「ヒロインの勝利にVサイン!」最後の決闘裁判 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
ヒロインの勝利にVサイン!
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扱っているテーマが、性の人権問題であるが故に、重い雰囲気は否めなかったです。性を強要した男性、された女性、その夫の3人の視点が、それぞれ1章ずつ展開されますから、実に判りやすかったです。同じシーンを何度も観ますから、ある意味この映画を3回観ているような気になります。その3回を観ても、性を強要した男性は悪であるということは隠しようがないのが、真実の重みであると言えます。1380年代の話ですから、日本で言えば室町時代で足利将軍家が支配していた頃です。高等宗教はすでにあれど、女性の地位は低かった時代の話です。そんな古の実話ですが、最後まで途切れることなく集中して観れるというのは、監督の見事な手腕でしょう。決闘裁判で勝利した夫は、名誉のために歓喜し、ヒロインは女性の人権の勝利について喜びます。その微妙な心の中の想いが、見事に表情で演じられているところには舌を巻きました。この作品は女性の幸福対男性の欲望や名誉欲との戦いです。ラストにはきちっと女性が勝利したことに、思わず画面に勝利のVサインを捧げました。
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