「ディア・スタン・ハンセン」ディア・エヴァン・ハンセン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ディア・スタン・ハンセン
孤独+孤独は前向きになれる・・・などと感じつつ、“We are not alone”という言葉に胸をつかれた。そういえば、大好きなボズ・スキャッグスの曲「ウィー・アー・オール・アローン」と真逆なんだな~としみじみ。まぁ、こちらはラブソングですが・・・
嘘も方便、嘘から出た実、嘘つきは泥棒の始まりなどなど“嘘”の慣用句もいっぱいありますが、孤独な高3エヴァン・ハンセンにとっては、同級生コナー・マーフィの家族に対して瞬時についていい嘘だと判断して思い出話をでっち上げていくのでした。確かに奨学金のために作文コンクールに応募するくらい想像力がたくましい青年。まさかセラピーの課題「自分への手紙」こんなことになろうとは!そういえばアンジェラ・アキの「手紙~拝啓十五の君へ~」もそんな感じだったか?ちなみにアンジェラ・アキも「ウィー・アー・オール・アローン」を歌ってるのは偶然なのか?!
エンドロール後の文章を見るかぎり、どうも青少年の自殺防止のための作品だとしか思えなくなってしまった。SNSで拡散し、動画を使った盛り上がり、そしてメールの偽造など、いかにも現代的な要素満載であり、孤独な人間に手を差し伸べようというテーマがなぜだか鼻につく。現実的には心の病や打ち明けられない性格の人の自殺より、病苦、経済苦、若者にいたってはいじめという原因が圧倒的に多い。なめんなアメリカ!日本は自殺大国だぞ!と言いたくなってくる。うつ病になる原因のほうが重要だと思うのです。
内容はともかく音楽はかなり良かった。さらにアメリカの高校生活もチャラい恋愛映画よりもリアルに描かれてたと想像できる。また、食堂にはダイバーシティとか書かれているし、友人(と思ってる)ジャレッドのゲイも普通に描かれていたし、そうした背景は良かった。また、エヴァンの部屋にはボブ・フォッシーと書かれたポスターもあったし、ミュージカルへのオマージュが感じられる。ちなみに僕、コッシーです・・・ウィーーー!!