RAMEN FEVERのレビュー・感想・評価
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たかがラーメン、されどラーメン
この映画には主に3つのラーメン屋が登場します。NAKAMURA(ニューヨーク)、AFURI(恵比寿)、とら食堂(福島)。前者2店の中村兄弟のストーリーが骨格を形成し、彼らの家族や、とら食堂のご主人たちが脇を埋めてくれます。中盤で、NARISAWAの成澤シェフが登場したところで、突然、この映画の格が上がった感じがしました。「私にとって、ラーメンなんてどうでもいい。中村さんが作っているから食べるんだ」……シビれます。会社が恵比寿にあった頃、AFURIはよく通いました。緊急事態が明けたら、とら食堂に行こうと思います。エンドクレジット最後まで見ましたけど、「BEYOND RAMEN」という続編もあるんですかね?
【世界に広がるNIPPONのラーメン。世界各国のラーメン事情と、「中村屋」の中村比呂人と中村栄利兄弟とその家族の生き様を捉えたドキュメンタリー映画。】
ー ラーメンって、いつからワールドワイドな食べ物になったのだろう。 今や、京都に呑みに行った後にラーメン屋に行けば、海外の方が行列を成している。 今作は、そんなラーメンに憑りつかれた人たちの姿を追ったドキュメンタリーである。ー ◆感想 ・今作では、前半は世界のラーメン事情が描かれる。アメリカの方が語るのは、伊丹十三監督の名作「たんぽぽ」である。 少し、驚くとともに、嬉しくなる。 あの映画で、宮本信子さんが演じたたんぽぽが、山崎勉さん演じるトラック運転手のゴローに淡麗な醤油ラーメン作りを指導し、斬新なデザインの店内がお客さんで一杯になる様は痛快だったモノである。 ・今作で紹介される海外のラーメンは、それはそれは、美味しそうなものばかりであり、店内の装飾も綺麗で、ビックリである。 そして、美味しそうにラーメンを器用に箸を使って食べる人達の姿。ホントに、ラーメンって今や世界に広まったのだなあ、と思う。 京都の祇園で呑んだ後に、若い頃はラーメン屋に行ったものだが、今ではそのラーメン屋には多数の海外の方が並んでいるようになったのは、10年くらい前からかなあ。 ・今作ではとら食堂の、正にラーメン職人の様な主が語るラーメンについての情熱がビシバシ伝わるシーンと、今作の主役である中村比呂人と中村栄利について語る、”世界にラーメンを伝えようとする”姿へのエールが心地よい。 ・個人的には、若い時に知った有イタリアンシェフの山田宏巳さんの、お元気そうな姿を実に久しぶりに観れた事が嬉しかったな。人気絶頂の時に、色々有った方だが。 この方のレシピは”ラ・ベットラ”を経営していた落合さんと並んで、(とても作れないが)料理本を買っていたなあ。 ■けれども、今作はヤッパリ中村比呂人と中村栄利兄弟が語る夫々の想いが面白かったし、とら食堂の主同様に、真剣にモノ作りをする心意気や、二人が抱えていた確執などまで、突っ込んで描いていたのが、良かったかな。ご家族を含めてね。 <今や、NIPPONのラーメンは世界の食になっているが、今作を観るとその一端が伺えて、とても面白かったラーメンドキュメンタリー映画でありました。>
複雑な味わいを醸し出すラーメンのスープみたいな作品
料理とはその人の性格を映す鏡であり、その人自身が歩んできた人生を知るためのツールである。 …っていう蘊蓄垂れる話ではなく、職人同士の拳舞う戦いと嫉妬とリスペクトと母への尊敬とおのれクソ親父味を全部ぶち込んだ複雑な味わいを醸し出すラーメンのスープみたいな作品。 とは言っても、自分、日頃は全然ラーメン店には食べに行きません。職場で五分で飯を食ってこいという状況になった時にカップ麺に手を伸ばす程度。 なお、今作に出ているAFURIの柚子塩ラーメンはストレスで胃がむかついてる時にお世話になりました。正直、この作品を観て初めてあの店かと思い出した。さっぱりして美味かった。 じゃあ何で行ったかと言うと、映画自体が面白そうだったもんでつい(身も蓋もない)。 構成としては期待以上でした。凄く観やすくテンポが良い。あと曲も気になりました。 個人的にはvs弟対決を思い出し、涙ぐむお兄ちゃんの絵を尺カットせずに流していたところ。 ラーメンもそうですが、この映画自体監督さんの人間性が溢れてるなと感じました。今のところ、今年観た邦画のドキュメンタリー物の中ではかなり上位です。 なお、この作品のおかげでラーメンに興味を持ちました。 個人的に麺を機械でなく人力で作るとら食堂さんが気になったので、福島に行った時には立ち寄ってみます。
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