「三者の視点で描かれる三人の人物。」最後の決闘裁判 コバさんの映画レビュー(感想・評価)
三者の視点で描かれる三人の人物。
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一つの事件について、三者の視点で描かれた作品。
それぞれにとって重要な点、印象的な点を切り取ることで、真実とはそれぞれにあるという一つのテーマ。
もう一つのテーマは女性の社会的進出やmetoo 問題を彷彿とさせる描写。
2つのテーマが合わさることで、加害者と被害者とでは理解し合えない壁があることを強く感じました。
ラストでマルグリットが見せる表情。決闘に勝利し、生き長らえたが、彼女が負った傷が無くなる訳ではないという、事件の真実の先にある本当の真実。
個人的に、この作品を一番評価しているのは、女性問題を取り扱ったことよりも、3人の巧みな演技力です。
3人の人物がそれぞれの視点から描かれているため、それぞれに「夫から見た妻」「友人からみた妻」「妻自身」というように、1人を演じているようで、実は3人のキャラクターを演じています。その微妙な演技の使い分けが実に素晴らしかったです。
私も、友人や家族、恋人など、関わった人の数だけ「私」が存在しているんだろうなあ、とそんなことを感じた次第です。四畳半神話大系とかモテキでも扱われているテーマですね。
良作でした。観れてよかったです。
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