劇場公開日 2021年11月26日

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「知らない自分に出逢える映画…」ディア・エヴァン・ハンセン MARさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0知らない自分に出逢える映画…

2021年12月11日
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幸せ

自死した少年の両親から、親友だと勘違いされたエヴァン。悲しみに暮れる母を前に、つい嘘をついてしまったことから、一大事に発展してしまうが…といった物語。

そこそこ評価が分かれている作品ですが…、個人的に良かった点とそうでなかった点を網羅してみようかと。

□良くなかった点
コナーの追悼について。
あんなに人が集まっていたが、そもそも皆コナーを普段から放っておいていた人達なのでは…?勿論、合う合わないはあるからそれは全然良いんだけど、亡くなった途端いきなり…ってのはどうしても違和感を感じてしまった。

コナーの母親について。
ゾーイを見ていればわかるが、この母親、明らかなる長男至上主義者で…。歌にもなっていたが、ゾーイは彼女の正直な気持ちでいれば良いと思った。

トレッドの可愛い彼女について。
後半で彼女の起こしたある行動…。あれは悪い意味で本当に体中が熱くなってしまった。勿論コナーの為の善意なる目的があってのことですが、亡くなった人の書いた手紙を(実際は違うんだけど、この時点で彼女はそう思っていたわけで)ああする神経は理解できなさすぎる。

エヴァンのスピーチ場面について。
本作の目玉シーンであろう場面だが、これを言ってはおしまいですが、結局は全て嘘なわけで…。流れるキラーチューンが白々しく聞こえてしまい。。なんだかなぁ。そして観客側としては、コナーを良い所を粗観てないので…どうも何もかもがしっくりこないんですよね。。

□良かった点
エヴァンの母親について。
コナー両親とのシーンは少しグッと来た。彼女はプライドを持って、息子を想うからこそ、息子との時間も犠牲にして働いているのだ。そのうえでのあの提案。そりゃあそうなりますよね…。辛いシーンだけど、女手一つで子供を守る母親の強さと意地、そして哀しさを垣間見せてくれた場面だった。

トレッドの可愛い彼女について。
上述でこきおろしてしまいましたが、実は彼女にも色々物語があるようで…。元気で悩みの無いように見える人が実は…ってのは、リアルにあるものですよね。応援したくなった。

エヴァンのスピーチ場面について。
こちらも上述でこきおろしてしまいましたが、嘘とかはどうあれ、実際あれで非常に多くの人が救われたのは事実であって。白々しく聞こえたキラーチューンも、哀しい形ではありますが、結果として多くの人がひとりぼっちだったコナーを見つけたわけですからね。見方を変えれば、やはり名シーンなのだろう。

エヴァン自身について。
彼の嘘が大事になってしまったわけだが、全ては彼の優しさからなんですよね。誰からも見つけてもらえなかった彼が、嘘を本当にしようと、コナーを「探し」始めたことは、大きな意味があったのではないかな。

そして木登りについて。それほどまでの大きな決断をしても尚、木の下で誰にも見つけてもらえなかった…勿論、見つけてほしい為のパフォーマンスなどではなく、彼は本気だったわけだが。それでも、誰かが見つけてくれても良いじゃん…。エヴァンはどんな気持ちで日常に戻ったのだろうか。

それでも生きていくエヴァンの健気さよ・・・負けるなよッ!!

以上、ざざっとまとめました。

色々考察しても尚、やっぱり個人的に高評価に至らないのはワタクシ自身がちょっと曲がっているのかも。あとはミュージカル作品について、ここ最近のミュージカル作品が刺さらないのは、未だにグレイテストショーマンの衝撃を引きずっているのかな。。なんか無駄にハードルを挙げてしまっているのかも。反省。

メインテーマは良かったですね♪

MAR