「友だちの支えがなくたって、君は一人じゃない」ディア・エヴァン・ハンセン まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)
友だちの支えがなくたって、君は一人じゃない
思いやりのためについた嘘から始まる物語。
自己嫌悪ばかりの日々を過ごしていたエヴァンにとって夢のような人生を突然手に入れたことに戸惑いながらも幸せに浸るところからどう着地させるのかと思いましたが、前向きなラストに好感を持ちました。
息子を失った母親をはじめとする家族を傷つけないためについた嘘の物語は、エヴァンが本当は求めていたことで、もしも本当にコナーとエヴァンが友達になれていたなら、きっと違う未来があっただろうと切なく胸が締め付けられます。
心の病を抱えた少年やその家族、一見そうは見えなくても実は孤独を感じる多くの人々など様々な心情が描かれており、共感できることがたくさんありましたし、素晴らしい楽曲も相俟って心に響きました。
エヴァンの嘘から始まる物語であることから、終始観てる私にも後めたさや不安があるので、ある意味素直に感動しきれない部分があったり、ハッピーで賑やかな王道ミュージカル作品ではありませんが、優しさと直球のメッセージを込めた素敵な作品だと思います。観て良かったです。
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