウトしながら殺すという斬新な魅せ方もあり、工夫してるなと思いました。
主人公アンソニーがキャンディマンになっていく過程の手を切り落とし、鉢を纏い、かぎ爪を突き刺すという荒唐無稽なことを平気でやってのけるあたり映像映えしていてとても見応えがありました。
ジョーダン・ピールらしい社会派ホラーにも仕上がっており、血統や伝統の縛り、人種間の問題もホラーを食いすぎずに描いてあるので、胃もたれせず観ることができむす。
あと途中途中挟まれる影絵のクオリティが素晴らしいです。人力と分かりやすいけれどテクテク動きますし、エンドロールも一切飽きさせずにストーリーを影絵で振り返っているのも凝っているなと思いました。
正直色々な設定はガッタガタだと思います。名前を5回言ったら死ぬというルールは途中から言ってもないのに関連人物は雪崩れる様に死んでいきますし、アンソニーの母親はいくらなんでも若すぎますし(お姉さんがジャスト)、謎の空飛べるよ飛び降りお父さんだったりと割と難解なものがありました。
でもそこを除けばサクサク進むテンポのいいスラッシャーコメディとして楽しめました。下手したらDVDスルーされそうな本作を大スクリーンで楽しめるなんて貴重な機会、そうそうないので噛み締めておきます。♪キャンディマ〜ン
鑑賞日 10/16
鑑賞時間 18:50〜20:30
座席 R-27