PITY ある不幸な男のレビュー・感想・評価
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【思い出したこと】
人に同情してもらうために隠れて自傷したり、身体の不調を訴えるのは「ミュンヒハウゼン症候群」だ。同様に、子供を傷つけ、自身に同情を得ようとするのは「代理ミュンヒハウゼン症候群」だ。
この両者とも微妙に違う主人公を眺めながら、最近、テレビの番組で放送していた秋葉原通り魔事件(2008年6月)のことを思い出していた。
他の人とうまくやっていけなかった犯人が、ネット掲示板で、自分をブサイクとか、結婚などできないと卑下しながらも、他人から注目されることに希望を見出していく。
しかし、自分に好意的な投稿をする人に会いに行くために申請した長期休暇を会社から断られると退職してしまう。
そして、掲示板の投稿者と会うために旅行を繰り返すが、思ったようにいかず、自殺をほのめかすも、投稿者に思いとどまるように説得される。
その後、再就職し再起を図るが、ネット掲示板への依存は変化せず、ついに、ネットの所謂「荒らし」の標的にされ、投稿者が自分から離れていくのを目の当たりにして、被害妄想の占める割合が高まり、職場でのちょっとした自身の勘違いをきっかけに狂気が爆発し、犯行に及ぶことになる。
この映画の主人公は、同情・親切のみが社会と接する窓口で、それは受け取るだけで、実は、他者には口だけで、施すことなどない。
突如として大音量でバックグラウンドに流れるクラッシック音楽や、この主人公の叫び声は、ネット社会に鬱積した怒りとも狂気ともつかない感情のようにも感じられ、背筋が寒くなる。
目の部分が裂けている映画のフライヤーは、相手のことを知る由もない現実を表現しているのだろうか。
こうして、怒りや狂気は蓄積されているのかもしれない。
やや解説不足は目立つが、他に比べれば…+(おまけ)他作品との兼ね合いなど
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(※) 採点上、特定の他の映画の話をどうしてもせざるを得ないのですが、それは採点・評価の上の話であって、その「特定の映画」についてどうこういうつもりはないことは断っておきます。
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今年139本目(合計203本目)。
今週、この映画館をやっているのはミニシアターが多く、今週(先週の金曜日から、の意味)では「特定の問題」(※/以下、※と書いた場合、採点最後の「他事考慮」の部分です)を考慮する必要があります。
この映画はまず理解の難しい映画です。ここの特集や予告で「妻が不慮のトラブルで昏睡状態になって、最初はその夫(主人公)をあわれんで、いろいろサービスしてくださったり(あのケーキ、おいしそうですね…)していたものの、どんどんとその興味関心が離れていくどころか避けていくようになると、主人公が発狂して…」という趣旨になろうかと思います。
より詳しくは、おそらく医学的にはああいうのは何らかの精神疾患になるのでは…と思うのですが、そこまで映画内で描かれていませんし(お医者さんがそういう趣旨のことを話すシーンはない)、そこもセンシティブな話なので避けておきます。ただ、パンフはあってもよかったのだとは思いますが、仮にあっても…(以下、他事考慮にて)。
日本では珍しい類型の映画だと思うし、確かに扱う範囲としては非常にマニアックで、理解がしがたい点が多数あるのも事実ですが、一応ストーリーが成り立っているとは思える点(ただ、やはり、理解は難しい…)などを考慮すると、「文化が違いすぎて(観た方はご存じと思いますが、日本から遠く離れた国の2国合作映画です)理解できなくても仕方なし?」という類型にも思えます(それで説明が長くなりすぎて180分コースとかというほうがまたコロナになるのもあれなので)。
評価ですが、下記が気になったところです。
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(減点0.3) 上記に書いたように、ミニシアター中心で事前の情報を得にくいことと、何を言わんとするか理解が難しい(ただ、支離滅裂ともいえない)ところはあります。
ただ、この映画、アメリカ映画でもありません。つまり英語ではないので、字幕の抜けなども補えません(ギリシャ語?)。その割に、主人公がピンクに近い白色のシャツを序盤にきていたり、ピアノを弾いたりするシーン(いずれも、背景が白くなる)で、字幕が完全に同化している(そこで、さらに常用漢字外の読みにフリガナがふられていても、読めない…)ところが少なくとも3か所あります。
