劇場公開日 2022年11月25日

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「まさに「狐につままれた」ような物語」グリーン・ナイト tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0まさに「狐につままれた」ような物語

2022年11月25日
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ファンタジーではあるが、アクションでもスペクタクルでもなく、VFXにも派手さはない。
陰影のある美しい映像と、幻想的な雰囲気からは、「伝奇」とか「奇談」といった言葉が思い浮かぶ。
話の骨格は典型的な「貴種流離譚」だが、地位や名誉を手に入れるためには、血筋だけでなく実績も必要だというのは、古今東西の共通認識ということだろう。
アーサー王の甥を、なぜインド系の俳優が演じているのかは良く分からないが、それによって、自分の実力を示さなければならないという主人公の切迫感や焦燥感がより際立ったように思う。
夢とも幻ともつかない物語から教訓とか寓意を読み取ることは難しいが、悲惨な末路を知らせた上で、そのような人生を送らせるという罰を与えたのか、悲惨な末路を知らせることによって、そのような人生を送らないように助けたのか、グリーン・ナイトの真意が気になるところである。

tomato