グリーン・ナイトのレビュー・感想・評価
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指輪物語よりは落ちるのはやむなし。か。
アーサー王関係の話は知らない状態で鑑賞。でも、さすがにエクスカリバーを引き抜いた程度は知ってますけど。
なんか、古典特有の、日本書紀でも古事記でもそうですが、とっちらかったところがある物語なんでしょうけど、つなぎきれずにまとめてしまったのかなあという印象を受けました。ファンタジーとしてもちょっと中途半端かなあ。結局、緑の騎士ってなんだったのかも分からんし。
ただ、普段の自堕落さから緑の騎士の首を斬る勇気、約束を守ろうとする律儀さ、困難(飢えや乾きなど)への忍耐、誘惑に打ち克つまでの葛藤、そして首を差し出す覚悟などの描写はなかなか面白いものでした。
また、風景というか、城というか、どっかで観たことがあるような・・・。(笑)
輪廻を受け入れた映画監督
何をいいたいのかよくわからない。映画のストーリーだけ追ってもほとんど無意味なのは、あのとっつぁん坊やウェス・アンダーソン監督作品と双璧である。14~5世紀頃に書かれたとされる韻頭詩『サー・ガヴェインと緑の騎士』をほぼ原型のまま映像化している本作を監督したデヴィッド・ロウリーは、私が最も苦手としている映画監督の中の一人。争いごと無しに何かを勝ち取る成長物語だとか、過干渉だったロウリー自身の母親との関係を描いた自己投影作品だとか、最後にきっと勝つ自然と人間との対立を描いているなどなど、本作に関する解釈は様々だが、そのどれもが本作のある一部をとらえているだけで、映画全体の統一的解釈にはいたっていない気がするのだ。
ロウリーは語る。「私が撮った映画はすべて最後にホームに帰る人のお話なんです」緑の騎士との約束通り、1年後に首を切られに緑の礼拝所にやってきたアーサー王の甥っ子ガヴェイン(テーブ・パテル)もまた、(原作では)騎士に相応しい礼節を守ったご褒美に首つき?で家に帰ることを許される。『セインツ/約束の果て』の主人公二人も最後までこだわっていたのは“家”のこと。『ア・ゴースト・ストーリー』の幽霊もまた“家”にとりついた地縛霊だ。奥様も同じ映画監督という事情もありーので、アメリカのダラスにあるロウリー宅に2人してなかなか帰れてないらしいのである。
なーんだ単にホームシックにかかっている自分を投影しているだけじゃん、などとけっして早とちりしてはいけない。溝口健二監督『雨月物語』に登場する円環長回しショットが本作にも使われていたことを思い出せるだろうか。気味悪小僧バリー・コーガン扮するスカベンジヤーに身ぐるみ剥がされ、木の根もとに縛り付けられた状態で見た自分の悲惨な“未来”とそこから“現在”へと戻ってくるシーンに登場するのである。ロウリーが本作のハイライトシーンと太鼓判を押す、森の礼拝堂のラストシーンでも、王位を継いだ自分の未来の姿に絶望し斬首される決意を固めるのである。
ガヴェインの魔女でもある母親とオーバーラップさせたというロウリーの実母が幼い自分にしたことも、当時は嫌で嫌でたまらなかったらしいのだが、今にして思えば我が子のために何をしていいか分からなかった母親の気持ちがとてもよくわかると語っていたロウリー。本作に限らずデヴィッド・ロウリー作品に一貫して描かれているテーマは、巡りめぐって結局は元の場所に戻ってくる人間の“円環性”、仏教でいうところの業としての“輪廻”ではないのだろうか。アーサー王が被っていた“円形”の王冠のごとく、あるいは朽ちはてた石畳がやがて苔むし自然に返るごとく、あるいは蓮實重彦絶賛のカメラショットが“円環”するごとく、結局はその“輪廻”から逃げられない人間の業について述べているような気がするのである。