こういう点はちょっと惜しいというか、「趣旨的に理解しがたい」上に、さらに混乱を招くので、何らか工夫(当該部分は字幕を縦にするなど)が欲しかったです。
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(減点なし/他事考慮) この映画はこのような理由で、理解が非常に難しい映画です。よって、パンフレット購入などは必須になるのではないか…と思えます。ただそこで問題になるのは、この映画がミニシアター中心というところ(大阪市では現在2つ)。
そこで問題になるのは、まぁ、名前は出しませんが、「アニメ映画に一応は分類されうるが、およそ子供はいかないであろう映画」をミニシアターがどんどんやっていて、「パンフレットすら買えない」状態にある点です。中には、シアターが2つで、1日12放映のうち4放映が「その映画」というところさえあり、グッズ売り場の大半が「その映画関係」になっている状態で、パンフレットはどこですか?というところさえ苦労します(その「その映画」を見た「特定の方」がざっと集まるので、近寄ることさえできない)。
来週(厳密には、暦では今週の(金))からも同じ状況で、いわゆるミニシアターでやるような映画も1日1回等となっており、それらが妙な時間帯に振られているかと思えば、「その映画」はやはり4回もあって「英語版」まであったり(誰が見に行くの??)、「なんだかなぁ…」というところです。
去年(2020)の1回目の緊急事態宣言では有無を言わさずミニシアターも全部しめさせたため、抗議が殺到して ミニシアター中心で save the theater (映画館を守ろう)という活動をされていたのですが、それ自体は趣旨も理解するものの、今度は一応、憲法上、営業の自由(22条)などあるとはいえ、「「その映画」の類型ばかり」延々と流されたら、さすがに次に何かあって save the theater だの何だのになっても、それでは賛同を得がたいのではないか…(一切流すなというのではなく、他の作品との放映バランスが極端にアンバランスに過ぎる)というため息しか出ないです。
この映画はこのような「その映画」をミニシアター中心に「同時に」、今週も来週もずっとやるとなると、ただでさえ理解が困難な映画がさらにパンフレット購入などに支障をきたすほど集まり始める状況と化しており、パンフも買えないとなると、正直どうしろという話で、「妙なところで」減点した方もいるのではないか…と思います。
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映画観ちゃった、こっちの方が不幸だよ
タイトルなし(ネタバレ)
幸せとは?
自分を満たすこと?一度味わってしまった刺激が忘れられず、刺激を求め無理やり自分から手を下す。
心配される、同情される。それが、されたいに!
麻薬にハマる様な〜 感覚なのだろうか。
流れよわが涙、と弁護士は言った
タマネギで充分です。
ある不幸になりたい男 が正しいかな
Shout at the 主人公
最後のオチが残念。主人公の狂気の先が予想の範囲で面白くない。トラウマになりそうな惨劇か、斜め上をいく笑いで驚かせて欲しかった。
何度も寝落ちしたくらい退屈なシーンが続くが、ときたま目を見張るような面白いコメディが登場する。一番笑ったのは、主人公が秘書と一緒に殺人現場を再現するくだり。大音量のメタルミュージックをバックに秘書がハイトーンの叫び声を上げ続けるんだけど、ここは間違いなく5億点。主人公が、この秘書にハグしてもらうところもいい。身長差に思わずクスッととくる。
他にも、奥さんが死んだ時のためのレクイエムを息子に歌って聞かせるところもシュールで笑った。
なんか惜しいよね。何かが加わったら傑作になりそうな気がするんだけど。
奇跡を受けとめられないオジサン
ギリシャのお家、各部屋、病院、オフィスが素敵だった。壁も床もドアも窓も家具もリネンも絵画も食器も美しい。ギリシャの朝食もイタリアみたいに甘いのなんだ。海も空も緑も美しい。
「テーラー」が好みだったのでギリシャの映画ということで見た。同じ南欧でオリーブオイルと海がある国でもスペインやイタリアとも違って、ギリシャの人は物静かで寡黙であまり群れない気がする。松脂入りのワインやウーゾという面白いお酒もあるギリシャ料理は美味しい!
