理大囲城のレビュー・感想・評価
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すげえ。よく撮ったな。
やっぱり死ぬ気でおるやつも…
この学生たち、どのレベルで関わっていても、自由の為に必死な様は胸を打つものがあった。
中国政府に対して日本はすることがもっとあるはずなのに、こういうことが大きく報道されないまま。日本も別の面でやばいのか終わってるのかもしれない…
よく撮ったよなぁ! よく公開までもってったよなぁ! 今日本で公開してくれてるミニシアターにも感謝しかない。
時間が経つにつれ、中にいる人たちの疲労や困憊が伝わってくる。 ...
時間が経つにつれ、中にいる人たちの疲労や困憊が伝わってくる。
興奮し、中での激しい言い合いのシーンは、胸を打たれる。
警察が意味不明な音楽を流しているのにびっくりした。
高校生など若い子がたくさん参加していたのにも驚く。
香港人の闘い方から学ぶ
理大囲城
武装警察に包囲され閉じ込められた大学の中側からの映像。英語タイトルは、
Inside the red brick wall
香港の音楽のことはあまり知らないが非情な、ほぼ軍隊,まるで戦争してるみたいな重装備かつ同胞への尊敬も同情もかけらもない武装警察側は大音響で、香港ポップソングの
四面楚歌とか、学生なんやらというようなタイトルだけで日本人でもわかるような嫌味たっぷりもしくは心理的に泣き落とし目的な歌を流している。対話求める学生側が声が聞こえないから音を小さくして,音楽止めてと頼んでもお構いなしだ。塀の外壁の外はそんな奴ら。
中にいる学生は理大の学生だけでなく包囲されるとは思いもよらず中学生高校生も集まってきていた。みんな若いながらそれぞれに自分が生まれた香港,赤い中国とは違う文化政治生活スタイルを持つ香港を愛し護りたいという共通項だけでそこにはイデオロギーとかそういうモノはなくて,香港を我が街として守る,そしてこの場から無事家に帰りたいということに尽きる。普通の人たちがヘルメット防止ゴーグルさまざまな日用品手に入る限り使えそうなものを工夫して持ち寄り自分たちの身を守り時には攻撃している、本当にありとあらゆるものを使って。それでもバラバラになり疲れそんなモノが持ち主を失い散乱しているところも痛く悲しいし、包囲を突破しようと出ていく者たちへの容赦ない弾圧暴力は想像を絶するレベルだ。
学生たちは包囲されて外に出られないのに外から不審な中学校長団が交渉役として入り込んで、これは怪しい、仲間を分断していく,その時の疲労困憊のなか躊躇し引き止めようとするがそこも全く個人の意見気持ち行動尊重で,つくづく党派性もイデオロギーもなく、皆,強大な国家,強大な武力と脅しの前で自分の気持ちを決めていく。大半の人は利他の心を表し,助けてくれるだろうという期待もあるが支援してくれる市民が理大付近まで来ている,彼らとともに彼らのためにも踏み止まろうという発言も聞かれる。
とにかく、フラットな目線で塀の中に閉じ込められ状況をカメラは捕らえる。熱い香港への想い,諦められない気持ちが滲み出る。
すごい迫力だ,本物だから。
そしてその時私ならどうするか、中の学生一人一人と同じように考え悩みながらこの映画の時は進んでいくのだ。苦しい。
上映後監督さんもちろん顔出し名前だしなし、がウェブでインタビューに答えてくれた。聞き手は映画監督のリムカーワイ氏。
淡々としたフラットな目線は、
なるべく客観的な撮影と編集をしたとのこと。
また、その時その場にいなかった人々に見せなければ、伝えたいという使命感。もちろん監督は現場にいて中から撮影し当初は閉じ込められるとは思ってなかったから、撮影した映像、そこにいたことは後からは、非現実的に思えたそうだ。そこからの、知らない人に見せる必要性,映画として見せることで現実に戻し共有していく,というお話。リアルで震える。
あの場を体験しなかった香港人に見せるために作られた映画、完成し当初は上映できたから、真実を知ってもらえてよかった,となったが、その後香港での上映禁止。今は
海外の上映をして、感想や反応が戻ってくることが励ましにかり、映画を見てほしい、香港を忘れないでほしい。
最後に感銘を受けたのは、香港の状況は今さらに悪いがそれがかえって、ドキュメンタリー,創作の機会ともなるも、悲観的ではなく楽観的に考えているという言葉だった。
私たちはどのようにこのクソみたいな社会と闘うのか、どのように香港や他の苦難の人々と連帯するのか。強烈なストレートなドキュメンタリーである本作から考えていきたい。あの包囲網から逃れ,映像を持ち出し香港で作品にしたスタッフ,協力者に脱帽と感謝。1人でも多くの人が見られたら良いと願う。
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