その“輪廻”から逃れるべく、もがき苦しみ運命と戦いラストに勝利するような(ハリウッドお得意の)物語には全く興味がないとも語っていたデヴィッド・ロウリー。故に事実をベースにした『さらば愛しきアウトロー』なんかは、まったくロウリーの作風には合っていなかった作品だったらしい。『ア・ゴースト・ストーリー』の幽霊のように本作は、その業としての“輪廻”に決して逆らわず素直に自らの内に受け入れた、騎士になる以前の怠惰な凡人ガヴェインがある“悟り”を開いた映画だったのではないだろうか。
ストーリーが訳わからない
A24らしさ満載のファンタジーでした💡
タイトルなし(ネタバレ)
アーサー王の甥、サー・ガウェイン(デブ・パテル)。
その怠惰な性格からか、いまだ正式な騎士になれず、惰眠を貪るような毎日を送っていた。
いつもと同じく女とのけだるい時を過ごしていたクリスマスの日、ガウェインは騎士たちが集うアーサー王の円卓に招かれた。
宴もたけなわな中、人間とも精霊とも区別がつかない異様な風貌の緑の騎士(グリーン・ナイト)が現れ、騎士たちに「首切りゲーム」を持ちかける。
挑発に乗ったガウェインは緑の騎士の首を斬り落とすが、騎士は切り落とされた首を拾い上げて、ガウェインに「1年後に会おう。今度はお前が首を斬られる番だ」と言い残して去っていく。
さて、1年後・・・
といったところから始まる物語で、西洋でおなじみの「死神との約束」の物語。
この物語には、おおよそ活劇シーンはなく、どちらかというと怪談めいた雰囲気で進むのが特徴で、そこいらあたりは心得ておかないと、「全然つまらないじゃないの」なんてなってしまいます。
さて、1年後、約束を果たすべく決意したガウェインに、母親は呪を掛ける。
「魔術を掛けた緑の布を腹に巻いて行け、この布を巻いている限り、そなたの首はつながったままだ」と。
旅をする中で、ガウェインが必要とする3つのアイテム(腹布、大刀、馬)を失い、それが再び現れるのも約束事で、この手の趣向は現代のゲームにも取り入れらていることでしょう。
『セインツ 約束の果て』『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』のデビッド・ロウリー監督は、この物語を凝った画面と鷹揚としたテンポで描いていきます。
緑の騎士の館にたどり着いたガウェインは、「首切りゲーム」を再開すべく、緑の騎士の前に跪くが・・・
その後の映像表現は『チキンとプラム』『ラ・ラ・ランド』でも用いられた手法。
(ここではフラシュバックではなく、フラッシュフォワードだが)
で、オチがやってくる。
むふふふ、落語のようだね。
こういうの、好き。
劇中でも語られるが、緑の騎士は文明に対する自然の暗喩で、「自然は人間の文明を飲み込み壊す存在」というのが西洋的考え。
ここいらあたりは日本とは異なりますね。
また、騎士たる者は、死を賭してでも約束は守らなければならない、約束を守ることこそが騎士の務めで、その精神は現代の契約社会に通じているのでしょうね。
ちょっと暗いシーンが見づらいのは難だが、面白かったですよ。
惜しいようで、惜しくない
予算もあって、CGでファンタジーの表現も出来て、監督的にはある程度満足いってるのかなと思うけど、逆にそこがこの作品をつまらないものにしてる気がする。
つまらないと言うのは、映画としてね。ストーリーじゃなくて。
話の面白い、つまらないは映画を評価する上で、大して重要じゃない。
これ、グリーンナイトの造形はそのままに低予算で作ったら、結構面白い映画になったと思ったんだけど、どうかな?
