「マフィアと戦争と大河ロマンと美しき女優」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海 バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
マフィアと戦争と大河ロマンと美しき女優
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2016年の映画だから5年も経ってからの日本公開。しかも地元には来なかったのでDVD視聴だったから、観るのがさらに遅れた。目当てはもちろんチャン・ツィイー(笑)。
日中戦争勃発から太平洋戦争終結までの時代の上海マフィアを題材とした映画なんだが、あんまりギャング映画という感じではなく、後半は戦争色がどんどん強くなる。だからといって戦争映画というわけでもなく、何て言ったらいいんだろ? 大河ロマン的ドラマ映画とでも言ったらいいんだろうか。
最初から40分くらいはベテラン俳優グォ・ヨウ演じるギャングの大物とその妹婿で日本料理店を営む浅野忠信を中心に話が進み、チャン・ツィイーが全然出てこない。客寄せパンダ的顔見せ出演か?と危ぶんでたら、浅野忠信もあっさり殺されてしまい、え? もう?と思ったんだが、そこから一気に2年前に話がさかのぼり、チャン・ツィイーが登場。やはり彼女が出てくると一気に画面が引き締まる。絵になる女優というか、とにかくめちゃくちゃ美しい。そこまでの40分は話が見えづらい上に妙に淡々とした作風で、正直ちょっと退屈だったから、これはハズレかなあと思ってたんだが、そこからは話もいくぶん引き締まり、まあまあ面白く観ることができた。とはいえ時系列や舞台が錯綜してて、あっちこっちにやたらと話が飛ぶので、今一つストーリーがわかりにくい。主演3人以外の役者の顔が似てて見分けが付きづらいのもわかりにくさに拍車をかけている。それでも主演3人の好演と、歴史のうねりを絡ませた作品の雰囲気で、それなりに面白くはあった。
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