人からの同情や賞賛や共感を一身に受けたい人っていますね。でもある事柄が原因のようにも思うので、妻が昏睡状態になる前の彼はどんな人だったか知りたい。定期的にスポーツする友達もいるし父親とも仲良さそうだし。
繰り返し流れる息子のピアノ練習曲ソナタ!自分には悪夢だけど懐かしかった。ある映像にかぶせられたカール・ベーム指揮のレクイエムは重厚かつ大袈裟な演奏でとても効果的で笑えた。音楽と映像の合わせ方は他のシーンでも面白かった。
スーツ一式のクリーニング代が42ユーロって高い❗️ギリシャより物価が安い日本って大丈夫?!
変わったストーリー
息子とそこそこの家に住み、礼儀正しく、身だしなみも整った弁護士の男性は、不自由の無い暮らしを送っているように見えていたが、彼の妻は事故で意識不明の状態で入院していた。彼は、妻を思ってベッドで泣く事から1日が始まっていた。そんな彼の境遇により、周りの人達から同情され、ケーキの差入れをもらったり、親切にされ、それが彼の心の支えとなっていた。ところが、妻が奇跡的に目を覚まし、自宅に戻ってきたため、悲しみに暮れる日々や同情が得られなくなった。
同情を得られなくなった男は、息子のピアノの調律を乱し普通に弾いてもおかしな音にしたり、飼ってた愛犬をボートで沖に投げ置いたり、自分の父や妻を殺すという狂気の暴走を始めてしまった、という話。
前半は同じことの繰り返しで退屈な話だったが、妻の意識が戻ってから急転直下、激動の変わったストーリーを観る事になり驚きだった。
主人公がとにかく無表情で不気味だった。
途中で何度か入るBGMの曲が大音量でうるさかった。なんとかならないものかと思った。
原題のPITYって英語なら、残念、って意味なんだろうけど、ギリシャ語?ポーランド語?なのかな?どういう意味なんだろう?
もう少しわかりやすいものを求めてはダメですか?
代理ミュンヒハウゼン症候群とは、自分に周囲の関心を引き寄せ、自らの精神的満足を得ようと障害行為におよぶ精神疾患。たまに映画やドラマ、世界の事件簿みたいな形で取り上げられることも増えきたので私も知るところとなった。
本作の主人公は、妻が事故にあって昏睡状態という設定。そりゃ周りは同情するし、彼を励まそうともする。でも奇跡的に妻が意識を取り戻し健康体に戻っていく。でも、それは彼にとってハッピーな流れではなかったというお話。まさに代理ミュンヒハウゼン症候群のお話だ。
そこから主人公の男がどのように狂っていくのかがこの映画の肝のはずなのになんだかボヤッとした描写。大きめの音楽がグワァーン!って鳴るのがその象徴的なシーン?わかりづらいのよ。
主人公家族の名前が全然出てこない(覚えていない)。覚えてるのはクッキーという犬の名前だけ。ラストシーンも含めて、そこらへんに何かしらの意図があったのかもしれないがまったく伝わってこなかった。色々と面白いシーンもあっただけにもったいない。
すっごく変‥
『ロブスター』『聖なる鹿殺し』のエフティミス・フィリップ脚本作
この2本はすごく面白かったので見てみた
「昏睡状態になってしまった妻を見舞う夫」という状態に精神的に恍惚感を感じてしまった男の話‥
うぅー??変な話だったなあ。
共感もなんもできないし、主人公、最初から狂ってたんじゃないかな?
すごく淡々とした静かな映画だけど主人公の男の感情が動くと爆音で音楽が鳴り響く‥
うーん?この脚本家らしいすっごく変な作品‥
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