ラストのグリーンナイトのセリフが落語のオチみたいで、今作の唯一良かった点かな。
タイトルなし(ネタバレ)
人生はゲームのようだ。1年も100年も大して変わらない
時には様々な困難に出会うだろう
何かに挑戦しても最初は退屈な時間が続くかもしれない(バリーコーガン出てくるまで割と退屈)
どこに向かってるのかわからないし、人の背中は大きく見える(巨人は住む世界が違うしそいつらは助けてくれない)
もしかしたら不慮の事故にあって死ぬかもしれない(追剥にあって木に縛られる)
時には誘惑(奥方)や見返りや望まない愛を求められる(城の主)こともあるだろう
良さそうに近づいてきた人(狐)も実は自分に都合のいいことを言ってるのかもしれない
大切な人のお守りも実は何の効果もない(母上の腰巻)
そんな執着は捨てて、覚悟を持って生きろ
こんな感じでサーガウェインが王座に就くまでの葛藤をダークファンタジーで美しく、ちょっとグロく描いている(と思う)
見返りなんて求めず愛し合ってメリークリスマスってこと?
でもクリスマス映画って感じじゃないなこれとか思いつつ緑、時々赤のビジュアルを楽しんだ
原作小説読んでるともっとよく解釈できるのかも
腰巻の意味とか
何かと足りてないのは騎士道精神なのか
あと大体暗い。ザバットマンといい勝負
大人のグリム童話的な
アーサー王の甥がインド系
アーサー王の妹が中東系…。
まぁそこについては置いておこう✋w
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物語はダークファンタジーで難解。
・恋と裏切り
・誘惑する女
・言葉を発する動物
・人を騙す盗賊
・手助けしてくれる幽霊
・異世界のもの
まるで大人のグ〇ム童話のよう…。
とことん暗い映像で見えづらい場面も
多々あるも、動く絵本を観る感覚で
鑑賞すれば楽しめる感じ。
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個人的にはラストはハッピーエンドだと
解釈したい。
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ここにきてA24作品が高評価続きw
それも自分的にはおもしろいw
ちょっと危険な遊び事
アーサー王の甥でありながら、武勇伝のひとつもなく怠惰な生活を送るガウェイン。ある時、突如として現れた緑の騎士(というか、怪人)がけしかけた”遊び事”に挑戦し、勇気が試される旅に出る物語。
本作、A24好きでダークファンタジー好きのワタクシとしては見逃すことのできない作品。
しかも、比較的小規模作品が多いイメージのA24作品において、これまでで最大のスケールなんて聞いた日には期待度爆上がりで劇場に向かうワケですよ。
・・・で、結論からいうと。。。
大好きなダークファンタジーな雰囲気はガッツリ堪能できたものの、内容そのものは・・・といった所でしょうか。
とにかくテンポがマッタリなんですよね。2時間10分強のやや長尺ですが、もっとギュッとできたような・・・。まぁでも、この重厚な雰囲気にはこのくらいゆったりの方が合っているのかも。
ストーリーの方はワタクシにはちょっと難しいレベル。
何故失くしたハズのそれがここに!?
そしてこの登場人物達が言いたいことって何!?
お婆ちゃん、あなたは何の味付け役!?
・・・等々、ちょっと考えただけでは答えの出ないような物事が沢山‼そしてこのオチって何よ!?
・・・と、言った感じで、もうちょっと直球なダークファンタジーを期待したワタクシ的には高得点には至らなかったかな。
でもでも、だからといってあっさりと切り捨てるには勿体ない作品。
やや難しくはあったけれど、どこをとっても考察しがいのある内容だし、繰り返し観たり色んな人の感想を聞くたびに新たな解釈が生まれそうな深みのある作品といった印象。
色んな解釈の仕方がありそうだけど、ガウェインの成長物語ってのは間違いないですかね。
そしてこれはハッピーエンドかバッドエンドか…個人的解釈では、最後の言葉は比喩的なものだと思うので前者なんじゃないかな~と思います。ってか、それが希望。
何だかんだでやっぱりダークファンタジーは良いですね。
ファンタジーなのにキラキラしてない感じと少しの禍々しさ。加えて何でもアリの世界観。この雰囲気がたまらん!数が少ないのが寂しいので、どうかもうちょっと作って欲しいものです(笑)
不徳不実ないくつもの夜を越えて
騎士道の脱構築
途中だいぶよくわからないのだけど、騎士道とか名誉とかヴィルドゥンクスロマンの脱構築らしいことはなんとなくわかった。「ちょっと待って」って言ってみるものだ。恥ずかしがってはいけない。それで死なないならラッキーである。
旅立ちの前にエセルが言った言葉が全て。
エセルも首を無くした少女も城の妃も、女性たちは繰り返し問う「名誉?それは本当に望んだしあわせなの?」
あのゲーム乗らない手もあったのね。
彼はあの後どんな人生を選ぶのかな。
バリー・コーガンはいつもいい。
どうやら伯父さんはアーサー王らしいので、その辺わかってるといいのかも
お母さんがよくわからないな。たぶんお母さんが与えた試練?だらしない息子にちょっと気合い入れるか的な?
英語のフォントがおしゃれすぎて読めなくて敗北感。
ひさしぶりによくわからないな映画みたなー
夢なのか悪夢なのか男の人生の選択
万人向きではなく好みが分かれる作品。
1人の臆病な王族の男の人生を描く。
優柔不断で騎士に憧れる王族に訪れる数奇な運命。
緑の騎士の地を訪れる際に出会うそれぞれのキャラの関連性を考えても繋がりを見つけられなかった。
この物語、クリスマスの祝祭からラストの選択までもが夢のような事柄の連続でした。
ただそんな彼が終盤に見る予知夢のみがこの物語の中でスッキリしたものだった。
騎士道とは死ぬことと見つけたり
アーサー王の甥であるサー・ガウェインは、
正式な騎士になれぬまま怠惰な毎日を送っていた。
クリスマスの日に、
円卓の騎士が集う王の宴に、
異様な風貌をした緑の騎士が現れ、
ガウェインは、
その緑の騎士の首を斬り落とす。
ところが騎士は転がった首を自身の手で拾い上げ、
ガウェインに1年後の再会を言い渡して去っていく。
ガウェインは、
その約束を果たすべく、
未知なる世界へと旅に出る。
その旅とは、
英国騎士の王様になるには伝説が必要なのだ。
その旅とは、
騎士道修行、
ゆめ幻の如くなり
あなたは、
死ぬ一瞬に、
走馬燈の様に過去どころか、
生きながらえ将来を垣間見てしまったら、
あなたならどうしますか?
グリーン・ナイトは、
クセ強い映画だった。
映像や風景が幻想的でスピリチュアルで、
たまにはこんなのいいじゃないですかー
おおォォォ……この感覚は久しぶり…笑
これはこれは………笑
映画を解釈するのは好きなほうですが、これは久しぶりに置いていかれたなァァ~笑
「なんか面白そう~」とか、「A24って凄いらしい」とか、普段ポップなハリウッド作品や話題作を観ている方が安易に飛びついちゃうと、酷評行きな気がしますね。
中世の歴史や騎士に関する予備知識はほぼありません。しかしながら予告を観て、高鳴る想いを自制し(傷つく事は想定内…)、結構楽しみにしていました。
夢か現かのダークファンタジーさはしっかり表現出来ているのではないでしょうか?
怠惰な自分からの逸脱、冒険談としては少々分かりにくい点が多いので、単純明快な作品ではないです。映画を鑑賞しつつ「えーっと!だから!あれはきっと!なのかな!」…と、悲しいかな自分に足りない感性との戦い必至です。笑
世界観や映像美、カメラワーク等は独特で、とても魅力的で素晴らしいと思います。ですが、内容に関しては、観覧中も、観終わってからも、分かったような分からなかった様な、それこそこちらも夢心地のまま。
そして考え抜いた挙句、「う~む結局ようわからんなァァ~」と諦めの境地へ達します。
とても悩ましい映画です。ただ、悩ましいという感覚は視点を変えるとどうにも魅力的でもあります。
映画好きのお仲間が居れば、この映画についていつまでも語り合える楽しさはありそうですね。
不思議なことに、もう二度と観ないとは思わず、また観てみたい、理解したいと思っています。
ということは、難解だと独りごちながらも、この映画の独特の魅力に惹き付けられているのでしょう。
それこそ、映画の素晴らしさだと思います。
次観た時はどう感じるだろう。
絵本を読み進む様なダークファンタジー
苦難と妖しさに満ちた旅路
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